夜の訪問者ー④
「「うおーーーー!」」
怪我人2人が歓声を上げる。
残りの2人は私を信じられないものを見る目で、私のことを見ている。
なんだその目は文句あるの?
「さてと、コレだけしてあげたんだからちゃんとお代は払って貰うからね」
「え……あ…うん それは良いんだけどコレだけのことして貰ったのに本当に護衛だけで良いのか?」
手が無くなっていた剣士が聞いてくる。
「うん? 他に何かくれるの?」
「いやまぁ、何かできるモノならな……」
ここで何かしらお金やらを貰っても良いのだが、
この4人の武器や防具を見るとかなり傷んでおり
おそらく買い替えるまではなくとも、修理をしないといけない感じがした。
「う〜ん……てか お兄さん誰?」
「おいリン お前自己紹介ぐらいしとけよ」
「自分のはしたわよ? 後は自分でしなさい」
「へいへい 悪いな俺はガスト、そっちの女がロウリンで、そっちの杖持った魔法使いがディーンだ一応知ってるだ思うがそっちのエルフがリンだ一応オルガルドの街で冒険者をやってる」
「ガストさんとロウリンさんとディーンさんね 憶えた憶えた じゃあ誰か街に到着したら観光案内よろしくお願いします」
「? 本当にそれだけでいいのか?」
「いいも何もこれからお金が必要になりそうな人たちからお金巻き上げるなんてことしないし、それでいいよ」
「マジか! 正直防具の修理とかありそうでお金がヤバかったから助かる」
「じゃあ、朝食食べたら街まで護衛よろしくお願いします」
「おお任せろ ロウリン朝ごはん作れるか?」
「うん いいわよ 足はまだ違和感あるけど腕のほうは大丈夫だしね」
「いつも悪いな 助かるよ」
そこからはロウリンさんがご飯を作っている間色んなことを聞かれまくった。
名前や年齢、職業後は、さっきの怪我を治したのは何だの、そのぬいぐるみは何だの質問責めになってご飯が出来上がる頃には疲れ果てていた。
「ほらほら質問はまた後でもできるでしょ とりあえず朝ごはんよ」
「おお! 今日はまた高そうな献立にしたな!」
「予算は大丈夫なんですか?」
「ロウリン散財しちゃダメよ」
「もう〜ちゃんとそのぐらい考えていますよ〜
ちゃんと今まで節約していた分しか使ってないし 今までのちょっとお高いシリーズの食材をちょっと多めに使っただけじゃないですか!」
「「「やっぱりか……」」」
「ん? ん?どういうこと?」
「うん もういいやっぱり今度からは料理はロウリンと3人ののうちの誰かにしようと思うがいいか?」
「うん それでいいと思う」
「僕も賛成す」
「じゃあ 次からそういうことで すまんな え〜と…マイちゃん じゃあ誰も欠けないで生き残れたことに、そしてここにいるマイちゃんに感謝を…いただきます」
「「「いただきます」」」
「???? 何これ?」
「?あぁ これが俺たち4人で飯を食う時の前置きみたいなもんだ あんまり気にしないでくれ」
ふ〜ん
正直どうでもよかったなと思いながら朝食を口に運ぶ。