表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/21

カマルの観察日記

いちにちめ


かかさまが、ちょっと前、字というものをおしえてくれた。

じーじが、れんしゅーするといいと、この『日記帳』をくれた。

だから今日から、がんばる。


かまる。





ににちめ。


ほんとうは、上の、ふつかめって書きたかった。しっぱいした。

字、むずかしい。うねうねしてる。

でも上手にかけると、かかさま、甘いのくれる。じーじも、なでなで。

だから、がんばる。


カマル。





みっかめ。


今日はまちがえなかった。

今日はムゥとメェとモォの家に行った。

ハルゥさんとかかさまがおしゃべりしてる間に、四人でこっそり庭にいって、甘い実を食べた。ムゥたちの口が真っ赤になってた。えほんにでてくるおばけみたいだ。

後で聞いたら、その甘い実は大事なのだった。もう食べない。

かかさまは笑ってたけど、なんでだろう。

あと、じーじにみっかぼーずにならなくてえらいってほめられた。ぼーずってなんだろう。


カマル





よっかめ


よんにち……あ、まちがえた。よっかも書いてると、だんだんむつかしい字も書けるようになった。

じーじがかしこいぞ、ってほめてくれた。

かかさまは笑って、じーじには内緒ね、ってカマルのご飯に肉、いっこ多めにくれた。

じーじは今日、久しぶりにつーんってくる飲み物?おさか?おさけ?を飲んでた。髪もまっかなのに顔もまっかになって、かかさまにおこられてた。

後で、しゅーんってしてた。

だから肉、いっこあげた。

なでなでされた。

よくわかんないけど、うれしい。


カマル






いつかめ


今日はかかさまと、庭で一緒に花や草のおせわした。……おせわをした。

かかさますごく物知り。いろいろ教えてくれる。

だから今日、いろいろおぼえた。じじさまにも教えてあげた。

食べれる草、庭には少なかった。

かあさまはいつか植えましょうねって言ってくれた。約束した。

植える時には、ハルゥさんのところから、分けてもらって植えよう。

カマルの好きなのと、かかさまの好きなのと、じーじの好きなのと。


カマル





むいかめ


今日はじーじとぶんぶんした。

かかさまはそれを見ながら、カマルの服をチクチクしてくれた。

やぶれてたのが、綺麗になおった。

きっとかかさまは絵本に出てくるような、まほうつかいなんだ。

じーじにそう言ったら、そうかもな、って言ってた。

おいしいごはんも作れるから、そうだと思う。

ぶんぶんの後、かかさまがごはんを作ってたら、知らない人が家に来た。

でも、同じかっこの人が来たら、いつもかかさまは夜いなくなる。

今日も、かかさまおやすみって言ってごはんもまだなのにどっかに行っちゃった。

だから今日はじーじとねんねした。


カマル






なのかめ


朝起きたら、かかさまが家に帰ってきてた。

うれしかったけど、さみしかったからぎゅってくっついてた。ずっと。

なでなでして、だっこして、いっぱい約束してくれたから手をつなぐのでがまんした。

じーじは笑ってた。

笑っても、今日のかかさまはカマルのだからじーじにはわけっこしてあげないことにした。今日一緒にねんねするのもカマルだ。

でもじーじだから、かかさまのごはんと笑った顔はわけっこしてあげようと思う。

今日のかかさまはいつものおひさまの匂いじゃなくて、うっすら花の匂いがした。

きついのはきらいだけど、かかさまのは好きだ。

ハルゥさんの家でかいだ匂いに似てた。

でもかかさまは、どんな匂いでもだいすき。じーじも。


カマル










「あらカマル、日記を続けているのね」

「……ん」

「ちょっとじ-じにも読ませて……」

「だめ。カマルの日記はカマルの」

「あ、逃げよった」

「ふふ」









なのかめ


朝起きたら、かかさまが家に帰ってきてた。

うれしかったけど、さみしかったからぎゅってくっついてた。ずっと。

なでなでして、だっこして、いっぱい約束してくれたから手をつなぐのでがまんした。

じーじは笑ってた。

笑っても、今日のかかさまはカマルのだからじーじにはわけっこしてあげないことにした。今日一緒にねんねするのもカマルだ。

でもじーじだから、かかさまのごはんと笑った顔はわけっこしてあげようと思う。

今日のかかさまはいつものおひさまの匂いじゃなくて、うっすら花の匂いがした。

きついのはきらいだけど、かかさまのは好きだ。

ハルゥさんの家でかいだ匂いに似てた。

でもかかさまは、どんな匂いでもだいすき。じーじも。


カマル




ほんとにだいすき。





End.


◆◆◆


『カマルの観察日記』でした。

日記を書くカマルをニケと義父が微笑ましげに見ているのは言わずもがな。

二人に見せられない日記はハルゥの三つ子のお兄ちゃん(ちなみに名前はマァ)に添削してもらってます。


リクエストありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ