設定・デジャブ
少しずつわかり始める奇妙な世界へようこそ
朝7時を知らせるアラームが軽やかに鳴る。
昨日早く寝たからだろうかパッチリと目は覚め、カーテンの隙間から朝日が差し込んでいた
起き上がりアラームをとめ体を伸ばす。
「はぁーー朝か…」
なんてことない朝だが少しだけ違和感を感じた
「まぁ思い違いだろ今日も1日がんばるかぁー」
といつも通り冷蔵庫の中から栄養ドリンクを一本だし、一気に飲み干す。
昨日の7時頃スーパーで買った原価の5割引きになったお弁当で簡単に朝を済ませハンガーに干してあったワイシャツをアイロンにかけることなく着るのがいつもなのだが今日は時間があったのでアイロンをかけた。
昨日大家さん治して貰ったドアを開けて外に出た。
駅まで片道10分と言われて決めた家だったが引っ越してすぐ、駅まで近道だった道路が工事のために通れなくなり遠回りするしかなく実際かかっている時間は20分ほどだろうか。だが今日は道が混んでいたのだろうか工事の車が来たばっかのようで通ることができた。
駅につくとどうやら駅で人身事故があったらしく電車が遅れているようだ。
「3日連続か…」
上京して今日で4日目。朝、電車が遅延したのが3日連続だった。
うーん。今日はついてると思ったんだけどなー
元々俺はついていない男だ
どれぐらいついていないかというと小学校の時に校庭で校舎に向かって投げた石が校舎に跳ね返って目に当たりそのまま病院に運ばれたことがある。それぐらいについていないのだ。
僕はこれを設定の失敗だと思っている。しかし今日はとてもうまくいっていたのだ
きっと俺を作った神様とかそういう奴が設定をミスって運のゲージが0なんだろう。とかいつもかんがえていたのだがそんなこともないのだろうか
何十分たっただろうか、やっと電車が来たようだ
「…やっときた!」
そういって時間を確認するために視線を手元のスマホに移す。
ドンッ
「あ、すいま…」
その瞬間、誰かの背中に肘が当たりバランスが崩れ、ホームへと落ちていく
タイミングよく電車もホームに入って来たようだ。
落ちていく人の顔を確認することはできない。こちらを振り向こうとしながら電車の前に落ちていった
体が悲鳴をあげて砕ける音。緊急停止ボタンでも押したのだろうか加減もなく鳴り響く警告音とが混じり合い
ホームに鈍い音が響いた。
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