それでもだからこそ
「…」
ザッ
ザッ
と俺出羽サブは
ゴミを箒で掃く…
「今度はこっち―」
「はい…
サブ近さん…」
俺出羽サブは何故か
カク志たちがYクリスタルでの訓練中でいる
体育館から連れ出され
サブ近さんと一緒に
その体育館周りの掃除をしている…
「ところでよお
出羽サブ」
「はい…」
「あんまり
カク志をジロジロ見るな…
ああいう風にさ…」
「あ、はい…」
そうはサブ近さんに注意されるものの…
だって気になるんだもん…
カク志の事が…
「緊張し過ぎにさせ過ぎも能力開発を
滞らせる一因、原因になる」
「そうかもですが…
でも俺に対しては
『こんなんでキョドったら正義のヒーロー様どころかカタギの一般人にもバチバチにボコされるぞ!?』
みたいにプレッシャーかけてきませんか?」
「そりゃお前はもう能力持ちだからな
(そういう設定で登場したし)」
俺出羽サブとカク志への対応が違うのは
こっちが先に能力開発したから?
わかんねぇ…
何だか腑に落ちない…
「それでここが一番問題だが
無能でもエネルギー養分タンク係を欲しがってるから…
つまり使い道があるって
言い方はなんなんだ?
外から丸聞こえだったぞ?」
俺出羽サブに
お前何様なんだよ…?
みたいにサブ近さんは言うけれど…
「実際その通りじゃないですか…」
としか思えないんだよなぁ…
「そりゃそうだけど
だからこそだ…」
「それでも…!」
「…」
俺出羽サブは食い下がり質問するけど
まだ何か?
と言わんばかりに
ジッと見てくるサブ近さん…
「ああ、はい
わかりました…」
ここは大人しく納得したふりをしておこう…
「…そこのゴミを塵取りでとって
ごみ箱に捨てたら
終わらせていいから
一緒に続けたいんならしても良いけど
今度は離れたあっちを掃除するぞ」
「わかりました…
サブ近さん…」
俺出羽サブは
とりあえずそうする事にした…
「(てーかここもゴミあんまり無いじゃん…
ゴミや塵やカスというより砂や砂利ばっかりだし…
こりゃ明らかに…でもコッソリと
さっき体育館から追ん出されたれたんだな…俺
サブ近さんが行こうとしてるあっちは明らかに体育館から離れてるし…)」
「……」
まだちょっと何か言いたそうなサブ近さんを尻目に
「(ちょっと不謹慎な事を言うけど
否言わないけど
カク志は今のまんまで
いて欲しいなー
なんか…
可愛い?
驚いたり焦ってる
仔犬や仔猫やハムスターみたいな感じ?
つまりペット?
家畜…?は物騒かな?)」
なーんて思う
俺出羽サブであった




