カマルの観察日記
いちにちめ
かかさまが、ちょっと前、字というものをおしえてくれた。
じーじが、れんしゅーするといいと、この『日記帳』をくれた。
だから今日から、がんばる。
かまる。
ににちめ。
ほんとうは、上の、ふつかめって書きたかった。しっぱいした。
字、むずかしい。うねうねしてる。
でも上手にかけると、かかさま、甘いのくれる。じーじも、なでなで。
だから、がんばる。
カマル。
みっかめ。
今日はまちがえなかった。
今日はムゥとメェとモォの家に行った。
ハルゥさんとかかさまがおしゃべりしてる間に、四人でこっそり庭にいって、甘い実を食べた。ムゥたちの口が真っ赤になってた。えほんにでてくるおばけみたいだ。
後で聞いたら、その甘い実は大事なのだった。もう食べない。
かかさまは笑ってたけど、なんでだろう。
あと、じーじにみっかぼーずにならなくてえらいってほめられた。ぼーずってなんだろう。
カマル
よっかめ
よんにち……あ、まちがえた。よっかも書いてると、だんだんむつかしい字も書けるようになった。
じーじがかしこいぞ、ってほめてくれた。
かかさまは笑って、じーじには内緒ね、ってカマルのご飯に肉、いっこ多めにくれた。
じーじは今日、久しぶりにつーんってくる飲み物?おさか?おさけ?を飲んでた。髪もまっかなのに顔もまっかになって、かかさまにおこられてた。
後で、しゅーんってしてた。
だから肉、いっこあげた。
なでなでされた。
よくわかんないけど、うれしい。
カマル
いつかめ
今日はかかさまと、庭で一緒に花や草のおせわした。……おせわをした。
かかさますごく物知り。いろいろ教えてくれる。
だから今日、いろいろおぼえた。じじさまにも教えてあげた。
食べれる草、庭には少なかった。
かあさまはいつか植えましょうねって言ってくれた。約束した。
植える時には、ハルゥさんのところから、分けてもらって植えよう。
カマルの好きなのと、かかさまの好きなのと、じーじの好きなのと。
カマル
むいかめ
今日はじーじとぶんぶんした。
かかさまはそれを見ながら、カマルの服をチクチクしてくれた。
やぶれてたのが、綺麗になおった。
きっとかかさまは絵本に出てくるような、まほうつかいなんだ。
じーじにそう言ったら、そうかもな、って言ってた。
おいしいごはんも作れるから、そうだと思う。
ぶんぶんの後、かかさまがごはんを作ってたら、知らない人が家に来た。
でも、同じかっこの人が来たら、いつもかかさまは夜いなくなる。
今日も、かかさまおやすみって言ってごはんもまだなのにどっかに行っちゃった。
だから今日はじーじとねんねした。
カマル
なのかめ
朝起きたら、かかさまが家に帰ってきてた。
うれしかったけど、さみしかったからぎゅってくっついてた。ずっと。
なでなでして、だっこして、いっぱい約束してくれたから手をつなぐのでがまんした。
じーじは笑ってた。
笑っても、今日のかかさまはカマルのだからじーじにはわけっこしてあげないことにした。今日一緒にねんねするのもカマルだ。
でもじーじだから、かかさまのごはんと笑った顔はわけっこしてあげようと思う。
今日のかかさまはいつものおひさまの匂いじゃなくて、うっすら花の匂いがした。
きついのはきらいだけど、かかさまのは好きだ。
ハルゥさんの家でかいだ匂いに似てた。
でもかかさまは、どんな匂いでもだいすき。じーじも。
カマル
「あらカマル、日記を続けているのね」
「……ん」
「ちょっとじ-じにも読ませて……」
「だめ。カマルの日記はカマルの」
「あ、逃げよった」
「ふふ」
なのかめ
朝起きたら、かかさまが家に帰ってきてた。
うれしかったけど、さみしかったからぎゅってくっついてた。ずっと。
なでなでして、だっこして、いっぱい約束してくれたから手をつなぐのでがまんした。
じーじは笑ってた。
笑っても、今日のかかさまはカマルのだからじーじにはわけっこしてあげないことにした。今日一緒にねんねするのもカマルだ。
でもじーじだから、かかさまのごはんと笑った顔はわけっこしてあげようと思う。
今日のかかさまはいつものおひさまの匂いじゃなくて、うっすら花の匂いがした。
きついのはきらいだけど、かかさまのは好きだ。
ハルゥさんの家でかいだ匂いに似てた。
でもかかさまは、どんな匂いでもだいすき。じーじも。
カマル
ほんとにだいすき。
End.
◆◆◆
『カマルの観察日記』でした。
日記を書くカマルをニケと義父が微笑ましげに見ているのは言わずもがな。
二人に見せられない日記はハルゥの三つ子のお兄ちゃん(ちなみに名前はマァ)に添削してもらってます。
リクエストありがとうございました。