鳴
1時間前
「...行ってきます」
.....
「あら~まだ夜津葉ちゃん来てないわよ~?」
随分早いわね~途中で本でも買うのかしら?
「...ん、夜津葉が来たら......」
...まぁいいや
「ん~?」
あらあら...
「...夜津葉には...先に行ったって伝えて...」
「.....了解♪気を付けて行ってね」
ふ~ん
「...ん」
さて...あとは...アレを.....
「ほら...忘れ物よ、必要なんでしょう?」
貴方は自分の事をどう思ってるか知らないけど
結構分かりやすい性格してるのよ貴方は...
少なくとも私には分かるわ
母は私の目の前に長細い布袋を置いた
持った瞬間
鈍い重さと持ちなれた手の感触ですぐに
アレが入ってるのを実感した
「...ありがとう」
「夜、気を付けてね」
この子が負ける事は無い
そう頭で理解していたとしても心配してしまう
だって我が子なんですもの
「...ん」
それじゃ...行こうかな
「行ってらっしゃい」
母は微笑みながら優しい口調で
出発を促してくれた
「行ってきます」
夜もその母の表情や温かい雰囲気につられてか
少し微笑んで出発を告げた
スタスタスタ
ガラガラガラ
ピシャン
スタスタスタ
「まぁあの子なら大丈夫ね」
それは私が一番よく知ってるもの
だって母親ですもの
それにあの子にはアレがあるから
生まれ持った才能であろう事は
もう誰の目にも明らかだった
私達一族でも誰もああゆう類いの物は
持ってないし、真似出来ない
あれはもう人の域を越えてるわ
スタスタスタスタスタスタ
「...」
スタスタスタスタスタスタ
「...」
スタスタスタスタスタスタ
「...」
.....
夜はいつも歩いてる本来の道を外れ
竹林が生い茂る公園に入って行った
ケヒヒヒヒヒヒヒ
「お次はだぁ~あ~れ~?」
イヒヒヒヒヒヒヒ
ヒュッ
そして
異様を纏った<何か>も竹林に入って行った