第一部終章 タチの悪い結末の全貌
3月1日(月) ラファエル・アトラス卒業式(事実上「留学期間満了日」)
この日をもって「ラファエル・アトラス」の留学は満了する。この学園の高3は彼のみであるため、さみしい感じであるが卒業は卒業、在校生一同は3月いっぱいで帰国する彼を見送ることにとなった。小さな卒業式が終わると「ラファエル」は振り返らずこの学園を去った。妹「ダイアナ」の話によると、帰国に向けて荷造りをしているとのことで、31日水曜日のニューヨーク行き便に乗る予定だ。
3月4日(木) グッドウィン号室
「ラファエル」は妹のバースデイパーティの準備をしていた。彼特製ガラクタケーキのほか、ロケットの入れ物を用意して、妹と従者の帰宅まで待っていた。2人とも帰宅して、部屋に入ると前回同様、パーティポッパーを鳴らす「ラファエル」であった。お菓子作りスキルの乏しい彼が鍛錬を込めて作ったガラクタケーキは見かけによらず味はなんとか頑張ったようでおいしい。贈り物のロケットの入れ物は兄妹が写ってある写真のほか、光り輝く「ラファエル」のマトリクス「トラスティマトリクス(Trusty Matrix)」。バレンタインプレゼントに続き、改めて兄に感謝する「ダイアナ」であった。
3月5日(金)18時30分頃 エコノミー(帰宅部生徒)が住む集合住宅301号室
「杏璃」は自身の携帯電話(831SH/ミントグリーン)のWeyモードブラウザでブログのコメント欄を見る。...。
「(名前を呼んではいけないあの人:)ネットから消えろと言ったはずだが?なぜブログを続いているんだ?日記なんてどうでもいい、さっさと消えろ糞アマ。」
「杏璃」の自律神経が大きく乱れ、異常なまで心拍数が上がっていく。恐怖のあまり、ブログ閉鎖を余儀なくされた。
3月6日(土)昼頃 拉麺軒
ガラガラガラガラ、拉麺軒に客が来た。
「(シチメン:)らっしゃ...!?あんたは...涼香!!」
客の名前は「音無涼香」。ウェーブがかった黒髪に猫目、赤い眼をした女だ。人が変わったかのようにどす黒く、年末近くおよび1年半後に発表される「江ノ島盾子」や「雀ヶ森レン」にも通ずる。
「(涼香:)ふーん、随分な態度じゃない?アタシに対してそれはないよ?」
「(シチメン:)...客じゃないやつは帰れ!!」
「(涼香:)...じゃあ、ラーメンでも作ったら?それともこの店は客を選ぶの?」
「(シチメン:)......。」
「涼香」の今の態度に腹立ちながら作り始める「シチメン」。
「(涼香:)そうツンケンしないでよ。お互い同じ同好会の仲間じゃん?」
「(シチメン:)!!」
立て続けに今の発言に怒りの表情を見せる「シチメン」。
「(涼香:)同じ部室にいたというのに今じゃ随分違うよね?アンタはラーメン屋のパート、アタシはシャドウオーガニゼーション(Shadow Organisation)の親玉。」
「(シチメン:)あの竣工寸前の高層タワーにはやはり貴様が管理するつもりなのか?」
麺を湯切りながら会話を続ける「シチメン」。
「(涼香:)ええ、あの高層タワーでアタシの同志を集めるのよ。」
出来上がったラーメンをカウンターに置く「シチメン」。
「(シチメン:)それはどういうこった。」
「(涼香:)どういうもなにも、そのままの意味さ。アタシは同志を率いてこの地を支配する、従わないアンタは臆病者。アタシの力に恐れ慄き、ただ逃げることしか何もできない負け犬にね。」
しかし、出来立てのラーメンに手を伸ばそうとしない「涼香」。
「(シチメン:)食わないのか?」
「(涼香:)...食べたくないな、負け犬が作ったラーメンなぞ。」
「(シチメン:)...あんたが何を言おうと、私は私の道を行く。それだけだ。」
「(涼香:)ふふっ、ひとつ教えてあげる。アンタはアタシから逃れられない。それが運命だよ。」
「(シチメン:)いいや、それは私の長所でな。そういうあんただって、人の弱みに付け込むことしかできないのか?」
「(涼香:)心外ね。いつアタシが汚い手を使ったというの?証拠があるなら見せてくれない?」
「涼香」の胸にレードル(Ladle)を突きつける「シチメン」。
「(シチメン:)証拠はそこにある。すべてはあんたの中のどす黒いココロにな!!」
去年の4月からは何も変わってないと笑い、会計を済ませる「涼香」。結局手つかず。
「(涼香:)[嘲笑]少しは変わったようだったから、利口になったのかと思えば...アンタはアンタね。後日、その独りよがりで身を滅ぼすことになる。目の前で一番大事な人がもがき苦しむのを、アンタは黙って見ていることしかできない。ふふっ、せいぜい無駄な足掻きでアタシを楽しませてくれよ。もっともアンタはこれから絶望を目のあたりにすることになるけどね。」
「(シチメン:)なっ!?」
意味深なセリフを言い、店を出る「涼香」、動揺を隠せない「シチメン」であった。その頃、外食するために足を運んでいた「清子」は「涼香」とすれ違う。
「(清子:)...?」
「涼香」はただ通り過ぎるだけ。関係ないことなので、そのまま店に入る。
「(清子:)ごきげんよう、ラーメン食べに来ま...?赤毛さん、いかがなされまして?なぜかラーメン出来上がってるようで。」
「(シチメン:)...あ、らっしゃい。今だけタダで提供する。お代不要。」
「(清子:)...テーブルに代金(600円置いてありますわ)置いてあるからカウンターのラーメンをタダで提供するとでも言いたいのです?」
「(シチメン:)ああ、あの奴、ラーメンを注文しといて負け犬だの、笑いおって何も食わず出ていった。なに、ラーメンを一口も食べなかった涼香が代金置いて店を出たんだ。無銭飲食にならないので遠慮することはない。」
「(清子:)...では、お言葉に甘えて誰かが代金置いて手つかずのラーメンをいただきますわ。」
「涼香」が食べなかった支払い済みの手つかずのラーメンは「清子」がおいしくいただいた。
「(清子:)それにしても、先ほどすれ違ったあのウェーブがかった赤目女とは何者でしょうかね?」
「(シチメン:)...私の友だった奴。今は敵同士だが。」
「(清子:)...お友達だった赤目女が今は敵同士になったのかは気になりますわ。その経緯を教えてくださる?」
「涼香」について全て話す寸前、ラーメンを食べに来たのか、「清子」を嗅ぎつけて来たのか「ラファエル」が店に入ってきた。
「(ラファエル:)帰国する前に食べに来たぞ。シチメンいるか?」
「(シチメン:)らっしゃ...見覚えのある客、さては雪郎の差し金か?」
「(ラファエル:)...そうなるかもな。だが血眼で探し続けているコンブリオとは違うぞ。...音信不通とはこのことか。今の雰囲気からして、不都合なことがあるようだ。案ずることはない、君の事情はコンブリオに話さないと約束しよう。話の途中だったろう?俺にも聞かせてくれ。」
「(シチメン:)...まずは涼香の話を。」
立て続けに客が店に入ってきた。今度は「ミュゼット」である。
「(ミュゼット:)待ち合わせ場所に到着!!清子来たよ、活動について話そ...あ、アネさん久しぶり。昨年10月以来だね。」
「(シチメン:)...ああ、ミュゼットか。らっしゃい。ジェシーの様子はどうなってる?」
「(ミュゼット:)師匠のこと?アネさんが恋しいと寂しがってるよ。そろそろ連絡してはどうよ?」
「(シチメン:)...気が変わったらな。今のご時世はそのようだし、潮時かもしれない。では改めて、涼香の話をしよう。他言無用でな。」
「清子」「ラファエル」「ミュゼット」3人は「涼香」について話を聞くことにした。
「シチメン」の友だった「音無涼香」は、堕ちる前はおしとやかな、天然かつよく呆ける不思議系だった。幼少の頃、当たり前のように父親にぼこられて「徹子」の元へ逃げ込んだらしい。「大神徹子」は「涼香」の保護者的な存在であり、「シチメン」とは互角に渡り合えるくらいの友であった。昨年5月より不思議な子「涼香」に目を付けられ「シチメン」は同好会の一員となった。
「(昨年の涼香:)確か彼女はこいつなんて名前じゃなかったよ。」
「(昨年の徹子:)お前に聞いた私が悪かった。...私が直接聞く。」
「(昨年のシチメン:)なんだよ、私の一家がバラバラになったというのに...。」
「(昨年の涼香:)もしよければ、アタシたち同好会に入らない?」
「(昨年の徹子:)とはいえ、私と涼香の2人しかいないがな。」
「(昨年のシチメン:)そんな私であんたらの同好会に入ってもいいのか?」
「(昨年の徹子:)涼香がお前とは馬が合うほど気に入ってるんだ。変わった奴だがこいつが気に入るのは不思議といいやつばかりなのだ。」
「(昨年の涼香:)アタシ、アンタが気に入った。気に入ったからこそよ、これからも一緒に遊ぼうよ。」
「徹子」の拳は粗削りだった、何より「涼香」の突拍子もない言動は何度も笑わされたものであった。2人といるのも悪くなく、8月の夏祭りで和太鼓を打ち、「徹子」と「涼香」は楽しく盆踊り、「雅史」同様の楽しいスクールライフを送っていた。「シチメン」にとって一番楽しい思い出だったのだ。...だが、そんな日々も長くは続かなかった。
「(昨年の涼香:)ックックックック...。」
11月下旬すなわち22日から「涼香」の中に悪意が目覚めたのだ。24日で一方的に同好会を休んでおいて次の日の25日、放課後の同窓会で「涼香」は「徹子」に暴行を加えた。いつも通り部室に入るも、この光景を目にした「シチメン」は「涼香」の豹変に戦慄した。
「(昨年の徹子:)ぅわぁあああああああああああああ!!!!!」
「(昨年の涼香:)アタシを楽しませると思っていたけど残念だよ徹子。」
「(昨年のシチメン:)やめろ!!そんな暴力まがいなことをするな!!」
「(昨年の涼香:)暴力まがい?それは違うよ。徹子、教えてやれよ。」
「(昨年の徹子:)涼香は怖い...。それも恐ろしいほどにな...。」
「(昨年のシチメン:)...何を言って?」
「(昨年の涼香:)そう、アタシは生まれ変わったんだよ。」
「(昨年のシチメン:)いったい何を言っている!?」
「(昨年の涼香:)見えるんだよ、動きが。」
「(昨年のシチメン:)...動き?」
「(昨年の涼香:)アタシは凄い力を手に入れたんだよ。これでも誰にも負けることはない分析能力者になったんだよ!!ハッハッハッハッハッハッ!!!!![嘲笑]」
「涼香」の力が何なのかあの頃の「シチメン」にはわからなかった。ただ1つわかったのは、「涼香」が変わってしまったということだけだった。この件を機に、3人とも声をかけることはなく、同窓会に顔を出すことはなかった。だが今回の「涼香」は引導を渡すために「シチメン」の前に再び姿を現した。まさにその通りである。
「(清子:)わたくしの学園でも似たようなことが起きましたわ。雅史さんの旧友の典子さんが招いた動乱...突然の嫌がらせは度を越していて、驚くくらいでして。」
「(ラファエル:)ああ、我が妹ダイアナやハイペリオンを傷つけた異常者だった。」
「(ミュゼット:)え〜、そんな事件が...。でも、私の学校はいつも通りだよ。そんな事件なんて起きなかったよ。」
「(ラファエル:)そうとは限らんぞミュゼット。学校の外には危険が多いことを...万が一得体の知れない者に命を狙われると一大事になるぞ。」
「(ミュゼット:)...ま、心得てるけどね。雪郎の出身地はどこよ?」
「(ラファエル:)...カリフォルニア州だ。シチメンもそれくらいわかるよな?」
「(シチメン:)ええ、3年前の10月にちょっとね。孫に喝を入れる目的で私たち七面一家ごと雪郎の祖父に呼び出されて、じーさんは置いといて姉妹そろって落ち込んでいる雪郎を慰めた。しかしそれは応急処置的に過ぎない。」
「(ラファエル:)結局のところ喪失感は拭えず、無理をしている。再び気を落としてもおかしくないということだ。」
「(ミュゼット:)...色々大変だね、雪郎って。」
「(清子:)...わたくしには縁のない話ですの。それより皆さん、ラーメンでも注文してみてはいかがです?客じゃないならお引き取りくださいってつまみ出されますわ。」
「(ラファエル:)...ああ。シチメンよ、ラーメン頼む。」
「(ミュゼット:)やべぇ、カネがない。矢部だけに。」
「(清子:)それならわたくしが払いましょうかしら?はい、代金600円をどうぞ。」
「(ミュゼット:)いつも悪いね。」
「(ラファエル:)俺にはもう600円しかないがまあいい。最後の外食になるだろう。」
2人は「清子」に言われるまま600円もするラーメンを注文した。「シチメン」が作るラーメンは今日で最後であり、以後食べることはないだろう。
次の日以降、「ラファエル」や「シチメン」が恐れていたことが現実となり...いえ、すでに起きているだろう恐ろしげな事件が相次ぐことになった。
3月10日(水) 越中
日本に足を踏み入れた「ルイザ」と「オイロケズ」3人は観光する場所を間違えたのか運悪く「例のあの人」に出くわしてしまう。
「(名前を呼んではいけないあの人:)塵芥と成り果てやがれ。」
「(ルイザ:)ひぃぃぃぃ!!」
「ルイザ」は目前の巨悪に恐れ慄き、絶望する。もう勝ち目はないと悟った「セシル」が取った行動とは...。
「(セシル:)ちっ、敗れた。もうだめ。......元ご主人様ことルイザを裏切り、奴側に寝返るしかないか。ルイザ、気の毒だが俺は新たなるご主人様『テリー様』に仕えることにした。男はイロモノよりチンピラが好きなんでね。」
「(シルビア:)おぉ~~、偉大なご主人様。アナタ様はルイザなんかより何百倍も強いでございますねぇ。」
「(アリサ:)私、ルイザのこと大好きだぜ。この嘘ホント。このっ!!」
「(ルイザ:)うぅ......ぅぁああああぁぁぁぁぁあ!!!!!!」
「ルイザ」との信頼関係、己の自由や名誉と引き換えに、敵側につくことで「ルイザ」を除いたオイロケズの身の安全は保証されることに。
3月14日(日) 伊賀・忍者村
忍者村は燃え盛っていた。「白之助」が駆けつけた頃には、自分の娘を含めた村の民は全員いなくなっていた。そこに倒れていたのは、師匠「菊子」だった。
「(白之助:)師匠...いったい何が起きたのでござる...。」
「(菊子:)き...気を付けよ......。強大...な...厄災......。」
「菊子」はそのまま息絶えた。数年前に破門された、かつての弟子「黒史郎(本名:鬼行百夜)」が忍者村付近に佇んでいた。彼の存在に気づいた「白之助」は、問いを投げかけた。
「(白之助:)お主はいったい、何者でござる!!」
「黒史郎」は何の一言もなく、そのまま炎の中へと消えていった。
3月15日(月)7時 / カリフォルニア14日(日)15時
その頃「アレグロ雪郎」は何をしているだろうか?
「(エルエー:)ガジュ、今日は打ち抜きで持ち物検査があるそうです。おそらく、今日が不届き者の悪行を暴く最後のチャンスでしょう。善は急げってことです。私がバサカを足止めします。ガジュはそっと彼のパスワードを探ってください。」
「エルエー」は足払いで「バサカ」を転ばし、「ガジュ」に彼のパスワードを調べさせる。
「(ガジュ:)大丈夫?バサカ。」
「(バサカ:)余計なお世話っぺ。このあほんだら。」
「バサカ」のポケットからパスワードを盗むことに成功。「バサカ」のラップトップを開き、目にしたのは誹謗中傷を書き込まれていた掲示板、荒らされていた記事のコメント欄、加害者のマイページ(300496X)、どれも非常に悪質な行為てんこ盛りな中身である。
「(ガジュ:)先生!!見て!!いいから見てよ!!」
「(アレグロ雪郎:)なんだなんだ!?...。」
この画面を見た「アレグロ雪郎」は目の色を変えて、隅から隅まで確認する。
「(アレグロ雪郎:)......。」
そして「バサカ」は連行される。
「(バサカ:)な、なんでバサカが!?みんな、聞いてっぺぇ!!!!!」
「(アレグロ雪郎:)悪いなバサカ。奴のこと色々聞きたいことがあるんでね。」
「(バサカ:)ガジュ...覚えてろっぺ。」
「ガジュ」しか見てない「バサカ」は憎悪を抱き、この場を去る。
「(アレグロ雪郎:)ガジュ、奴のことを俺に知らせた。実にいい働きだったぜ。」
「(エルエー:)よかったですねガジュ。これであなたは晴れて優等生になれますよ。」
「(アレグロ雪郎:)...エルエーがそう言ってるとこ悪いな、たった今状況が変わった。見ての通り、今の日本は大変なことになっている。そうやって教育している暇はない。おかげで、あんたらのエリート街道は絶たれた。自分の身を守ることを優先しろ。それとも命がけで俺とエリート街道を歩むか。」
「ガジュ」と「デイカ」は恐怖のあまり、エリート街道を辞退する一方、「アマデ」と「エルエー」は命がけで「アレグロ雪郎」についていくことになるのであった。
3月24日(水) 樋串武学園 修了式
樋串武学園初の修了式が行われ、「これは正式な修了式であり、次のステップに進むための修了式である。」と学園長「ラザール夢ノ橋」は宣言した。修了式が終わり次第、生徒たちは進級に向けて準備をしていた。一方「雅史」は身の危険を感じており、それを察したのか学園長や生徒会に「サッカー部」一同および「清子」、昨年の事件で懲戒処分を受けた帰宅部1人「衣笠典子」は召集されることとなった。これは最悪へのカウントダウンの始まりである。
【グラウンドフロア(1階)相談室】
「(ラザール:)キャプテンさん、その一同さんを呼んだのは他でもない。大事な話があるからだよ。」
「(雅史:)学園長、こんな相談室に僕達サッカー部を呼び出してどうしたの?...もしや異例の居残りだったり?」
「(ラザール:)異例の居残りでも何とでも言っても構わない。では、話を始めよう。」
「(雅史:)うん。それはそうとして、生徒会全員揃ってまでどうしたの?ま、それもそうだよね。生徒会8人を呼び出すほど重要な話なのね。」
「(ラザール:)生徒会8人を呼び出したのは、君たちを護衛するためだよ。」
「(雅史:)...?」
♪ Conspiracy
「(ラザール:)君たちの周りにはトラブルばかりだからね。ああ、先生に隠れてトラブルとは...なんて嘆かわしい...。」
「(雅史:)え!?...学園長、何がどうなってるの!?」
「(ラザール:)キャプテンさんが混乱するのも無理もない。君のクラスメイトの杏璃さんは随分面倒を起こしているようだね。それが根拠さ。
多くの生徒や教職員に危害が及ばぬよう生徒会を通して監視するからね。」
「(雅史:)...杏璃が何をしたっていうの?......いや待てよ。最近身の危険を感じてるのは杏璃の様子がおかしいからか。それでそうか。いつ命を狙われてもおかしくない、だからこそ怯えている杏璃や健太に相談して、逃げ先を考えた。ラファエルとともにアメリカに行くべきか、副会長Rの苗字を名乗るあの都市伝説を試してみるべきか。二つに一つの決行はラファエル帰国日ということで。それまでに僕たちを守ってくれる?」
「(ラザール:)ええ、君たちの身の安全を保証すると約束しよう。では、キャプテンさん一同を護衛する生徒会3名、前に出よ。」
♪ Beloved One
「(ラザール:)ランスくん、ルーカスくん、北村さん、ラファエルくん帰国日までにキャプテンさん一同を守ってあげよ。」
「(ランス:)学園長、仰せのままに。」
「(清子:)...ランスさん。...わたくし風紀委員を信じないおつもりで?」
「(ランス:)風紀委員の清子、君の仕事はここまでだ。後は俺たち生徒会3人に任せ、清子はこれ以上つきまとわなくていい。」
「(清子:)何の冗談ですの?あなたたちはラファエルさんが懸念していた異様な事件の危険性を承知の上で言ってるのかしら。」
「(ランス:)ええ、わかってるとも。それだからこそだ、命に代えてもキャプテンを守って見せる。ルーカスや北村とともに。」
「(清子:)いったいどういうことです。危なっかしいご時世の中でどうやって乗り切るのです?」
「(ラザール:)3人とも下がっていい。ま、そういうことよ。悪く思わないでね風紀委員さん。これ以上事が大きくならないための措置だから。」
「(ルーカス:)話が終わり次第、君たちを護衛する。」
「(ラザール:)さ、校庭で待機せよ3人とも。」
「(北村:)では、待ってるから。」
♪ フェードアウト
3人「東雲ランス」「木村ルーカス」「北村マルティナ」は相談室を抜け、校庭のとこで待機する。
「(清子:)話は終わってません!!校外に出れば大変なことになります!!このままじゃ危ない!!」
「(ラザール:)風紀委員さんはそんなことを知らなくていい。命を張ってキャプテンさんを護衛すると決めたのだから。生徒会長とその4人に告ぐ。風紀委員の清子を押さえよ。キャプテンさん一同が学園を出るまで取り押さえよ。それと典子の処遇はこれからだ。」
「(清子:)学園長...う、うぁあああああああああぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!!!!」
♪ End of Despair
「(雅史:)...清子......そんな僕を許してよ......。」
会長「餅田ヤミ」をはじめ生徒会5人は「清子」を封じ込める。涙ながらに学園を出る「雅史」とその幼馴染「杏璃」「健太」。この学園を去る事実を知らされ、生徒の命を粗末にするような考えをする学園長に「清子」は絶叫した。そう、3月のご時世に打ちのめされたのだ...。
「(典子:)うるさいな風紀委員。黙ってくれない?」
相談室の外で学園長の企てを盗み聞きした帰宅部(えた☆そな部)3人「中川魄子」「家坂コダック」「ゾーイ・エンジェル」は、生徒会3人を追跡する。「ランス」とその2人は「雅史」の護衛に就く。...どのような結果になるのか。
同じ頃、「徹子」は「シチメン」を連れて、「涼香」のいる高層タワーまで足を運んだ。
「(シチメン:)高層タワー...。本当に涼香が管理するというのか。」
「(涼香:)その通り。ここに全世界からアタシの同志を集めるんだよ。」
「(シチメン:)...かき集めて率いてこの地を支配する、そう言ったな?」
「(徹子:)そうだ、涼香のやることは一つだ。」
「(涼香:)トップクラスの同志が互いに殺し合い、勝てばさらに次のステージに臨む。そうして勝ち残り、選ばれた者のみシャドウオーガニゼーションのエリートに迎え入れるのだよ。」
「(シチメン:)...あの頃の同好会より今の組織でいくのか?」
「(涼香:)逃げずにアタシとともにいたいのなら、ここでの殺し合いに勝ち抜けばいい。アンタならできるはずさ。」
「(シチメン:)...そうか。」
「(涼香:)期待しているよ。アタシとともに全世界を支配し、アタシとともに更なる高みへ!!」
「(シチメン:)断る。」
「(涼香:)?」
「(シチメン:)拳を構えろ。」
「(涼香:)はぁ?」
「(シチメン:)あんたに勝負を申し込む!!」
竣工寸前の高層タワー屋上での戦いになる2人。屋上はむき出しのままである。その戦いを見守る「徹子」と現場の方々。「涼香」の能力「昨年11月下旬に発現した謎の力(2012年時点では分析能力、2016年時点で判明した名称は超分析力)」は物事の先の先まで読める大きな力だ。彼女の前になすすべもなく弄ばされる「シチメン」。
「(涼香:)見えるか?アタシの前に倒れるアンタ自身の姿で!!」
彼女の能力はこれだけではなかった。
「(シチメン:)なに!!」
もう一つの能力、それは「シチメン」に幻影を見せるという。
「(涼香:)いかが?アンタの最期にふさわしい風景。」
「(シチメン:)これが私の最期の風景だと!?」
「(涼香:)そう、これが絶望。アンタが目にする絶望さ。そしてここでアンタは絶望する。アタシの圧倒的な力に!!!!!」
「(シチメン:)ふざけるなァァァァ!!!!!!!!」
「(涼香:)大いなる力を以て奮えアタシ、終わりだ緋音!!」
「(シチメン:)!!」
物事の先の先まで読める「涼香」の前に小細工は通用しない。万事休すか?絶対勝てないとわかった以上、横にある鉄パイプを倒し、隙を見て逃げ出した。高層タワーの外に出た「シチメン」は、ここを去るとする。
「(徹子:)行くのか。」
「(シチメン:)あんたは残るんだな。」
「(徹子:)私は涼香を見捨てることはできない。」
「(シチメン:)そうか。」
「シチメン」は「涼香」の元を去った。それだけである。それを見た「涼香」は彼女に捨てられたと認識する...。
「(涼香:)...許せない......緋音ェェェェェェエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!!!」
殺してやりたい気持ちになるくらい憎悪に満ちた顔をする「涼香」であった。背後から出てきた「暗黒教団じみた黒ローブ」が「涼香」の耳元で囁く。
「(暗黒教団じみた黒ローブ:)わがぎみの命令だ。赤毛女と青髪男を殺れ。」
「(涼香:)...そんなのとっくにやってる。とどめを刺そうも逃げ出されて失敗したけど、アンタならやってくれるよね?」
「(暗黒教団じみた黒ローブ:)われが殺れというのか。仕方がない、貴様がやらぬならわれがやるわ。」
【帰路】
帰り道。生徒会3人に護られている「雅史」と幼馴染2人。しかし...。
「(ルーカス:)ぐふっ!!」
今、何が起きたのか。気づいてみると血を流して倒れている「木村ルーカス」の姿が。よく見ると...。
「(北村:)う...うそ...。」
「(ランス:)...まさか......死んだのか...。」
生徒会会計「木村ルーカス」が死亡した。「テリーに奉仕する黒ローブの男」に殺されたとみて間違いないだろう。
「(杏璃:)いぃ......ゃやあああああああああぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!」
「杏璃」は恐怖のあまり、泣き叫んだ。
「(健太:)杏璃ちゃん...!!」
「(雅史:)この恐ろしい光景は初めてだ...。」
「(ランス:)...逃げるよ。走れ!!」
全力で逃げる5人。
「(北村:)ワタシが足止めする!!副会長、雅史を頼むね...。」
「北村」の能力「ブレインジャック」は機械のコントロールを奪取し、意のままに操るハッキング能力だ。自動車も例外ではない。その能力で自動車を動かし、足止めする。「テリーに奉仕する黒ローブの男」は「例のあの人」に奉仕するだけあって「レベッカ」支持者の「雅史」達を追いかけることだけに集中する。「北村」に構ってる暇はないのだが...。
「(北村:)自動車を越えてくるとは...くそっ!!」
もうすぐ住宅街、家の中なら安全だ。「テリーに奉仕する黒ローブの男」が迫ってきている、あと少しのところで安全圏に到着するはずなんだ。どの家に入るべきか?「雅史」の自宅?幼馴染の集合住宅?いずれにせよ家族に危害が及ぶのは確かだ...がその時である。
「(ハイペリオン:)4人ともこっちだ!!」
なななんと、「ハイペリオン」がオンボロ集合住宅に入れと呼びかけているのであった。幸い「グッドウィン号室」に入れた4人、「ハイペリオン」に感謝せよ。
【グッドウィン号室】
「(ラファエル:)君たち無事か?」
「(ランス:)...。」
「杏璃」は未だに泣いている。
「(ダイアナ:)何があったの?」
「(ランス:)それが...。」
「(健太:)生徒会会計が死んだのさ!!」
「(雅史:)いやぁ、生徒会会計の死に顔を見て怖かったよ。...助けてよ。」
「(ラファエル:)...そうなることを想定して、帰国予定を早めた。喜べ君たち、俺とともにニューヨークに向けて出発しようではないか。」
「(雅史:)...学園長に封じ込められた清子が気がかりだけど、噂になっている都市伝説よりラファエルの出身国に行ってみたいな。」
「(健太:)そうしよう。逃げるのが精いっぱいで疲れたし、泊ってもいい?」
「(ラファエル:)ああ、いいとも。夕飯は餞別として学園長から賜ったおしるこヌードルを御馳走しよう。」
「(杏璃:)...みんなは平気でいられるのですか?人が死んでるのに...。」
「(ラファエル:)そんなに不謹慎か?仕方あるまいだろう、日本ネット社会とはそういうものだし...杏璃はレベッカに深く関わり過ぎた、そうだろう?」
「(雅史:)それにしても、清子に限らずミュゼットと姐さんが気がかり...。今のご時世で何事もなければいいけど...。」
「(ラファエル:)案ずるな!!あの2人のことだ、自力でなんとかしているだろうな。おっかない伯爵に護られたり、法的とやらで対処したり、風紀委員の場合は学園長に封じ込められる形で外敵から護られたりな。学園長のやつ、封じ込めてまで風紀委員を護るとは、それほど大切な子なのか。」
「(ダイアナ:)外は物騒だから、銭湯に行けないよ。我慢してよ。」
「(雅史:)ハイペリオンが部屋に入ってこない、何やってるの?」
「(ラファエル:)ハイペリオンなら、近接してくるならず者を追い払ってるところだ。なぁに、俺がハイペリオンに神器を与えたんだ。命を落とすことはあるまい、決してならず者にやられるハイペリオンではない。」
「(雅史:)ならいいけど...。」
「(ラファエル:)さ、今日は遅い。朝早く出発するのだから、おしるこヌードル食べて、英気を養いなさい。」
この部屋にいる一同はおしるこヌードルを御馳走して、明日の出発に向けて就寝するのであった。
3月25日(木)7時 ラファエル帰国日
【ターミナル】
ここはターミナル。予定を早めて今日でニューヨーク行き便に乗ることになる。空港内には公衆電話が置いてあり、「雅史」の運命は2つに1つということになる。
「(ラファエル:)ターミナルに着いたぞ。まずは3人分のビザ取得からだな。永住権グリーンカードはニューヨークに着いてからだな。」
「(健太:)そんなぁ!!そんなめんどくさいことを...。」
「(杏璃:)早く渡りたいです!!死にたくない!!」
「(ラファエル:)...あ、悪い。申請したとしても数日から1週間...最悪の場合エイプリル初日に入るまで渡米できんだった。...[溜息]俺はコンブリオほど優秀ではなかった...。」
ビザ申請および取得には相当めんどくさい手順でやらなきゃならないものであるため、どのみち渡米はいっそう絶望的となった。残された手は...公衆電話の受話器を取り、自身の携帯電話番号を入れるしかない。
「(雅史:)杏璃?」
「(杏璃:)東雲さん...いらっしゃったら...お返事ください......。」
「(健太:)あ、杏璃ちゃん!?」
「(ラファエル:)副会長Rの姓を呼んでどうする?公衆電話から自身の携帯電話に電話をしてもしかたがない。金銭の無駄だ、よしなさい。」
「杏璃」は自分の携帯電話(831SH/ミントグリーン)の電源を切り、そして入れなおす。
「(ラファエル:)...無意味なことを。」
「(杏璃:)あたしはただ...悪い人の目の届かない場所に隠れたいだけです。」
「(雅史:)...じゃあ僕が試してみようかな。」
「(ラファエル:)いえいえ、それはありえん。」
「雅史」は「杏璃」と同じ方法で試してみる。
「(雅史:)東雲副会長、いらっしゃったら返事してよ。」
「杏璃」と同じく自身の携帯電話(P-01A/グロファイトブラック)の電源を切り、入れなおす。...?
「(雅史:)あ、変なメールが来た。どれどれ?」
「(健太:)雅史にできたなら僕だって!!」
「健太」も同様の方法を実行するために、携帯電話(P-02A/ダイヤモンドブラック)...以下略。
「(健太:)副会長!!いるなら返事して!!」
結果は、「杏璃」同様だった...。
「(健太:)どういうことよ、雅史にはできて、杏璃ちゃんと僕にできないだなんて...!!」
「(ラファエル:)ほれ見ろ。どういう仕組みなのかは俺にはわからんが。」
「雅史」の受信メールを見てみると、本文に書かれているのはURLだけである。
「(ラファエル:)雅史、やめなさい。」
「雅史」の携帯電話(P-01A/グロファイトブラック)を取り上げる「ラファエル」。
「(雅史:)なんでよ、そんな危ない時世なのに。」
「(ラファエル:)コンブリオに連絡して手配をするので、おとなしくしなさい。」
「(雅史:)...。」
「アレグロ雪郎」に連絡して、3人をアメリカへ渡るための手配を試みる「ラファエル」である。...思いがけない光景を目にすることになった。
「(ロドゆい:)君は雪郎くんの知り合いのラファエルくんだよね?」
「(ラファエル:)ああ、そうだが?」
「(雅史:)あの時のフォトジャーナリスト...。」
「(ロドゆい:)ちょうどよかった。うちの弟ビィをよろしく。僕、逃げなきゃならないから。ビィ、雪郎くんの知り合いの言うことをよく聞いてね。」
「(ビート:)姉ちゃん...。」
「ロドゆい」は速やかにこの場を去る。弟を預けるほど、それほど深刻なものなのか。
「(ラファエル:)...用意がいいな。ビザ取得もできている。たいしたものだ。」
立て続けにまた思いがけない。
「(ミュゼット:)私を置いてどうするのよ雅史!!」
「(雅史:)ミュゼット!?ミュゼットまで逃げるのかな。」
「(ミュゼット:)逃げるもなにも、どういうわけかドクターからの支援を断ったらしく狙われてるのよ、私。」
「(ラファエル:)...しょうもない伯爵のやつ、なぜ自身の部下への支援を断つようなことを...。」
「(雅史:)まさか伯爵様に切り捨てられたとか?」
「(ミュゼット:)あのテリーとかいうおぞましい存在相手に、さすがのドクターも手に負えないと思い知った以上、私を捨て駒に...。ぁあああああああああ!!!!」
「(ラファエル:)今、なんと言った?」
「(ミュゼット:)あのテリーとかいうおぞましい存在って言ってるのよ。」
「(ラファエル:)...口を慎め。命が惜しければその名前を口にしてはならんことだ。」
「(ミュゼット:)...わかったよ。」
「(雅史:)ミュゼット...何を言ってるの?」
「(ビート:)...怖い。」
「(ラファエル:)それよりミュゼットよ、ビザはどうした?」
「(ミュゼット:)ビザならドクターが用意してくれた。行き先はもちろん、アメリカよ。よかったね!!」
「(雅史:)...。」
「(ミュゼット:)どうしたの?だんまりして。」
「(ラファエル:)すまん、ビザ取得には申請から丸1週間の時間を要するらしいので。コンブリオに連絡して、なんとか渡れるよう手配をしているのだが。」
「(ミュゼット:)...お気の毒。そこのちびっ子もビザ持ってるのに...。」
現在アメリカビザを取得している人は「ミュゼット」と「ビート」だけ。「雅史」と幼馴染2人はまだである。...3度目の思いがけない。
「(シチメン:)アダム、日本を離れよう。」
「(アダム:)うん、そのためにビザを取得している。」
「(ラファエル:)...エデンか。君の妹がニューヨークで待ってるらしいぞ。」
「(雅史:)大将代理の姉さんって彼氏いたんだ。」
「(ミュゼット:)アネさんもニューヨーク行きなの?」
「(シチメン:)そうだ、私の彼氏とともに逃げるつもりだ。ジェシー...待ってろよ。」
「(ミュゼット:)そうか、師匠はニューヨーク出身なんだね。」
「(アダム:)...それよりラファエル、見知らぬ5人がいるようだが。」
「(ラファエル:)ああ、俺の学園仲間だ。留学満了したがな...。コンブリオの弟分とミュゼットはただの知人だ。」
「(雅史:)[溜息]...あとは清子や姐さんが気がかりだけど...。」
ところが「ラファエル」の携帯電話(T-Mobile G1)に「アレグロ雪郎」から電話がかかってきた。
「(ラファエル:)俺だ。コンブリオよ、ビザを持たない3人の渡米が可能なのか?」
「(アレグロ雪郎:)ああ、なんとかな。方法は簡単、アメリカ行きの航空券を買うだけだ。ただし渡米できるのは1人だけだ。誰が行くのかよく考えるんだな。」
1人しか渡米できないことを聞かされ、電話を切られた。
「(ラファエル:)...ビザなしでの渡米には条件がある。すなわち3人に1人だけしか渡米できない。誰が行くのか、3人で相談して決めなさい。」
絶望的な条件。あまりにも残酷すぎるものだ。
「(雅史:)...。」
「(杏璃:)雅史くん、行ってらっしゃい...。」
「(健太:)僕は大丈夫だから...。」
「(雅史:)そんな...2人を置いて逃げることは...僕にはできない...!!」
「(杏璃:)大丈夫です。ダイアナさんがついてますから...。(泣)」
「(健太:)杏璃ちゃんは僕が守るから、安心して渡ってね...。」
「(雅史:)...そんな僕を......許してよ......ぐすっ...。」
2人Plus「清子」の事が気がかりで泣きだす「雅史」。
「(ラファエル:)雅史、一緒に来なさい。」
「ラファエル」「雅史」「ミュゼット」「ビート」「シチメン」「アダム」6人はアメリカへ。それを見届ける幼馴染。4度目の思いがけないことが...。
「(清子:)雅史さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!!!!!!」
「清子」が空港に駆けつけた時には、「雅史」はもう搭乗ゲートの向こう側。
「(雅史:)......清子...ごめん......。」
「(清子:)いつの日かぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!あなたがたの帰りをぉぉぉぉ!!!!!!!!!待ってますからぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
「(雅史:)...清子......清子ぉぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
運命という言葉に引き離される2人。これは儚い愛なのか。むなしい気持ちでニューヨーク行き便の航空機に乗り、アメリカへと飛んでいく...。
「(ラファエル:)...ミュゼットはどこだ?見当たらんぞ。」
その頃ミュゼットはニューヨークではなく、カリフォルニア行き便に乗ったらしい。
「(ミュゼット:)悪いねラファエル、ドクターから受け取った片道切符はカリフォルニア行き便なんだよね。」
―かくして、「雅史」のスクールライフは終わった。
―楽しいスクールライフを送ったはずが2010年上半期頃より彼の気づかない異変、そして運命という言葉に負け、彼の日常は儚く砕け散った。
=3月末まで死亡した者=
生徒会副会長R 東雲ランス(15) 3月25日 日本に留まる杏璃や健太を命がけで黒ローブの男から守り、散る。
生徒会会計 木村ルーカス(14) 3月24日 護衛任務中、黒ローブの男に殺される。
生徒会会計 北村マルティナ(15) 3月25日 翌日、遺体発見。
サブリーダー 中川魄子(15) 3月25日 最期の力を振り絞って日本に留まる杏璃や健太を逃し、息絶える。
幹部2 家坂コダック(14) 3月25日 日本に取り残された杏璃や健太を守る役目があるにもかかわらず犬死。
幹部4 ゾーイ・エンジェル(15) 3月25日 日本に留まる杏璃や健太を黒ローブの男の攻撃から庇い、死亡。
フェスティバル主催者 ニコ・ロデオン(33) 3月26日 黒ローブの男に殺される。塩化カリウムによる窒息死。
その妻 レイ・ロデオン(29) 3月26日 黒ローブの男に殺される。塩化カリウムによる窒息死。
その息子 ヒコ・ロデオン(1) 3月26日 黒ローブの男に殺される。塩化カリウムによる窒息死。
忍者マスター 井原菊子(45) 3月14日 忍者村全焼、失血死。
源郎の子分 小原文太(15) 3月24日 アンダンティーノ中学校全焼による焼死。
黄組の生徒 小野斤(17) 3月24日 帰宅中、青組の麗下を庇う形で黒ローブの男に殺される。
中川家の中華博士 中川英昭(34) 3月26日 羽咋市において、娘をプロトフォーム(脱出艇)に押し込み、日本海に流して息絶える。
上海共同租界の子孫のイングランド人 中川ステファニー(30) 3月26日 羽咋市において、テリーに殺される。
以上14名
明日の犠牲者はこの方です
おやすみなさい
=日本を去った亡命者=
キャプテン 大原雅史(14) 3月25日 ニューヨーク
Dr.デカボットの下女 財前未夢(14) 3月25日 カリフォルニア
軽音楽部の部員 藤田ハンナ(17) 4月以降 ワルシャワ *進級、3年生の教科書入手後
ロドゆいの弟 佐藤打斗(11) 3月25日 ニューヨーク
ラーメン屋のパート 七面緋音(17) 3月25日 ニューヨーク
シチメンの彼氏 アダム・エデン(19) 3月25日 ニューヨーク
小波家の娘 小波小鳥(12) 3月14日 パリ
侍 石川土左衛門(27) 3月14日 ロンドン
忍者 半場半蔵(26) 3月14日 ロンドン
中華博士と上海共同租界の子孫の娘 中川朱美(9) 3月26日 上海
アンダンティーノ中学校の生徒 安藤アイ(14) 3月28日 ロンドン
都立高等学校の生徒 高橋晃樹(17) 3月30日 シエーナ
以上12名
明日の失踪者はこの方です
日本にさようなら
―彼らは楽しい日々を過ごし、生きた。しかし、その日々も長くは続かなかった。
―厄災がもたらす非日常に彼らはどう対処するのか。
―そして、希望は......。
Baroque Academy Part-I - END
続きは『ニューニコチュウ襲来』でお楽しみください。
https://ncode.syosetu.com/n6824gr/15
その舞台裏の外伝
New Nicochu Wars: Rising 2010/ニューニコチュウ襲来 ライジング2010
執筆予定




