表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
DQV オリジナルストーリー  作者: 蒼竹紫暮
第一部 -旅の終わりは、物語の始まり-
2/3

船での出会い1

「えっ!?」

 アレスは、ベッドの布団を跳ね除けるように飛び起きる。そこは、船の中の一室で、アレスが起きたことに気が付いたパパスが声を掛け、ベッドに歩み寄る。

「むっ?どうした、アレス?」

 起き上がったアレスのベッドに、ゆっくりと腰を下ろす。

「えっ!?あれ?父さん?」

 母に似た、青く澄んだ瞳を見開き、髪は艶のある太い黒髪の寝癖を触りながら、パパスの問いに答える。

「えっと、多分、ぼくが生まれた時の夢だと思うんだけど、どこかのお城で、父さんがぼくを高く上げて、ぼくの名前を呼んだんだ。」

 困惑気味に応えるアレスをパパスは、その言葉に豪快にわらいながら応える。

「はっはっはっは!この儂がどこかの城の王か!それでは、アレスはその国の王子か?」

 アレスが気にしてた寝癖をいじるように、わしわしと頭を撫でるパパス。

 その手を少し煩わしく思いつつも、その大きな手の温もりに優しさを感じながら、アレスは、パパスに向き直り口をとがらせて抗議する。

「むーっ。父さん、ぼくのことバカにしてるでしょ!」

 そんな息子の青く澄んだ瞳に見つめられたパパスは、息子の言葉に向き直り、

「別に、アレスのことを馬鹿にしたわけではない。夢があって、実にいい事だ!」

 馬鹿にしてないと言われたアレスは、自分の言い分が認められたことで、安堵の表情を浮かべる。

 そんなアレスの心境を可愛く思いつつも、真実を語ることが出来ないパパスは、話をはぐらかして、話題を変える。

「そんなことよりアレス。先程、目的地に近い灯台が見えた。もうすぐこの船旅も終わるから、船員の皆さんにご挨拶してきなさい。」言葉を区切り、思い出したと、付け加える。

「そうそう、アレスが寝てる間に、タンスや、ツボ、樽の中に、父さんがさっきアイテムを隠しておいたから、ついでに探しておいで!」

 宝探しと言う言葉に、アレスは目を輝かせる。

「わかった!行ってくる!」

 勢いよくベッドから飛び出すと、船室のドアを開けて、アレスは走っていった。

 パパスは、その後ろ姿を見送り、小さな声で首から下げたロケットの中の肖像画に向かって呟く。

「マーサ。儂らのアレスは、元気に育っておるよ…」

その瞳は、走り去っていくアレスを見つめるその瞳は、息子に不憫な思いをさせてることを悔いていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ