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第1章

戦時標準輸送船といいながら、ユニット組み合わせで戦闘艦艇にもなるようになってます

はじめに


この章では、第1次宇宙大戦、つまり日本、アメリカ合衆国、英国、インド、欧州各国、ロシアをはじめとする諸国が、月を勝手に「領有宣言」した「中華人民帝国」とその属国に対して、月面の現状回復を巡り起こした戦争で、戦場となった月面に物資を送るための、戦時標準多用途輸送船(日本での原型は「つき」級、米英などでは「ムーン」級などと呼称)の苦闘と活躍について記述する。


かって存在した「中華人民共和国」は、習近平国家主席の代で、「中華人民帝国」に移行、習主席は初代皇帝として建国を宣言した。


中国は様々なやり方で対外進出をしようとして、各方面にちょっかいを出したものの、その動きを警戒する他国から、ハミゴにされ、南シナ海をめぐる海上での衝突を引き起こし、せっかく完成したばかりの空母機動部隊を失う羽目になった。


これでは軍部の力を背景に皇帝にまで成り上がってきた立場がない。

そこで考えたのが、未だに領有権がどこにもない(国際条約で規制)「月」を領有して、中華人民帝国の偉容を示すことになったのである。


犠牲を気にせず、貨物ロケットにて月面の周回軌道上に送り込んだ機材で、軌道基地を作り、さらにそこから、月面に降下、基地を設置した。

そして「月面基地周辺の領有」を宣言したのであった。


これに怒った他国は、様々な妨害を行ったが、事前の準備を整えた中華人民帝国宇宙軍の前には効果なく、彼らの基地は拡大していくのであった。


ただ、無理なスケジュールは、技術的なトラブルを内包していて、第16回目の貨物ロケットは発射後、十分な高度を得られず、北朝鮮の首都付近に落下、ここの現地政権をも粉砕する事件を引き起こした。


この事故は日米英などにも重大な影響を与える事件であった。

中国のもくろみを妨害するには貨物ロケットを阻止すれば良い。

しかしまた、同様な被害が他国領域に起きたら大変である。


このため、双方は地球周回軌道以下での戦闘を禁止する協定に調印したのである。


そして遅ればせながら月面に日米英中心の多国籍の根拠地を設置、ここから中国人民帝国宇宙軍の基地を攻撃するため、地球周回軌道〜月面基地までの補給線確保が行われることになり、この補給に前述の戦時標準多用途輸送船が使われたのである。

この輸送船は各ユニットを輸送ロケット(日本ならこうのとり3)で地球周回ステーション(ヨコスカ2など)に輸送、そこでユニットを接続、気密チェックや最終的な艤装を行い、引き渡し式、就役式を経て月面に向けて投入される。


このユニットの組み合わせにより貨物、人員の専用輸送船、またはそのコンビ、武装強化型や、貨物積載なしの純粋な戦闘艦艇仕様 など様々な宇宙船を建造できるようにされている。


また、各国ともユニットの接合部は共通仕様になっているがさらにアダプターを介してそれ以外のユニットとも接合することを可能にしてある。


こうして戦時標準宇宙船ではあるが、各国ごと非常にバラエティーに富んだ、使い勝手の良い船を急速に建造できることになったのである。


代表的な例をいくつかあげると、我が国の全日本宙輸が政府の補助金を受けて建造した完全な民間仕様の場合は、操舵室ユニット、貨客ユニット3つ、機関室ユニットから構成されている。

これは、胴体に伝統的なダークブルーとライトブルーの楔型のラインが入り、民間機として登録されており近距離でのデブリ処理用のレーザーなど除いては非武装で運用されている。


このような民間機については基本的には地球周回軌道のステーション間の輸送にあたったりしている。


一方で前線向けに投入される、我が国の統合自衛隊の強襲揚陸艦仕様だと、「しれとこ」級のように、操舵室ユニット、司令部ユニット、揚陸用ユニット5つ、支援火力ユニット2つ、無人攻撃機搭載ユニット、機関室ユニットとブースター2つから構成されている。

これは、月面の中華人民帝国軍の拠点、「新南京」など近郊に降下、統合自衛隊の第1空挺団を送り込むなどに使われた。


また純粋な戦闘艦艇としては、統合自衛隊、護衛艦隊で最新の 「とよなか」(多数建造される艦隊護衛艦には都市名を使うことにされた)級の場合は、操舵室ユニット、センサーユニット、長距離砲撃ユニット、多目的発射装置ユニット、無人攻撃機搭載ユニット、増加燃料タンクユニット、機関室ユニットとブースターユニット3つから構成されている。


この艦は同型の「いけだ」「みのお」「すいた」等と第171護衛隊を編成、補給線確保その他に投入された。


またこれは、イギリスの「タウン」級宇宙巡洋艦、アメリカの「アトランタ」級宇宙攻撃巡洋艦などと同等の戦力、機動力となっており、戦隊を編成、運用しやすくなるようにされている

次項からはこれら日米英をはじめとして多数建造された戦時標準多用途輸送船の活躍を述べるとする。





戦闘艦艇としての艦名は、日本ではあまりない「都市」名としています。

これならイギリスやアメリカの巡洋艦相当までの装備をしても、おかしくないのでよいかと(^-^)。

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