初バトル!
あれから一つ重大な事が判明した。
シービーは俺よりレベルが高い。
おれは現在未だレベル2。
そしてなんとシービーはレベル10だ!!!!
この事をシービー悟られてはいけない。絶対にだ!!
もしこの事実がやつにバレれば確実にリーダーぶってくるだろう。
いや、それならまだいい。ペット扱いしてくる事だってありえる!
なんて事をずっと考えながら歩いていた。
すると草むらがガサガサとたなびいた。
おれは直感した。おぞましい魔物の気配を!確実にそこにいる!
次の瞬間それは姿を現した。
青くて丸っこいプニプにした何かが!
「おぉぉぉぉ!魔物!魔物だぁぁぁぁ!!
シービー!!気をつけろ!魔物が現れたぞ!!!」
「そうだねぇ!」
おれは全く緊張感のなさげなシービーに注意喚起をして
魔物と間合いを取った。
「ぷにゃぁぁぁぁぁ~~!!」
プニプニしたやつは体をプニプニ震わせながら雄たけびをあげて威嚇してきた。
流石は魔物、恐ろしい叫び声だ
「くっ、なんて禍々しい!だが先手必勝だ!いくぞ、必殺犬拳!!」
おれは空中に跳んだ!そして脳天目掛けて拳を振り下ろした。
しかしおれの拳は奴の体にグニっとめり込み、ポヨンと跳ね返された。
「なにっ!!奴には打撃は効かないのかっ!なんとやっかいな相手だ!!」
その一部始終を見ていたシービーの目はまるで養豚場の豚を見るような目だった。
「なにやってんの?こいつは青ぷにぷだよ?魔物の中でも際弱のモンスターだよ?」
「なにっ!?」
くそっ、今ので俺の経験値がばれたか?いや、まだだ、まだ俺には奥の手が
残っている。そう、以前手に入れた二つの斧だ!
おれは背中に背負っている斧の内、銀の斧を口に咥えた。
「ふがふがほがぁ!ふぇへふんふふふぇほがぁぁ!!(見てろシービー!奴を倒して見せてくれる!!)」
「え?なに?なんて言ってるか全然わかんない!」
おれは青ぷにぷに目掛けて全力でダッシュした。
切り刻んでくれる!
「ふぃっふぁふ!ふぁぃふぉぉふふぁふえふぃふぃ!(必殺!大狼咥え斬り!)」
ジャキーーーン
静寂…そして一つ、風が吹いた……
ぷにぷにが真っ二つに引き裂かれた。
おれはありったけのドヤ顔をしてみせた。
しかし!!
「なにドヤッてるの?早く行かないと森を抜ける前に夜になるよ?」
「あ……、はい」
やばい、完全に奴に下に見られている……
いや、しかしいくら魔女とはいえやつはまだ子供!
ろくに戦闘などできまい。俺に泣きすがってくるに決まってるわ!
という安易な考えは、3分後に打ち砕かれた。
青ぷにぷに5匹の群れが襲い掛かって来たのだが
シービーはいっぱしの魔女よろしく魔術が使えるらしく
「メテオ」という、空から隕石を降らす魔術で群れを一瞬で消し炭にして見せたのだ。
おれはというと、あまりの恐ろしさに粗相してしまっていた。
シービーには「マーキング」という大義名分で誤魔化しておいた。