家探索 その2
階段を昇った先にあったのは、木のドアだった。
しかも、それの前に"湯"と書いたのれんが掛けられている。
何となく何かわかってきたけど、中を改めて確認する。
脱衣室があった。
当たり前だがドア開けてすぐお風呂な訳がない。
更にドアの向こうは、余裕で10人ぐらい入れる様な大きな浴槽になっていた。
しかも、高級感あふれる事に床や壁、天井が大理石で出来ている。
きっちりシャワーも設置していて、リンス、シャンプー、ボディーソープも完備されている。
しかも、お湯が出て来ているところがマーライオンみたいなのになっている。
勿論、口からお湯が出ている。
「う〜ん これの光熱費とか大丈夫なのか?」
一応、ほぼ一人暮らしだったので光熱費とかも普通に気になる。
お湯の止め方もわからないし、請求が来ないことを祈るばかりである。
「しかし、ボッチの私にこんな家をリスタルテさんは、私にどうしろと?」
未だにこの世界に連れてこられたリスタルテの意図が読めない。
異世界召喚なら普通に魔王討伐とかをさせられる気がするし…………
「あんまり気にしないでおくか」
こんな、大きな家を与えられた所で一人暮らしの私には何ら意味のない気がする。
さてと、一通り探索も終わったしお風呂に入って寝よう。
しかし、困った。
洗濯機が確か1階にあったはずだが、今私の持っている服はこの1着しか無い。
ズボンと上着はいいにしても、流石に下着までと言うわけにもいかない。
仕方ないので、スボンと上着を直接肌の上から着る。
何故か脱衣室には、タオル類とドライアーが完備されていた。
「ふー 後はこれ洗濯機に入れて寝るだけだ〜……なんだかいつもと頭の感触が違うゆうな…
えっ!」
不思議な事に鏡の前で髪の毛を乾かしていたのに、全然気づかなかった。
そもそも私が鏡を見ることなんかほぼ無い。
なので、自分がこんな顔だったのかいまいち分からなかったが、今更ながら明らかに変わっていた。
元々は、純日本人顔の私だったが今鏡に写っているのは、髪が銀髪で目が紫紺の瞳になっていて
明らかに前の世界の外国人でも素でこんな人いない様な容姿になっていた。
残念なことに胸は小さいままだけど。
まぁ、胸はまだ発育途中だしこれから大きくなる予定だし!
「う〜ん まぁいいかな?」
別に不細工になったわけでも無いし、むしろ可愛くなったわけだし。
今更気にしても多分前のには、戻らない気がする。
なら、妥協して受け入れるしか無いなと思う。
「ふわぁ〜眠よう」
脱衣室を出て階段を降りようとすると更に上へと繋がる階段があることに気がついた。
「……明日起きてからにしよう」
気になりまするけど、今はまず寝たい。
1階に降りて何故かキッチン前に設置してある、洗濯機にタオルと下着を入れて洗濯しておく。
「どうせだったら、服ぐらい用意しておいて欲しかった」
再び2階に上がり、正面の部屋に入る。
ごく普通のホテルの様な感じでダブルベッドが2つ設置してある。
私は倒れ込む様に手前のベッドに寝転がる。
「明日は…明日のことは明日考えよう……
おやすみなさい」
その言葉を返す人まだ誰1人としていない。