第五章 バレンタイン事変(0)
「(雅史:)あけまシーテ!!おめでトーウ!!リーヨ!!」
「(清子:)メリークリスマスからの謹賀新年ですわ。」
「(ラファエル:)2010年迎えたんだ。帰国まで3ヶ月しかない俺だが、これまで以上に活躍するから今年もよろしくな。」
新年を迎えた。気が付けばこの学園でのスクールライフを始めてから5ヶ月経ったのか。ここからが異様な事件が相次ぐことになる。17日(日)頃よりこれまでたった1人で念入りに調査してきた「ラファエル」が懸念していたことが現実となり、「雅史」の旧友事件に類似する、または比にならない事件が相次いでいた。風紀委員長「増田仁雄」や不良の親分「兵藤源郎」に救援を要請することで事なきを得たが、それもイマノウチだけである。
そんな中、24日(日)より誰かが動画投稿サイトに緊急事態動画を上げられていた。
「テリーという愚か者がいます。奴が来たとしても、必ず対抗するようにしてください。魔よけの為の壁紙を設置しておりますが気にしないでください。ご協力お願いします。」
注意喚起というよりか、尋常でない大ごとに立ち向かわせるための結束への呼びかけに見える内容だった。それを知ってしまった「ラファエル」はもはや自分一人の力ではどうしようもないと悟り、泣く泣く「アレグロ雪郎」と意見交換をすることにした。彼の努力もむなしく調査を打ち切り、万事休すとはもう悔しくて涙を流しそうになる。落ち込む彼の傍らに妹「ダイアナ」と従者「ハイペリオン」が支える。「どうしようもなくたって、すべきことは最後まで投げ出さずやりきること。」気が動転してしまい絶望しかけていたが、2人の支えによって残された希望を見出していた。「雅史」のスクールライフを守ることが第一の使命であると。
一方陰で3人の会話を盗み聞きした「杏璃」は携帯電話(831SH/ミントグリーン)のボイスレコーダーを使い、放送室で持ち帰った音声を学園全体に流した。さすがの生徒会も黙ってられなく、大ごとになる前に校外情報を揉み消そうと動き出すも、今の会話は問題にならないと「ラファエル」が「杏璃」の出張を一蹴。それだけにあらず「杏璃」は絶望に蝕まれていることを見透かす。彼の反論や看破によって「帰宅部のいうことを信用するのか?」という答えを導き、生徒会は潔く手を引いてくれた。業を煮やした「杏璃」は、邪魔な2人「清子」「ラファエル」を排除すべく悪魔に魂を売ろうとする。「清子」はこれまで以上に「ラファエル」の協力のもと、「雅史」を巻き込まないように努めるとする。来るべき運命の歯車はゆっくり動き、そして賽は投げられた。
平成22年(西暦2010年)2月3日(水)、バレンタインまでの11日間、彼女たちは愛人へのチョコを作る準備にかかっていた。




