終章 最後のスクールライフ(1)
終章 最後のスクールライフ
2012年12月31日(月)正午
【樋串武学園】
「(ラザール:)......。」
「(ヤミ:)学園長...。」
「(ラザール:)そろそろ潮時かな...。」
「(ヤミ:)最後というなら、最後まで付き添います。」
「(ラザール:)最後まで付き添って構わない。他の派閥は何をしている?」
「(ヤミ:)避けては通れない通学路は桃姫とそのボディガード2人が担当するようです。帰宅部の連中も。」
「(ラザール:)そうか。ところでポッドの6人はどうしている?」
「(ヤミ:)4階のコンピュータ室に囚えております。まずは風紀委員を連れてまいりましょう。晴也、連れてこい。」
「(晴也:)はーい、言われなくても連れてきたよ。」
「(アーサー:)......。」
「(ラザール:)風紀委員アーサー、気分はいかがかな?」
「(アーサー:)学園長...。」
「(ラザール:)そうかなしそうな顔はしないでくれたまえ。今日限りで学園が終わるというのに。」
「(アーサー:)...本当に、終わるのですか?」
「(ラザール:)ええ、そうとも。仮想世界での終了告知は聞いてたか。」
「(アーサー:)...あなた様はいったい何者ですか?」
「(ラザール:)それを知ってどうする?知らないほうが幸せなのだよ。アーサー、それと在校生も、君らにはこの学園に関する記憶を消さなければならない。」
「(ヤミ:)お待ちください学園長。終わりまでの時間はまだあります。彼らは余興に役立つはずです。」
「(ラザール:)...それなら、うちの生徒に任せてもいいかな?うん、そうしよう。私は屋上で見物させてもらう。」
学園長「ラザール」は屋上に移動し、見物することにした。
【通学路】
「(桃姫:)学園長の命令よ。帰宅部は学園の校門を死守しな!!私ら桃姫FC3人はこれから風紀委員を捕らえるべく前進する。」
新派閥「桃姫FC」は「清子」を捕らえるべく前進する。索敵兼偵察を任されている「ハイペリオン」は進軍する新派閥を見る。
「(ハイペリオン:)...御主人様に知らせないとな。」
それを報せるために「清子ンち」へと飛んで向かっていく。
【住宅街・清子ンちの外】
「(エドガー:)いよいよですね風紀委員。最後のスクールライフが始まる。」
「(清子:)あの学園が最後になるとは想像もつきませんでしたわね。学園長の正体といい、謎は深まるばかりです。」
「(ラファエル:)ああそうだ、ラザールのやつは何を考えているのか聞きたいほどだ。真意を確かめなければならない。」
「(清子:)ラファエルさん、学園長の正体についてはその目で確かめなさいと、そうおっしゃいましたわね?それはいったい?」
「(ラファエル:)十中八九、目視でわかることだ。未来人の言葉だけでは足りんゆえに、実際にその目でな。どのような秘密が隠されているか、近接するほかない。」
「(清子:)そのために、あの学園に乗り込むしかないと?」
「(ラファエル:)厳しい道のりになるだろう。ハイペリオンは今、通学路で情報収集をしている。どんな敵が来るのか、おおむね見当はつく。」
「(清子:)帰宅部の主要人物が通学路でうろついている、もしくは向こう側の偵察兵が待ち構えているとかですの?」
「(ラファエル:)ちょうど今、ハイペリオンが戻ってきたところだ。聞くか?ならばハイペリオンよ、説明しなさい。」
「(ハイペリオン:)偵察兵というのは、桃姫FCの連中だぜ。たった3人でここに向かってくるらしい。」
「(ダイアナ:)...どうしよう。あの3人は神通力使いだから、どうやって対処しよう...。」
「(和子:)わたしとイイんちょうが押さえますから、学園に突撃する人は学園へ向かってください。」
「(仁雄:)...俺とその可愛い部下の和子を信じろ。」
「(清子:)委員長...迎撃は任せましたわ。」
「(ラファエル:)そろそろ時間のようだな。君たち、気を引き締めてかかりなさい!!」
【Phase-1】
12人は今、家の外にいる。進軍する新派閥「桃姫FC」は「和子」と「仁雄」が対応するとして、10人は学園へ向かうために前進する。
「(仁雄:)...尖兵のお出ましか。可愛い清子に手出しはさせん!!」
「(和子:)ここはわたしとイイんちょうが!!皆さんは学園へ!!」
「(清子:)...おふたりさん、ごめんなさい。」
「(志乃:)邪魔立てするのか?代表、攻撃許可を。」
「(桃姫:)そうね、許可するわ。」
「(仁雄:)さぁ、かかってこい!!」
「和子」と「仁雄」を置いて進む10人は今、通学路を通して学園へ向かっている。
「(雅史:)...それにしても、あの頃と同じだね。学園が始まった時の出来事に似ている。」
「(清子:)...あの頃はまったくわけのわからないことばかりでしたわ。どういうことかしら?」
「(雅史:)うん、あの頃の不可解な騒動が起きたのは不思議なことだね。あの頃の部長は何がしたいのか、親分の源郎を引っ張ってまで騒ぎたいのか、今になってバカバカしく思える。」
「(ラファエル:)妙だろう?なぜ俺らが帰宅部部長の茶番に付き合わなければならなかったのか、つまりだ。DNAがなにかか、あるいはそう動くよう仕組まれたとしか...。陰謀か?それとも学園長の興か?」
「(エドガー:)ええ、後者でしょう。ラザールの趣味である可能性はきわめて高い。警戒を怠らぬよう心がけよ。」
「(ハンナ:)話しているところ悪いけど、さっきから同じ場所をループしている。まさかな...。」
「(ラファエル:)そのまさか...とは、学園以外の部外者の仕業なのか?」
「(ハンナ:)考えたくないけど、それはありうる話になる。あの学園長の美味しい話に乗せられて加担するとは、あの2人は残念。」
「(ラファエル:)ああ、君のかつての学校のか。黄組の男女2人はラザールに騙されて俺らの邪魔をしているのか。」
「(ハンナ:)ループを抜け出すには2年前同様、外部の助けが必要だけど...。」
「(ラファエル:)今や風紀委員長やトード(Toad)が新派閥やらの足止めをすることに集中している。どうしたものか。」
「(雅史:)そういえば、おじさんやちっさい子、大将代理の姉さんの姿が見当たらないよ。どこにいるだろう。」
「(清子:)...言われてみれば、いませんわね。置き去りにされたのかしら?もしかすると、分断?」
今の人数が7人。現時点で台詞を発していない3人「マイケル」「マデリーン」「シチメン」はループ空間の外にいるということは...。
「(清子:)あっ、わたくしらの目と鼻の先に学園ですわ。3人ともいい仕事をしましたわね。」
3人は連携して、黄組男女を取り押さえている。
「(シチメン:)行け。」
「(ラファエル:)...かたじけない。(こうか?)」
7人は目の前の学園へまっすぐ向かい、到着する。
「(ハイペリオン:)...?帰宅部の連中が見当たらない。学園の校門を死守するんじゃないのか?」
到着時点で7人は帰宅部の罠に嵌ったかもしれない。
「(エドガー:)どうやら囲まれているようだ。」
「(ラファエル:)約5人といったところか。超官の能力を行使するしかあるまい。」
「(エドガー:)行使したいところですが、ここは若者に任せましょう。未来ある若者の健闘を見守る、それが私の義務です。」
「(ラファエル:)超官の力ばかり頼ってないで若者の力で道を切り開く...か。ならば、俺らだけで強行突破しようじゃないか。君ら、幹部級の連中に囲まれようが、ここを突破するぞ!!」
「(雅史:)必殺タクティクスだね。よし、突破しよう!!」
7人による必殺タクティクス「セブンスブレイクスルー」は、5人が帰宅部5人を押さえ、2人は学園に突撃するもの。すなわち、「清子」と「雅史」は学園に突撃する。ただそれだけ。
「(雅史:)学園に入ったはいいけど、姐さん、ラファエル、他の3人はどうしよう。」
「(清子:)雅史さんとわたくしだけでは戦力が足りません。」
「(ラファエル:)ふたりとも、行きなさい!!俺らは大丈夫だ!!」
「(雅史:)...ラファエル。清子、先に行くよ。」
「(清子:)雅史さん...。ではみなさん、くれぐれも無理はしないように!!」
「(ハンナ:)片付けて次第、追うから!!」
「雅史」と「清子」はそのまま学園に突撃する。残る5人は帰宅部5人を押さえることだけ。
「(ラファエル:)雅史の邪魔はさせんぞ帰宅部部長!!」
「(マチ:)邪魔をするな傲慢野郎!!」
「(ハンナ:)ふたりのためなら、あなたたち帰宅部を止める!!」
「(アツコ:)上等じゃ!!その身焼かれて教えちゃろうか!!」
「(ハイペリオン:)帰宅部の分際で俺達に勝てるもんか!!」
「(巧:)うっ...ぐっ...!!」
「(エドガー:)課外授業...補習を受けてもらう!!」
「(弦雄:)ひぃぃぃぃいいい!!!!」
「(ダイアナ:)もうやめて!!帰宅部のみんなは学園長...ラザールに騙されているの!!」
「(レオナルド:)ほわああああああ!!!!貴様の言葉が届かない!!!!!」
お互いの信念をかけて奮闘している。優秀な異能を持つ帰宅部に優位性があるように見える。こちら側「雅史サイド」の一人一人の能力は大したことなく、「ハンナ」だけが無個性、味方に影響が及びかねない「エドガー」、能力にクセがある3人「ラファエル」「ダイアナ」「ハイペリオン」。それでも「雅史」と「清子」のために負けない、2人の力になりたい気持ちが学園長の思惑に勝り、押し通す。
「(マチ:)ぐわぁ!!!!」
「(ラファエル:)悪いな帰宅部部長。先を急いでるんだ。」
「(ハンナ:)早急にふたりと合流しましょう!!」
5人は先に行った2人と合流するために学園に突撃する。一方、学園に突撃した「雅史」と「清子」は、普通じゃない、異様な雰囲気に戸惑っている。
「(雅史:)僕たちの知っている学園の校内じゃない、どういうことかな...。」
「(清子:)おそらく学園の防衛プログラムでしょう。怪異が出てくるに違いありません。ローズマリー、出てきて頂戴!!」
「(ローズマリー:)呼んだかい?...それに。」
「(雅史:)君は...レベッカに似た姉さん?」
「(ローズマリー:)ほぅ、彼がもう一人の雅史か。私の知っている雅史は連絡が取れなく音信不通だったからね。改めてよろしく。」
「(雅史:)あ、うん。よろしく。」
「(清子:)それで、囚われてし6人の救出はどうしまして?」
「(ローズマリー:)それがコテンコテン。尻尾巻いてよ、逃げちゃった。君の友を帰してやれなくて、すまない。」
「(清子:)それは残念でしたわね。7人の力をもって救出するしかありません。フロア3(4階)コンピュータ室へ向かおうと考えたことですし、護衛よろしくて?」
「(ローズマリー:)ええ、よろこんで。」
「雅史」と「清子」、「ローズマリー」は囚われし6人を救出するために、フロア3(4階)のコンピュータ室へ向かった。道に敵影はなく、スムーズに進んだかのように見える。
「(ローズマリー:)あれれ?もぬけの殻じゃないか。」
再び足を踏み入れた時、8個置いてあったはずのステイシスポッドはどこにもなく、既にがらんどうだった。
「(清子:)何もありません。どういうことでしょうか?」
これは生徒会の罠で、コンピュータ室の出入口から生徒会の主要人物5人が3人を包囲する。
「(ヤミ:)ゲームはここまでだ、清子風紀委員。」
「(雅史:)生徒会長...。」
「(ローズマリー:)生徒会のお出ましか。」
生徒会に囲まれた3人「雅史」「清子」「ローズマリー」は大ピンチだ。「ラファエル」をはじめ5人は「雅史」や「清子」を援護するべく校内を駆ける。
―Phase-2へ続く。




