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ゲームで少女は夢を見る  作者: ねぎとろ
3章 『天使』

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七十五話 「早々の帰還?」

 夕食も無事に終わり、今私は大天使様に案内された部屋で少し休んでいた。


「人間さーん。一緒にお風呂入りましょー」

 

 一人で休んでいる時に、急にドアからキューピットさんが入ってきて私の隣に座りながらお風呂へと誘ってきた。


「あ、お風呂ですか。良いですよ? その代わり、私のことは雪見か雪と呼んでください。なんか人間って呼ばれるの嫌です」


「はーい。んじゃ、私のこともカミエルと呼んでね〜」


「えっ!? キューピットって名前じゃなかったんですか?」


「そんな訳ないじゃーん。ま、そんなのはいいとして、さ、早く行こ!」


「そんな引っ張らないでよ〜!!」


 やっぱり私はどこに行っても引っ張られる存在だった。カミエルさんも、どことなく花奈と強引さが似てるし、なんでだろ?


「ん? 何をそんなに恥ずかしがってるの?」


 普通の一般宅のお風呂と同じような脱衣所に着き、カミエルはすぐに服を脱いでお風呂に入る準備をしていた。

 そして、もちろん私は知り合って間もない人とお風呂に入ること自体に抵抗が少しあり、服を脱げずにいた。


「ほら、バンザーイ!」


「バンザイ?」


「えい!」


 ついついバンザイの言葉に釣られてしまい、私は腕を上げてしまった。カミエルはその瞬間を見逃さずに私の服を一気に捲りあげ、私は遂に服を脱ぐはめとなった。


「もう!後は自分で脱いでね!」


 私が未だ恥ずかしがってることにちょっと怒ったのか、プンプンしながら先に行ってしまった。


「い、行かなきゃ……」


 急いで服全部脱ぎ、私もお風呂に入った。結果的に脱ぐんだから早く脱げばよかったとか思ったのは内緒だ。


「それじゃ、お背中お流ししまーす!」


「お、お願いします……」


 そこからは、至って普通の入浴タイムだった。ほとんど妹や花奈と入る時と同じ感じだった。ただ、カミエルが私の胸を揉んで小さく呟いた言葉だけは絶対に忘れない。


「ふぅ。いいお風呂だったー! それよりも、やっぱり雪は胸をもうちょっとでかくした方がモテますよ!」


「だから、それが出来たら苦労してないよ!!」


 ほんと、カミエルの胸を削いでやりたい。なんなのかな。胸がでかいと心の余裕が生まれるとかあんのかしら。あれ? 段々とイライラしてきたぞ。


「あ、大天使様。お風呂お借りしました!」


「ん。全然大丈夫だぞ。それよりも、話があるんだが、まぁ短い話だし少し立って聞いてくれ」


「ん? どうしたんですか?」


 私と大天使様の話が長くなると思ったのか、カミエルは一人髪も乾かさずに二階へと上がってしまった。


「いや、お主をな、手違いで明日の早朝に返すことになってしまったんだ。ま、まぁこれからはいつでも来れるし、大丈夫……だよな?」


「まぁ、しょうがないですよ。ほんとは少しだけ観光とかしてみたかったですけど、また来れるから大丈夫です……」


「良かったよ。それじゃ、いい夢を」


「はい、おやすみなさい」


 内心少しだけションボリしながら私は階段を上がって部屋へと向かった。

 そして、そのまま普通に眠りにつき、夢も見ずに朝になった。


「それじゃ、また来ますね! お邪魔しました!」


「いえいえ。またお友達を連れて来てくださいね」


「そうそう。いつでも来るんだぞー」


 大天使様二人はしっかりと見送ってくれたが、カミエルは居なかった。多分まだ寝てるだろう。さすがに起こすのも可哀想だし、まだ寝かせておくことにして、私は日本へと帰っていった。


 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


「あ! 雪!!どこ行ってたの!?」


 私がまた一瞬の気絶を味わったかと思えば、あの時羽根を掲げた部屋へと戻っていた。そして、花奈は少し泣き目で、私に抱きついている。


「うーん。ちょっと天界に行ってただけかな?」


「そうなの? で、でも、二時間で天界ってどうゆうこと?」


「二時間!? いやいや、私はあっちで一日過ごしたよ? 」


「ふむ。ってことは、天界という所と日本は相当時間の差があるようだな」


 本当に申し訳ないが、レギスがいることに今気付いてしまった私。


「で、天界に行って熾天使の雫の効果聞いてきたの?」


「あ!!!!忘れてた!! 聞きいかなきゃ……」


「どうやって行くの?」


「なんか大天使様って人に貰ったこの羽根て行けるよ!」


「も、もちろん俺も行けるんだよな?」


「しょうがないから連れてってあげる!」


「えっ。雪。こんなやつ置いていきましょ。天界が汚れてしまうよ?」


「さすがに置いてくのは可哀想だよ」


「さすが雪ちゃん! ありがと! 」


 レギスは私に感謝したと思いきや、なんと抱きつこうとしてきた。もちろん、花奈がそれを止め、めちゃくちゃ痛そうなビンタをくらっていたのはなんか可哀想だった。


「さて、帰ってきたばっかだけど、聞きに行きますか!」


「レッツゴー!」


 こうして、早朝に帰された私は、帰ってから数十分もしない内に、また本来の目的のために天界へと舞い戻るのだった。

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