案内天使といぬたまっ!
遂に始まる異世界ファンタジー!
小鳥のさえずりが聞こえた。
薄眼を開けると青く澄んだ空がどこまでも広がり、お日様が照っている。
おれはのびをした。
「ふぃぃーきょうもいい天気ですなぁ!…………ん?」
よくよく辺りを見回すと見渡す限り野山が広がり、木々が生い茂り、
所々に可愛らしいお花が咲き誇っていた。いろいろな香りがした。
おれはのびをした体制のままそれまでの経緯を振り返った。
「たしか犬に気を取られて、マンホールの穴から落ちて……
えっ!?俺もしかして死んだ!?ここ天国!?」
と、驚いているところに天パで金髪、全裸で背中に翼を携えた
どう見ても露出魔としかいえない風貌の、変態然としたもはやUMAが空から降りてきた。
「やぁやぁ、僕は案内天使!でもここは天国でもなければ君は死んでもいないよ新人さん」
この間髪入れない奇妙な展開に、常人ならパニックを引き起こす所だがおれは違った。この手のファンタジー系ライトノベルは読み尽くしている。
小太郎の脳内変換
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現実世界で事故あるいは意識を失う
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見ず知らずの奇妙な世界に来てしまう(いまここ)
↓
魔王を倒す使命を受け、仲間達と共に旅立つ
↓
お姫様を救出しその後お姫様とゴールイン
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一瞬で悟った!もはやおれはプロである。
「そういう事かっ!!いやぁ遂におれも主人公的なロールが回ってきたかぁ!それでお前さんは主人公のおれに使命を伝えにきた案内人という事か!魔王を倒してお姫様を救ってほしいんだろぅ?しょぅっがねぃなぁ!俺に任せときな!!」
露出魔もとい天使はこれでもかというほど眉間に皺を寄せた。
「え?何言ってるんですか?あなたにそんな事出来るわけないでしょう?
自分の姿みてごらんなさい、アグレッシブァ・ジャンゴリアン!」
天使はいわるゆ魔法的な呪文を唱えると大きな鏡が現れた。
「え?えぇぇえへへぇぁあああぅぁばらぁ!!????」
そこに映った俺の姿はどう見ても犬だった。
そして、どうみてもいぬだった!!
そしてその犬は正に現実世界で最後に見たあの犬にまちがいなかった……。
案内天使w