5人になった旅路
「それじゃあ 街に行こうか……この家どうするんの?」
4人の中のリーダー的立場のガストさんが訪ねてきた。
朝ごはん前の質問攻めの時に、この家がスキルで出した物だという事は説明したけど消せる事は説明していなかった。
ちなみに質問されているうちにそこそこ仲良くなれた。
「これ、スキルで消したり出したり出来るから大丈夫だよ」
全員が家から外に出るのを確認して家を消した。
4人は驚きの声を上げていたけど私からしたら3回目なのにもう別に驚きもない。
「おっおう それじゃあ 行こうか」
私を真ん中にして前にガストさんとロウリンさん
後ろにディーンさんとリンさんがつく形で護衛してもらった。
ちなみに、今はぬいぐるみ達は全員が保管庫に収納していて、本当に4人だ。
ガストさんとリンさんとロウリンさんは気さくに話しかけてくれるけど、ディーンさんは何やら1人で考え事をしたいようだった。
たまに、ジッーと見られるので何だか怖いな〜と思う。
「なんですか?」
ちょこちょこ質問しているんだが、
「いや〜 別になんでもないですよ〜」
そう言ってはぐらかされる。
流石に何度も何度も見られているのでガストさんが、
「おい ディーン 嬢ちゃんに何があるならはっきり言え さっきからチラチラ見やがって 女々しいぞ」
女性陣2人は首を縦に振り同意しているようだ。
「はぁ〜 もう本当に……そもそもおかしくないですか?」
「「「「何が」」」」
「なんで全員わかってないんですか……そもそもこんな年端の行かない子どもが1人で魔物「襲われる危険のある街道を1人で歩いていることがですよ! ふぅ〜」
何となく言いたいこと言い切れてた感がある。
「それもそうだな」
「そうよね何で1人でこんな所に?」
「うんうん」
誰も気付いていないと思っていたけど、気づいていた。
ディーンさんなかなかやるな!
でも、一つだけ一つだけこれだけは言いたい
「すいません 成人年齢って何歳でしたっけ?」
「? 15歳ですけど それが何か?」
「私……こう見えて16歳ですよ」
「「「「え」」」」」
「何ですか! 意外ですか! こう見えても成人して立派な大人なんですよ!」
「嘘だろ それだとディーンとロウリンと同じ年齢じゃないか……」
「! 私にとってはそっちの方が驚きですよ! 全員20歳超えてると思ってましたよ ちなみにガストさんとリンさんは幾つなんですか?」
「ん?俺は17歳だぞだぞ リンは…」
ガストさんがリンさんの年齢を言おうとしたところで、後ろの方から恐ろしい気配がした。
全員がその気配の中心を見るとリンさんが笑顔で佇んでいた。
「嬢ちゃん……俺は一度死にかけたから言える、
命は大事だと 決して粗末にしちゃいけねぇ」
「うっうん わかった」
どうやらリンさんの年齢は禁忌らしい。
触れないようにしておこう。
そんな感じで雑談しながら街道を進んでいると遂に夕暮れごろになってオルガルドの街の前に到着した。