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Baroque Academy / シティスクールストーリー  作者: 原作:Rebecah Creative Studio / シナリオ原案:桃太郎V
第二部
34/35

第七章 予期せぬ派閥(3)

 2010年12月24日(金)14時30分


 終業式後、「雅史」と「アレグロ雪郎」は決戦に備えるために学園の誰とも接触することはなかった。「桃姫」はそれを見計らい、留守になっている「グッドウィン号室」に侵入し、生徒会書記「シャドウ・デイモン」を救出する。


「(デイモン:)あ、アナタは...?」

「(桃姫:)話はあとよ。窮屈なここを出ましょう。」


 「デイモン」はこの号室を脱出し、目の届かぬところまで移動する。「桃姫」の目的は、不当に連れ去られた彼を救出することだった。


「(デイモン:)このワタシを助けてくれたことに感謝いたしまス。ですが、目的はなにでス?」

「(桃姫:)...目的は、あのいけすかない先生の動向を探るため、と言ったら、わかりやすいよね?でも、目的はそんなんじゃない。」

「(デイモン:)といいますト?」


 もうひとつの目的は、派手に目立ちすぎてしまったためか彼の命を取ろうとする「シャドウオーガニゼーション」、「セシル」をはじめとする「オイロケズ」ならびに厄災「テリー」を信仰する「暗黒教団じみた黒ローブ」から守るため。


「(デイモン:)まさかとは思ったがそれほどとハ...恐れ入りまス。」

「(桃姫:)あの先生の保護下ではどうすることもできない。対処するためには、自分の身を守る気で立ち向かうことよ。」

「(デイモン:)それができたら苦労はしませン。迫りくる脅威から身を守る気でやってきましタ。結果は不毛に終わりましたがナ...。犠牲者が6名ほどにネ。」

「(桃姫:)あの事件以降、日々よりひとりふたり犠牲者が増えていく一方なあの両陣営なんかより、私の陣営のほうが安全ともいえる。発足して2週間、何も問題起きていないことだし、なによりあの先生は諸般の事情で学園にいないから。雅史っていう子も。」

「(デイモン:)...あのいけ好かない先生が何をするかはワタシには関係ありませんガ、ちょっとばかりか気になりますネ。あの行動を見る限り、ワタシの人生を壊した元凶を追っているらしいじゃないですカ。学園長ならびにおかっぱ風紀委員に黙って、尾行してみましょうかネ。小耳に挟んだ話によると、出発地は『新潟県の埠頭』らしいのでネ。」

「(桃姫:)...肝心の目的地はどこなの?」

「(デイモン:)いや、話の内容に目的地は含まれていませんでしタ。現地まで足を運び、確認するほかありませんネ。帰宅部の能力があれば移動はラクでしたけど、今はもウ...。」

「(桃姫:)移動手段なら心当たりあるわ。私の護衛によると、商店街グラウンドに妙な装置があるらしいことで、相応の覚悟がいるけど、それでも進みたいというのなら...。」


 目の届かない場所ということは、2人の現在地は商店街グラウンド。ということはつまり、その側に「ワープゾーン」が設置してある。行き先を入力し、2人は「新潟県の埠頭」に移動し、埠頭のどこかに隠してある一隻の船に身を潜めるのであった。


 その頃「清子」は、「アレグロ雪郎」や「雅史」の動向に加え、「ダイアナ」の通報を受ける。


「(ダイアナ:)清子、生徒会書記があたしらの号室からいなくなった。適任な留守番...コンブリオ先生不在が仇となっていて完全にやられた。」

「(清子:)...それは大変でしたわね。わたくしに留守番をお願いしてくださればよかったのに...。それにしても桃姫さんは何を狙っているのかしら?」

「(ダイアナ:)他人に頼ってもいいことを視野に入れてなかった...あたしの判断が甘かった。生徒会書記を連れて、何をしようとするのかは把握してない。ただ、日本中どこもが経験しただろう人同様、あの事件の経験者の一人とみて間違いないともいえる。」

「(清子:)...とにかくです、今日に限って誰とも接触を避けている雅史さんの動向が気がかりですし、わたくしらお友達とともに雪郎先生が行きそうな場所に突撃しましょう。風紀委員長や和子さん、カルウさん達を誘って、作戦を練るとしますかね。」

「(ダイアナ:)うん。でも作戦を考える時間はないと思う。急がなきゃ、手遅れになってしまうの。ハイペリオンはコンブリオ先生から伝言あって、単独で戦う同志を片っ端から呼び出している。もうすぐ終わる頃かな。」


 言ってるそばから、ちようどいいタイミングで「ハイペリオン」が戻ってきた。


「(ハイペリオン:)ぜぇ...ぜぇ...疲れたぜ...。雪郎先生の伝言通り、わざわざ呼び出しておいたぜ。」


 「ハイペリオン」が呼び出した同志、それは既存の知人複数人であった。


「(仁雄:)雪郎やらの伝言を聞いて、俺の可愛い部下に集合するようフォルテ中のメンツを連れてきたのだが。」

「(カルウ:)てへぺろっ。」

「(和子:)あの先生はわたしたちを清子さんのとこに集合して何を企んでいるでしょうね?」

「(チイア:)あはっ。」

「(ブチョ:)何か面白いことある?」

「(ハイペリオン:)俺にできることはこれくらいの範囲が限界だ。世界中の同志は御主人様が手配してくれるそうだぜ。」

「(ダイアナ:)そういうこと。清子に集合したことで早速、商店街グラウンドへ向かおう。移動装置のことは清子、知ってるよね?」

「(清子:)...相当スケール感の大きいことですが、どうも雪郎先生の動向が気になりますし、早急にあの装置のとこへ向かいますわ。」


 「清子」とその仲間たちは早急に商店街グラウンドへ向かい、「ワープゾーン」の前に立つ一同。


「(清子:)それで、行き先はどこですの?」

「(ダイアナ:)ラファ兄から聞いた話によると、『新潟県の埠頭』らしい。あたしが入れる。」


 行き先を入力し、一同は「新潟県の埠頭」に移動。だがその前に、話を整理してみよう。


 今日の正午に「雅史」は最終決戦の舞台に向けて先に出航したほか、「アレグロ雪郎」は精鋭部隊を引き連れるべくE.G.メリーランド本部で準備を整っている最中だ。現在の時刻は放時15時近く。幸いなことに、「アレグロ雪郎」はまだ出航していない。


「(ダイアナ:)...船があるということは、まだ出航してないっていうことになる。コンブリオ先生率いる精鋭部隊が来る前に乗り込まなくちゃ!!」

「(清子:)...ダイアナさんの言う通りにしますわ。」


 一同は一隻の船に乗り、身を潜めるが既に潜んでいた「桃姫」や「デイモン」と鉢合わせした。


「(ダイアナ:)も、桃姫!?どうしてこの船に!?」

「(桃姫:)どうしてもなにも、あの先生の目的を知るためよ。」

「(ダイアナ:)先生の目的は...といっても生徒会書記は知ってるよね?」

「(デイモン:)ええ、あの先生が何をしようとするのかは見当がつきまス。ワタシの人生を壊した元凶を拘束するに違いありません。」

「(桃姫:)話しているところ悪いけど、外の足音が聞こえてきた。身を潜めないと...。」


 埠頭に到着した「アレグロ雪郎」とその精鋭部隊がこの船に乗ってきた。出航の際に揺れる船。彼らの話し声が聞こえてくるのであった。


「(アレグロ雪郎:)待ってろよレベッカ。すぐに追い付いてやる。」


 「レベッカ」というワードに「清子」は反応する。


「(清子:)今、()()()()って言いましたよね?ダイアナさん、説明してくださる?」

「(ダイアナ:)え?そう聞かれても、あたしにはわからないよ。」

「(清子:)...わたくしが直接聞きますわ。」

「(桃姫:)ちょっと...!!身を潜めなきゃだめでしょう...!!」

「(清子:)雅史さんの動向を知るには、雪郎先生に直接聞くしかありませんの。わたくしが出ますので止めないでくださる?」

「(桃姫:)...どうなっても知らない。お好きに。」


 「清子」ひとりで船の外に出て、精鋭部隊一同の前に姿を現した。


「(アレグロ雪郎:)...誰かと思えば、清子じゃないか。俺の読み通り、役者は揃ったぜ。」

「(ミント彩香:)誰?」

「(アレグロ雪郎:)彩香に話してなかったな。この子が清子。去年の海水浴場にいたおかっぱだぜ。」

「(ミント彩香:)私の時代にそんな子...待てよ?ジンの話といい、モルガンの話といい、ドロシーの話といい、歴史改変とはややこしい。赤い髪マイケルなんて、間違いなく私の時代にはいなかったことを踏まえると...ううん、考えすぎか。気にしなくていい。」

「(清子:)それより雪郎先生。あなたがたの目的は、テリーを倒すことに限らず、レベッカさんを援護すること...いや、それより、わたくしら学生のほか、全世界の戦う同志達を集めて、巨悪に立ち向かうことで合っているでしょうかね?」

「(アレグロ雪郎:)ああそうだ。レベッカ達が先行することを想定して、ありったけの増援がいるんだ。俺達エリートガードの人数じゃあ合わせも足りないんでな、おかっぱの手を貸したいくらいだぜ。」

「(清子:)あなたたちの数では足りないのはわかりますが、だからといって、立ち向かうには非力すぎるわたくしら学生にどうしろというのです?」

「(アレグロ雪郎:)...今頃交戦しているだろう雅史を頼む。」

「(清子:)!!雪郎先生、雅史さんを危険にさらすようなことを...。」


 戦場に「雅史」を投下するのはいかなるものか、彼一人で頑張ってるのを想像してみると「清子」はこうしちゃいられないのである。


「(清子:)...今すぐ速度を上げてくださる...!!」

「(アレグロ雪郎:)言われてもな...出航したばかりなんでね、急かしたいのはやまやまなんだが合流するには数時間かかる。それまでに清子の連れに顔を合わせたいな。ダイアナも来てるんだろ?そうと決まれば、船内は俺一人で十分だ。皆の衆はここに留まれ。」

「(ミント彩香:)一人じゃあずるいよ。なら私も。」

「(アレグロ雪郎:)誰であろうと例外は認めん。待機命令だ、留まれ。」

「(ミント彩香:)わかったよ。お好きに。」


 「アレグロ雪郎」と「清子」は学生達が隠れている食糧庫へ向かい、その部屋に入るのであった。


「(アレグロ雪郎:)ダイアナ、いるのはわかっている。出てきたらどうだ?」


 木箱の陰から出てくる「ダイアナ」と「ハイペリオン」。立て続けにフォルテ中学校のメンツ、「仁雄」、合計7人。生徒会書記「デイモン」や「桃姫」が出てくることはなく、頑なに潜めるだけであった。


「(アレグロ雪郎:)俺の注文通りだ。うん。」

「(ダイアナ:)これで、いいの?」

「(アレグロ雪郎:)もちろんだ。あー実際にお初にお目にかかるものがいるんで改めて自己紹介する。エリートガードのリーダー『雪郎・コンブリオ』とは俺のことだ。とはいえ、去年メールを通じて知り合ったんだがな。ここにいるあんたら以外のものは近いうちに合流するそうだ。」

「(カルウ:)先生、デイカとガジュ、アヤチも来るの?」

「(アレグロ雪郎:)ガジュは雅史同様、先に進んでる。デカい女は知らん。バニラは飛行隊が光の速さで連れてきてくれるそうだ。」

「(清子:)...1人か2人忘れてるような......なんでもありませんの。」

「(ダイアナ:)健太は杏璃のケアをしているらしい、新派閥側に付いた他の3人はもういいので。」

「(アレグロ雪郎:)よし、話はまとまったことだし、作戦を説明するぜ。」


 諸般の事情で元部員を含めた「立ち向かエーヨ部」全員は不参加となった。


「(アレグロ雪郎:)簡単な作戦だ。あんたらは雅史を援護する、それだけだ。」

「(清子:)そのつもりです。雅史さんは、わたくしが守りますと。」

「(アレグロ雪郎:)いい心掛けだ、おかっぱ清子。雅史をよろしくな。」


 作戦内容はいたってシンプルであった。友を守ることが第一の作戦、それだけだ。


 数時間後、「エリートガード」一同は今や増援してきた二隻...四隻の敵艦と交戦している戦艦「鬼ヶ島」との合流を果たした。


「(アレグロ雪郎:)俺達エリートガードが来たからには、もう大丈夫だ。もうひと踏ん張りだ、頑張れ!!」

「(隊員:)リーダー、先にいってください。ここは私たちが。」

「(アレグロ雪郎:)ああ、頼んだぞ。ジャッカルヘッジホッグ、白之助、彩香、いくぞ!!」


 「アレグロ雪郎」をはじめ、「ミント彩香」、「ジャッカルヘッジホッグ」のメンツ、「白之助」は戦いの舞台に乗り込むために去年の海水浴場で使われていた、到着するためには30分もかかるボードに乗り、発進した。船に残された「清子」達は増援してきた敵艦の上で交戦している「雅史」と合流し、皆揃ったことで「雅史」は司令塔としての能力を発揮するのであるが、その後の展開はまた別の話である。


【Phase-3】

 決戦に招待されておらず日本に取り残された「杏璃」や「健太」。「桃姫」不在だが新派閥のもとでくつろぐ3人「源郎」「典子」「魂二」。「杏璃」は未だに立ち直れないまま集合住宅にこもっているのだが、予期せぬ刺客「暗黒教団じみた黒ローブ」の襲撃を受けた。奴らの目的は『()()』。その意味わかるよね?


 敵側についた「セシル達」に「レベッカ」の仲間のひとり「ヘルバタ」は拉致され、「ロバート」とともに戦線に出たが敗れて「アレックス」や「メグミ」は捕虜として拉致され、「アマデ」や「デイカ」は経緯不明のまま刺客に拉致されていた。だが、「杏璃」の場合は違った。


 命がけで彼女を守るも深手を負う「健太」。未来人ゆえ干渉せず見守っていた「Mr.黒澤J」が黙ってられず、重要人物の傷の手当てが最優先。未来人に命を救われた「健太」は「杏璃」を連れ去った刺客を置いたいところだが敵地まで辿るのにかなりの距離があり、何もできない。他の3人「源郎」「典子」「魂二」も同様で、ラクに移動するすべはない。


 ところが、「エリートガード飛行隊」が迎えに上がってきた。連れていけるのは1人だけであり、「Mr.黒澤J」のほか、他の3人を含めて連れて行くのは無理だ。「健太」は「杏璃」を助けるって決めたので、迷わず決心して敵地のとこまで飛んでいったのであった。


 はたして、彼らはどのようにして戦うのか......。

続きは『ニューニコチュウ襲来 ライジング2010』でお楽しみください。

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