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Baroque Academy / シティスクールストーリー  作者: 原作:Rebecah Creative Studio / シナリオ原案:桃太郎V
第二部
29/35

第六章 キャプテン不在の舞踊会(2)

 8月31日(火)23時59分 夏休み終了前日


【樋串武学園校門】

「(デイモン:)終わる?ククク...まだ、お楽しみはこれからでス。」

「(桑田:)長身ひよっこのやつ、何を始めるだろうな?」

「(浅香:)わたくしたちは年下の活躍を見守るだけよ。介入不要。」


 停学処分を食らったはずの「シャドウ・デイモン」がこの学園に再び足を踏み入れていた。第二の舞踊会が今、始まろうとする。


 翌朝。


 9月1日(水)8時  始業式前


 樋串武学園は再び「シャドウ・デイモン」の手に落ちた。2度目の陥落は彼の手引きで「シャドウオーガニゼーション」の下っ端20人を招き入れ、学園全体を蹂躙している。それとは知らずに登校してきた「立ち向かエーヨ部」一同ならびに「生徒会ガールズPlusインキュバス」は驚愕する。


「(杏璃:)...!!」

「(清子:)どうやら生徒会書記は懲りずにこの学園を支配するつもりですの。」

「(魂二:)ねぇ、そんなことより入ろうよ先輩たち。」


 今日は登校日だから、ささっと校舎に入るものも、「シャドウオーガニゼーション」の下っ端10人が待ち構えている。


「(下っ端:)ここはシャドウオーガニゼーションの占拠地だ、帰った帰った。」

「(魂二:)始業式があるから通らせてくれよ。」

「(杏璃:)入校許可証もらってない部外者がこの学園を占拠するとはどうかと思います。出ていってください。」

「(下っ端:)断る。」


 帰宅部の力ではどうしようもない。風紀委員の力ならどうだろう?


「(清子:)あなたがたシャドウオーガニゼーションは何者ですの?生徒会書記と何か関係ありますの?」

「(下っ端:)なんだ?このおかっぱは。」

「(ダイアナ:)清子、部外者に何を言ってもだめよ。学園長が来るまで押さえなきゃ。」

「(ハイペリオン:)そういうわけだ。悪く思うなよ、え?部外者。」


 下っ端の影に仕込まれていた「デイモン」の能力が下っ端を貫き、暴走し始める。生徒会書記の罠?だった。


 今のご時世だからこそ非日常が相次いでいて、平穏な日々を送ることすらできないのだ。たった今、第二の舞踊会が始まったのである。


「(デイモン:)さぁ、ショータイムでス。」


【Phase-2】

 暴走状態の10人の下っ端相手にどう対処するのか?


「(清子:)...雅史さんが復学していたら楽勝ですのに...雪郎先生に止められて、そう簡単にはいきません...。」

「(魂二:)何か言ったの、先輩?」

「(清子:)...いえ、こちらの話です。あなたがたには関係ありませんの。」

「(魂二:)...つれないね。」

「(ダイアナ:)あたしが部外者10人をなんとかする。ハイペリオン、手伝って。」

「(ハイペリオン:)生徒会書記のくだらぬ横暴を止めるためならな。ほーら、こっちだ部外者ども。」


 「ダイアナ」と「ハイペリオン」が下っ端を引き付ける。その隙に「清子」たちは校内に突撃するという作戦だ。突撃し、校内のどこかに敵将「デイモン」を探す。


「(魂二:)先輩、生徒会書記って懲りてないよね?」

「(清子:)つまらない質問を投げても仕方がありません。生徒会書記を止めることに集中してくださいまし。」


 第二の舞踊会にしては不自然な、閑散とした雰囲気だ。


「(清子:)おかしいですわね...。生徒会書記の気配がしませんわ。」

「(魂二:)さて、どうするの先輩?」

「(清子:)...時間の無駄でしたわ。始業式に行かなくちゃ。」

「(魂二:)だってよ。先輩たち、生徒会書記のことなんかほっといて、始業式始めるべく体育館に向かおうよ。」

「(源郎:)おれらを引き回して、何がしたかったんだ?生徒会書記のやつ。」

「(典子:)あーあ、つまんない。」


 結局のところ、生徒会書記「デイモン」の姿はなく、彼は何がしたかったのかは、わからないまま始業式を開始した。


 ......。


「(ラザール:)この学園が始まってから丸一年経った。今のご時世はそんなものだろうけど君たち生徒と協力しあい、降り掛かってくる困難をともに乗り越えよう。」


 何事もなかったかのように始業式を進めていて、何事もなかったかのように終わる...。


 その時、何者かに遮光カーテンを閉められた。扉の外側ロックがかかっていて、ここから出られない。生徒たちは大パニックに。


「(ラザール:)これはいったい、どういうことだね!?」

「(清子:)!!」


 「デイモン」の舞踊会はこれだけで終わるものではないと、この話の最初からそうおっしゃっているのだ。


「(デイモン:)舞踊会はあの日夏休み前日および終日、この日始業式で終わると思ったら大間違いでス。アナタたちはここで眠ってもらいまス。」

「(アーサー:)その声は、デイモン様!?まさか懲りずに何を始めるのです!?」

「(デイモン:)ワタシの能力は精神を汚染するだけだと思わないことでス。皆さん、深い眠りにつきなさイ。」


 体育館にいる全員は「デイモン」の能力で眠りについた。全ては彼の思惑通りだった...。


 その能力で眠りについた人は...。


「(健太:)あはっ、杏璃ちゃんは僕のもの。」


 そう、夢の中である。皆の意識は全て己が望む夢の中。「デイモン」を止めない限り、覚めない夢の中で、終わりのない夢を見続けることになるだろう。


「(杏璃:)...雅史くん。どんなときでも、ずっと友達です。」

「(夢の中の雅史:)うん、ずっと一緒だよ。」


 心の奥にある切なる願望、「杏璃」にとっての願望はヒロインというポジションを忘れず、「雅史」との時間を手に入れることだ。


「(源郎:)文太...おま......生きていたのか?まさか、化けて出てきたんじゃないのか?」

「(夢の中の文太:)親分、会いたかった。」


 『ネット史上最大最悪の絶望的事件』の中で焼かれ死んだはずの子分「小原文太」が化けて出てきたことに驚く親分「源郎」。


「(典子:)雅史、ごめん...ごめん!!中1からの友だったのに...ひどいことをして、ごめん!!」

「(夢の中の雅史:)気にすることはないよ典子。僕のほうこそ、君とツヨシを疎かにしてしまった。」

「(夢の中のツヨシ:)昔のようにもう一度、ともにつきあっていこう。」


 旧友同士の関係が「典子」の願望らしい。時が進む連れに関係が疎かになったことを実際の雅史は後悔しているだろうか...。


 「清子」の心の奥にあるものは...。


 小1時代の風景。同じ学年の子「和子」と4年生「仁雄」の姿が。ということはつまり、2002年頃の話...。いや、これは「清子」の願望なんかじゃなく、記憶の奥底だ。過去の記憶を見た本人の反応は。


「(清子:)欲望にとらわれない真面目なわたくしなので、過去の自分にしか映りませんの。過去を見せたところで何の意味があるのでしょうかね?」


 「杏璃」や「健太」のように欲望がない限り、過去の記憶しか映らないらしい。


 まとめておこう。


 「杏璃」の欲望―――ヒロインというポジションを胸に、「雅史」と過ごす時間が欲しい。

 「健太」の欲望―――「杏璃」は自分のものにしたい。

 「源郎」や「典子」の願望―――子分および旧友を疎かにした自分を許してほしい。


 以上の仲間たちの欲望や願望はそれぞれだが、「清子」の場合はそんなものがない。既に「雅史」との再開、久々のデートという願望が満たされており、過去のビジョンしか映ってない。ただ......。


「(清子:)わたくしはただ...。」


 「清子」の過去。小学生時代では学級委員だった3人の栄光。その次のビジョンは中1すなわちフォルテ中学校在校時代、告白してきた男子の光景。告られるも振った、過去の「清子」に恋愛感情なんてものはなかった。それなのに...今どき過去のビジョンなのか、答えはメタ要素だが当初のコンセプトってことになる。


「(清子:)雅史さんのことが好きになって出しゃばったからといって、委員長や和子さんを疎かにしたわけではありません!!それに雅史さん以外の男子に興味はありません。フォルテ中学校在校時代のわたくしは河川敷で練習している雅史さんを見かけまして、それで...。」


 樋串武学園以前の話をしているところ悪いが、お目覚めの時間らしい......。目覚めると...周りには生徒会長「餅田ヤミ」、下っ端を引きつけていて始業式に参加しなかった「ダイアナ」と「ハイペリオン」がいた。なにやら「清子」は現実に戻れたらしい。


「(ダイアナ:)しっかりして!!...あ、よかった。気がついて。」

「(ハイペリオン:)ハーイ?だいじょびか?」

「(清子:)......現実?昔の夢を見たような...それより皆さんはどうなっていますの?」

「(ヤミ:)...この学園の生徒は...学園全体は......またもや書記の手に落ちた。俺の能力で清子風紀委員だけ救出するのが精一杯ほどだ。学園長は体育館の中に囚われている。今の我々ではどうすることもできない。」

「(清子:)じゃあ、鍋小路さんは?」

「(ヤミ:)...申し訳ない。清子以外の生徒は自力で目覚めない。仮に救出したとしても、そうであるように。」

「(清子:)わたくしだけが目覚め、それ以外は無理というのですこと...。」

「(ヤミ:)...ここに留まっては危険だ。ここから離れたほうがいい。インキュバス、頼めるか?」

「(ハイペリオン:)御主人様以外のやつに指示されるのは癪だが仕方がないな。おかっぱ風紀委員に免じて引き受けよう。ダイアナ、俺に掴まれよ。」

「(ダイアナ:)あ、うん。生徒会長はどうするの?」

「(ヤミ:)ここから撤退するつもりでいる。さぁ、行け。」

「(清子:)杏璃さんに申し訳ありませんが今の状況からして退くしか選択肢はありません。...救援が来るまでの辛抱ですわ。」


 救出された「清子」、難を逃れた「ダイアナ」や「ハイペリオン」ら「生徒会ガールズPlusインキュバス」はこの学園を離れることにした。その後、生徒会長「餅田ヤミ」は悔しい思いをして、再び巻き込まれる前に撤退した。


 生徒会書記「シャドウ・デイモン」とならず者の組織「シャドウオーガニゼーション」は合同で樋串武学園を占拠、数百人の人質というおまけつき。制圧したことで完全勝利...彼らは勝った気でいる。生徒会長の力でも彼らを止めることはかなわない。敗走した「生徒会ガールズPlusインキュバス」は助けを求めるべく、他校に協力を仰ぐハメになり、9月30日までに生徒会書記の悪行を止めなければならなくなった。


 そう、月末まではお預け...。

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