門の前まで
夕暮れごろにようやく街にたどり着いた。
壁に備え付けられた門のところには、横通り向けている人もいるし、衛兵さんにちょっと捕まっているような人もいる。
そんな様子を門の近くになるまで見ていると、
「嬢ちゃんはでかい街に入るのは初めてか?」
「うん そうだよ」
「なら、この光景は初めて見るだろうな ここまでしっかりとしているのはそこそこ大きな都市ぐらいだからな」
「ガスト そこそこ大きいって……マイちゃんここまでやっているのは王都と四大都市ぐらいだからね 勘違いしないでね」
「確かに他のところはこんなに衛兵もいないし、魔物が来たときの開閉門が開きっぱなしのところも多いですからね」
「無用心だよね」
ロウリンさん、ディーンさん、リンさんがちゃんと注釈してくれたお陰でちゃんとした情報を知れた。
「ガストさんの説明雑」
「せっかく教えてやったのに失礼な奴だな…」
門に近づいて行くと衛兵さんの2人がやって来た、
「おぉ ガストお前らオーク討伐行ったんじゃ……おい隊長読んでこい ガストが幼女に手を出した!」
「おう任せろ!」
「おい待て! 俺の話を聞け おいマジで隊長のとこに行くじゃないよな…ちょっと待てや!」
ガストさんは隊長さんのところに向かった衛兵さんを追って門の真下のところに行ってしまった。
「あんなのは放っておいてさっさと行きましょか」
「今、私のことが幼女って言われた気がする…」
「言われてましたよ」
「皆さんから見たら私何歳に見えるんですか?」
「10歳かな?」
「11歳ぐらい?」
「9歳ぐらいですね」
「……か〜ら〜の〜…」
「少なくとも実年齢から5歳ぐらい小さく見えるわね」
「…今この状況で若く見えるって言われても全然嬉しくないんですよ…」
「良いじゃないですか若く見られる分には、リンさんなんて…」
ディーンさんが何か言おうとしたタイミングでリンさんがディーンさんの顔に見事なアイアンクロウを決めて遮った。
ミシミシと嫌な音が聞こえ始めたところで、ディーンさんがリンさんの手をタップしている。
そこでようやく、話してもらえたディーンさんは頭が変形している気がする。
「ディーン リンの年齢については禁止だよ また、あれされてもいいんだったら止めないけど」
何やらこの3人はリンさんにあれをされたことがあるようで、それを聞いた瞬間ディーンさんがブルリと震えた。
「あれだけは…あれだけは勘弁してくれた…」
ディーンさんが怯えながらそう訴えかけている。
一体何したんだとリンさんの方を見るがどこか知らぬ存ぜぬ感を出している。
ロウリンさんが怯えているディーンさんを宥めながら進みようやく門のところまでやってきた。