夜の訪問者ー①
あの後私はすぐにお風呂に入り今はベッドの中にいる。
「ふ〜 いい湯だった〜 でも疲れているのに3階まで上がるのは中々きついな〜」
ルーシ達も収納庫に直して今は別の子達に警備をしてもらっている。
さっき気付いたけどこの家鍵が付いていなかった。
なので防犯面が不安で不安でしょうがない。
だから、森の中と昼間に居たメンバー以外を収納庫から外に出してオート操作にしておいた。
これであの鳥がドアを開けて家の中に侵入しても
大丈夫……そんな事ないな。
そうして安心を確保した私は睡魔に誘われるがままに瞼を閉じた。
『ドンドンドンドンドン ーーーーーー』
それからどれぐらいの時間がたったのだろうか。
この家には時計というものがないので詳しくはわからないが確かなのは、窓の外はまだまだ夜で辺りは真っ暗だ。
ただ、3階の窓から見える事はないが、若干……
ほんの少しだけ玄関の外の方で灯りが見える。
うつらうつらしていたが急にそんな事はなくなり、しっかりとした意識が戻ってきた。
一応寝ている部屋以外の電気は全てつけている状態なので、警戒はしながらではあるがすぐにリビングに降りた。
そこでようやく何を言っているのかをしっかり聞き取れた。
『居るなら開けてくれ! 仲間が大変なんだ!』
それを聞いてドアノブに手を掛けようとする、しかし私の少ない警戒心が発生してしまった為に、
ドアを開けるのをぬいぐるみにしてもらった。
リビングに転がり込んできたのは、4人の男女だった。
そのうち1人の男は右腕の肘から先が、女は右足が完全に無くなっていた。
足の無くなっ女をそれほど外傷の酷くない男女が
両脇から支えているようだった。
怪我をしている2人は不思議なことに血は止まっており切断面が無理矢理筋肉で塞いだようになっていた。
すると、怪我をしていない女の方が私の方を見て
「夜分遅くにごめんなさい この通りちょっとまずい状態なの とりあえず休ませてもらえないかしら」
突然話しかけられたので、若干戸惑いながら。
「え……あっ…はい どうぞ ベッドは2階の両橋の部屋を使って下さい」
それだけ言うと、さっさと2階に上がってしまう。
そして、ベッドに倒れ込む。
あの短い会話だけで既に心が疲弊したようだった。
私が上がってから少しして4人が2人ずつ左右の部屋に入っていったのを聞くと再び眠りにつく。
うとうとしながら思うが、普通なら絶対あんな知らない人たち家にあげることなんかしないし、
そもそも盗賊とかだったかもしれないから次からもっと注意しないといけないと常々思う。
そして、再び眠りに入る。