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誘意夜桜  作者: 化火富 藍月
誘う夜桜
12/100

ロア・ジョーカー

「フフフ」

あの子達も大変だなぁ~手伝ってあげようかな

でもここで私が手を貸すのは........まぁいいや

見てる方が楽だし

ゆっくり見物させてもらおうかな~



竹の香り 木々や葉っぱが風で擦れる音

木々の隙間からこぼれる陽光


「...綺麗」

小さな頃から自然が好きだった

飛び交う小鳥の鳴き声

ヒラヒラと舞い落ちる木の葉

大きく立派な大樹の枝々から射す木漏れ日

美しい

時を忘れて魅入ってしまう


「人の手では到底作り得ないからこそ美しい 」

私はそう思う


「君はどう?」

そう言いながら夜は後ろを振り向いた

そこには誰もいなかった

そう

<そこには>誰もいなかった



「首も~らった!!!」


ガギッ


!?

「あれ~?おかしいな~確実に首を跳ねたと思ったのに~どうして分かったの~~?」


「気配」

夜は普段とは違う真剣味を帯びた声色と口調で

返事をした


「気配~?いやいや分かる訳無いでしょ!

あたしはバレないように気配消して上から

襲ったんだから、普通なら貴方の首はもう

私の足下に転がっているのよ?」

コイツ、何か他の人間とは少し違う感じがする

雰囲気というか気配というか...

何かが違う...


「貴方...何者~?」

完全に気配は消していた

息も止めたし音も出さなかった...

だのにコイツはあたしのナイフを難なく防いだ

どういう事かしら


「.....さぁ...なんだろうね...」


「あら、つれないわねぇ~」

知られると何かまずい事でもあるのかしら

まぁ確かに、敵に自分の情報を漏らすなんて

阿呆のする事だわ


「そういう君は何者?」


「あら、自分の事は教えないくせに

相手の事は知ろうとするのね~貴方は」


「闘いとはいかに相手を知り得るかであり、

先に見極めた者こそが勝者と成り得る」


「あら~結構分かってるじゃない」

コイツ、相当な手練れね...

さっきからずっと隙を探ってるけど

針穴一つ見当たらない...

しかも...

あの長い布袋、得体が知れない...

私のナイフは日本刀と大差無い程に切れる

金網も難なく切れるし、ワイヤーだって切れる

そのナイフの斬撃をいとも容易く受けるなんて..

ただ単にこの女がヤバいってのもあるけど....

よほどの代物でなきゃ不可能な芸当だわ


「ねぇその布袋の中に何が入ってるの~?」

まぁこんなド直球に聞いても

返事は大体見えてるけどね


「....さぁなんだろうね...」


ほらね

だと思ったわ

敵に自分の武器の情報を漏らす訳無いじゃない

しかし

相手に隙が無い以上、迂闊な行動は出来ない

「いかに相手を知り得るか」.....ね

確かにと言わざるをえないわね

相手の事が分からない以上

何が正しくて何が過ちになるか分からないもの

ここは.....仕方ない


「もういいわ」


「?」


「お互い止めにしましょう」


「.....何を?」


「様子見を」


「.....」


「こんな事しても埒が明かないし」


「そうだね」


「ここからは本気で殺りに行く」


「.....そう」


ここからが本番

お互い力を隠してるのは火を見るより明らか...

ならば相手の力を引きずり出し

相手より先に見極める


「じゃあ行..........え??」


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