表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

ゴブリンだったゴブちゃん

 木造の小さな建物が見えてきた。本当に信じていいのかな? 人間とゴブリンは本来なら敵同士。なのに武器も持たずに女の子についてきてしまった。おばあさんの他にボクより強い人が出てきて襲われたらどうしよう。そんな不安がボクにはあった。


 「おばあさん、おともだち連れてきたの。開けて」


 女の子はボクのことを「おともだち」って言った。人間の女の子は警戒心って物が無いのか? ボク、モンスターなんだぞ……おっと、扉が開いた。そこには杖を持った小柄な背の曲がったおばあさんがいた。目が見えていないみたい。おばあさんは手探りでボクの頭を撫でて


 「ネムにお友達が出来たなんて、嬉しいわ」


 どうやら女の子の名前はネムっていうらしい。ボクがモンスターだって説明しても何も驚かない。どうして? 何か裏があるんじゃないのか。モンスター界では有名なんだぞ。ゴブリンは臆病者で卑怯者。勝てる相手にしか勝負を挑まない。ネムなんて簡単に殺められるんだぞ。


 「ネムもねぇ。モンスターみたいなモンなんだよ」


 おばあさんが目を覆いながら杖でネムの頭をコツンと叩いた。


 「てへへ~」


 ボクに握手をしてくれてるけれど……凄く寒い。人間ってこんなに冷たいの?


 「良かった。ゴブちゃんは誰も襲わなかったから天国だね♪」


 ネムはそう言うと、青白い顔でボクに微笑んだ。そっか、この子もおばあさんも死神だったんだ。


 ボク、ゴブちゃん。


 初めて「おともだち」が出来たよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ