『 ロボットメイドと、苦悩するご主人様 』
「それでは私も失礼して。いっただっきまーす!」
太いの小さいの長細いの丸っこいの。
毎日毎日、そんな美味しそうに食べられたら、もう。
「……」
何だか目の前の高級料理が霞んで見えてきた。
最高級食材が、最高級の食器が。
「今日、街の電気屋さんで大手メーカーの単二が安かったんです。デザート用に冷やしてるんですよー。あ、もちろんご主人様用の最高級アイスも」
デザート用の電池。
キンキンに冷えた単二電池。
唇の端っこから垂れそうになる、涎。
「あああ」
……面白半分に作った設定が、まさかこんなに自分を苦しめる事になるなんて。