鑑定の日
トリクシア大陸。
この大陸の人類は四つのスキルを持って産まれる。
中でも固有のスキルを持つ者は様々な場所で活躍しており、持ってない者からは羨望の眼差しを向けられた。
今日は鑑定の日。
5歳になる子供達は皆、自身のスキルを知ることになる。
今、鑑定を受けているアマギもそのうちの一人だ。
(神様お願いします、俺に固有スキルを下さい……!)
アマギは神に固有スキルを祈った。
「あなたのスキルは……これですね。固有スキルはありませんが、悪くないスキルが揃ってますよ」
そう言って鑑定士が紙に書いたスキル一覧をアマギに見せる。
その中には固有スキルは確かに含まれていなかった。
「えー、固有スキル無いの?」
アマギは鑑定士に対して不満を漏らす。
そんなアマギに鑑定士は優しい声で話しかける。
「いいかい、君のスキルには確かに固有スキルはない。でも、一般のスキルでも使い方次第で固有スキルを超えられる可能性だってある。持っているスキルをどう活かすかは君次第さ」
「んー……わかった」
アマギは鑑定士の話に納得がいかない様子だったが、とりあえず頷いた。
この時のアマギは知らなかった。
自分の四つのスキルの組み合わせがどれだけ優れているかを。