3話 算数
☆☆☆ 3話 算数 ☆☆☆
西暦2040年、
オレは、小学一年生になった。
名前は、織田コナン。
今は、算数の授業だ。
イコールという記号(=)の概念が
難しい事もあり、現在の算数は、
コンピューターの構造についてから
教えるようになっている。
人間が普段使っている数は、
10進数だが、
コンピューターは、2進数を使用する。
2進数とは、1と0だけで数を表す
コンピューターに理解できるというか、
理論で組み立てられた機械を
あたかも人間の思考を代行するように
組み立てられた仕組みの機械の事だ。
1と0も
1は電気が帯電している。
0は電気が帯電していない。
というただの状態にすぎない。
その1と0の状態を並べて、
人間に使いやすいようにしたのが、
コンピュータだ。
1と0を8個並べると、8ビットといい、
1ビットが0と1の1桁を表す。
8ビットを1バイトといい、
1024バイトを1キロバイトという。
それでは、試しに1+1を
コンピューターに計算させてみよう。
メモリが2ビットあったとしよう。
01に1を加えると、
一番右の桁である、1に1を加える事で、
桁オーバー(2)になる、それを機械的に
判断し1桁上(左)のビットに1を加える。
そうすると、10となる。
2進数で10は、10進数で2となる。
簡単にいうとコンピューターでの計算の仕組みは
こんなところだ。
これを複雑な計算をするためのロジックを
組んで、高速化のための工夫など色々したものが、
現代のコンピュータなわけだけど、
AIなどが発達し、複雑になりすぎて一人の
人間ではもう理解できないくらいになっていて
AIの方が人間より頭が良くなってしまっている。
隣の女の子は、やはり理数系が
苦手なのだろう。
悩んでいる可愛い。
「教えてあげようか?」
「うーん、難しいから教えてね!」
おう、何度もトライするものだ、
人間の心というものは、コンピューターのように
毎回答えが同じになるわけではない。
コミュニケーションから、警戒心か解けて
うちとけていくのだろう。
「よろこんで!」
オレは、景気よく返事をした。
「わたしにも教えてー」
近くの席のあまり可愛くない女の子も
便乗して言ってきた。
オレは、露骨に嫌な顔を出してしまう。
「あっ、やっぱり、いいです……」