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ゲームで少女は夢を見る  作者: ねぎとろ
序章 『終わりの始まり』
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八話 「勝利!」

ふぃー。よろしくお願いします!

「んじゃ、私から行くよ!倍速化!」


 瞬時に妹がスキルを発動し、私の前から消える。いや、消えるというよりは、正確には走っていったと言うべきだろう。


「はっや!こんなに早くなるのか……って、そんなこと言ってる場合じゃないや!」


 妹に驚かされつつも、私はある秘策の準備をする。


「ほらほら、こっちだよ!仕込みナイフ!」


 ナイフを飛ばし、上手く二体を誘導する。そのおかげでこっちは準備万端だ。


「よし!桜!準備完了だよ!」


 桜に知らせ、ようやく作戦を実行できる。


「おっけー!んじゃ、やるよ!」

 またも妹は倍速化を使い、相手の周りを走り始める。


「よし!私も!ダークバインド!!」


 上手く妹に当てないように、三体を縛る。これで、少しは動けないだろう。


「おっ!やっぱりお姉ちゃんは凄いなぁ!」


 私のスキルに感嘆の声をあげてくれた妹。うれしいのだが、それよりもやってほしいことがあるんだよね。


「さくら!早く!!!動き止めれる時間少ないから!!」


 三体も縛っていると私の力では長くは止められない。現に、王様がそろそろ解こうとしている。


「はーい。んじゃ、お姉ちゃんも合わせてね!」


 桜は倍速化で王様の後ろに駆け寄り、剣に力を溜める。


「よっし!桜!今だよ!」


 私の掛け声と共に、桜がスキルを放つ。


「『ソードスラッシュ!ファイヤーボール!』」


 桜のソードスラッシュに合わせ、私がファイヤーボールを放つ。それにより、剣に炎が纏い骸骨への弱点である炎が付呪された。


「よし!上手くいった!これで、勝ったっしょ!」


 やばい、これはまだ死んでねえな。


「ユビワ、ユビワ、ユビワ、ユビワ、ユビワユビワユビワユビワカエセカエセカエセカエセカエセカエセカエセコロスコロスコロスコロス」


 何この敵めっちゃ怖す。身体半分切れてるのに喋ってる。このゲームホラーゲーだったのか……


「お、お姉ちゃん!!!どうするの!?」


 妹も怖かったのか涙目になりながら、助けを乞うてくる。


「そ、そうだな。私はあと一発しか魔法打てないから、お、お前に任せるぞ」


 全てを妹に託すことにしたわたし。うん。だって、めっちゃ怖いし。出来れば近寄りたくない。


「えーー!やだ!またさっきみたいに魔法を上手く付呪させてよ!!私が倒すからさー!!」


 こやつ。あれがどれほど難しいのか分からぬようだな。よろしい、ならば……


「って、やばいやばい!王様が来てるから!!早くやるよ!」


 覚悟を決め、またもファイヤーボールの準備を始める。

「よ、よし!私も準備完了!」


 何をするのかすら分からないけど、ここは合わせてみせよう。私の維持にかけて!


「行くよ!仕込みナイフ!」


 えっ。まさかのナイフを飛ばすんかい!まぁでも、確かにこれなら、上手く倒せそうだ。ちょうど、頭に刺さりそうだし。


「お姉ちゃん早く!!!」


 や、やばい。早くしなきゃ!

「う、うん!ファイヤーボール!」


 私の最後の力を全力で込めたファイヤーボールは見事にナイフに当たり、ファイヤーボールがナイフを包み込むという変なかんじになっている。


「よ、よっし!上手くいったよね? うん。これで倒せないなら負けでいいや……」


 地面に座り込み、王様に直撃するファイヤーボール? を見る。


「どうだろ? 倒せたかな?」


 私たちの攻撃は見事に王様の頭に突き刺さった。最後に断末魔っぽいのあげてたし死んだと信じる。


「お、煙が晴れるよ!」


 周囲から煙が消え、結末が明らかになる。


「誰も居ない?」


 周囲には私達以外に誰も居なくなっていた。案の定、王様を倒せば、ほかの二体は死ぬようだ。


「ふぅ。危なかったぁぁぁぁ」


 安堵し、地面に倒れ込む。


「いやー。疲れたねお姉ちゃん!でも、なんか、楽しかったぁ!」


 なんでこいつは笑顔なんだよ。そんな顔みてたらこっちまで笑顔になりそうだわ!


「それよりさ、お姉ちゃん。私的には早くあの宝箱を……」


 身体を起こし、妹の指差す方を見る。そこには、黄金に光り輝く宝箱が一つ置いてあった。


「ねぇ。どっちが開ける?」


「あんたでいいよ。あ、中身は平等ね」


 もしも、中身がわたしに必要ないものなら譲ろう。私はそう決めた。あわよくば、杖とかなら嬉しいけど…‥


「んじゃ、開けるよ〜」


 宝箱を勢いよく開け、中身を確認する。


「おっ!!ん? なんだこれ?」

 宝箱に入っていたのは二枚のスクロールだった。


「あー。なんかよく分かんないし、とりあえず街に帰って見ようか」


 妹は承諾し、二人でとりあえず外に出ることにした。


「ねえ。まだ着かないの?」


 結構歩いているはずだが、全然光が見えてこない。

「私達走りすぎたね……」


 岩を避けていて気づかなかったが、割と走ったらしい。


「ねえ。お姉ちゃん!見て!これさ、こっちに行けば出れるんじゃない!?」

 そこには狭い隙間があり、少し光が差しているのが見える。


「私……入れるかな。あんたは、私よりチビだから良いけど……」


「うるさいお姉ちゃん!!ふん!先に行くからね!!」


 わたしの呟きに怒った妹は先々に隙間を潜り抜けて行ってしまった。


「もう!怒らなくていいじゃん!」


 私もそれに続いて追いかける。通れないと思っていた隙間は割と広く、私でも余裕で通れるほどだった。


「よし!通れた。良かった。ふぅ」


 潜りぬけ、目を開けると、そこは私達が入った入口のすぐ側だった。


「おお!やっと外だ!!」

 私は歓喜して声を上げた。


「まさか、こんな入口があるなんて、気付かないよ……」


 隙間を見ながら妹が一人で呟いている。勝手に盗み聞きして、私は同感していた。


「妹よ!はよ街へ帰るぞ!」

 妹の手を引っ張り、街へと向かう。こうして、私達の初めてのクエストは幕を閉じたのだった。

ふむふむ。うーむ。やっぱり短い気がするんだよなぁ……

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