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ゲームで少女は夢を見る  作者: ねぎとろ
2章 『親友』
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六十七話 「最後の一矢」

戦闘……長くてすいません

 花奈を包む炎は一向に消える気配がない。ただその場に立ち尽くしている私を熱風だけが襲う。


「グルルルルッ……」


 私が何もしてこないと分かったのか、ドラゴンは傷を癒すために丸まって寝てしまっている。きっと、花奈を殺したと思って満足しているのだろう。


「どうしよう。私の魔法で……」


 もしかしたら、私の魔法で消すことまではいかなくても少しは凍らせることが出来るかもしれない。


「やってみなきゃ!」


 幾ら考えても結局は変わらない。私は意を決してアイスアローを構え、ありったけの矢を炎に向けて射った。


「やっぱりダメか……」


 至極当たり前だった。所詮氷といっても矢と同じ密度で細い。高温の炎に当たれば溶けてしまうのが当たり前だろう。

 でも、そんな時だった。炎が急に大きな氷に包まれ、炎を一瞬で凍らせてしまった。


「なにあれ……」


 大きな氷塊が出て来たと思い、私がびっくりしたとほぼ同時に氷塊にヒビが入り大きな音と共に割れてしまった。

 その音にドラゴンもビックリして起き、何事かと思いながら周りを見渡している。


「花奈!」


 氷が割れ、私は花奈の近くに駆け寄る。いや、まだ花奈は見えていないが、生きている事と、今の氷を花奈が作り出したのを信じて、私は走り出していた。


「グルルルルッ……」


 ドラゴンもなにか思ったのだろうか。自分が殺したはずの敵が生き返ったとでも思ったのか、既に戦闘態勢に入っている。


「花奈! 生きてる!?」


 精一杯の大きな声で叫びながら氷塊の中心へと行く。


「雪……ごめん。私、もう力出ないや……」


 結論から言うと、花奈は生きていた。ただ、その場からは動けない。力の使いすぎか、はたまた、ブレスを直撃した影響なのか、地面に倒れてしまった。

 これで、私は一人でドラゴンと戦わなければいけない。幾ら花奈がダメージを与え、弱っているとはいえ、見た感じ私とのレベル差は結構激しいだろう。


「でも、やらなきゃ……二人共死んじゃうよね……」


 今ここで私が諦めて逃げたら、花奈は死ぬだろう。仮に逃げなかったら、二人共ドラゴンの餌として食われて終わり。そうなると、選択肢は一つだけ。

 それは、正面から戦うことだ。レベル差があっても、目などの弱点なら私の魔法でも通ることは既に分かっている。


「んじゃ、花奈はちょっと休んでてね! 私が頑張るから!」


 倒れている花奈から離れ、ドラゴンとの戦いの巻き添えをくらわないように私が離れる。


「ふぅ。【アイスアロー!】」


 一息つき、魔法を唱える。片手に弓を持ち、空に矢を浮かせている。


「あれ? これ、もう片方の手で魔法撃てるんじゃ……」


 私は空いている手の方で魔法を唱えてみることにした。それも、使ったことのない魔法。


「【ダーク!!】」


 私の闇魔法の威力は凄まじかった。いや、ダメージ自体は特に凄くはない。でも、見事にドラゴンの目に暗闇がまとわりついている。これでドラゴンは周りを見ることすら出来ない。一方的に攻撃し放題という事。


「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


 また私は新たな技を作り出そうとした。まず、弓を構え、矢を何本も持つ。そのまま、矢に魔力を込め、一本に固める。

 そして、その試みは成功した。


「これで、終わりだぁぁぁ!!」


 私の魔力もほとんどない。この一本で決着をつけれなければ終わりだろう。私と花奈は死ぬこととなる。

 私が放った矢は、ドラゴンへと一直線で向かって行った。

 未だドラゴンは前が見えず、手当り次第に暴れている。


「グギャァァァァァッ!!!」


 暴れていて私の矢に気づかなかったのか、私が狙った通り、頭に直撃した。ドラゴンは叫び、そのまま倒れてしまった。これで、私の勝ちだ。


「花奈〜! 勝ったよ!」


 いつ復活したのか、座ってこっちを眺めていた花奈に私は駆け寄った。


「んー。でもさ、あのドラゴンどうする?」


「どうするって?」


「だって、あのまま放置したら腐って匂いとかやばいと思うんだけど……」


「あー。確かに。でも私達じゃ解体とか出来ないじゃん?」


「それは私にお任せ下さい」


 私たちが会話している中、何処からか声が聞こえてきた。


「って、セバスさん!? なんでここに居るんですか?」


 やっぱりセバスさんだった。しかも、肩にはレイラちゃんを乗せている。いつの間に付いてきたのか分からないが、まぁ、解体出来ると言っているのだから任せるべきだろう。


「ま、理由はなんでもいいです。とりあえず、このドラゴン解体してもらっていいですか?」


「お任せ下さい。ただ、レイラ様が見てはいけないので、その間相手していただけると嬉しいですね」


「んじゃ、私がレイラちゃんと遊んでくるね!」


「花奈おねーちゃん行くです!」


「ちょ、ちょ、花奈!」


 これで、私とセバスさんはまた二人となってしまった。しかもセバスさんは解体していてこちらを全然見てくれていない。構った欲しいわけではないが、何も会話がないと気まずいというかちょっと寂しくなる。


「ふむ。このドラゴン……」


 セバスさんがなんか色々言っているが、小声すぎて何も聞こえない。


「はぁ。暇だなー……」


 こうして、何処かで花奈とレイラちゃんが遊んでいる中、私とセバスさんは二人きり。

 頑張ってドラゴンを倒したというのに、嬉しいような複雑な気持ちのまま、私はドラゴンが解体されるのを待ち続けるのだった。

物語進まなすぎですよね((´∀`*))


ちょっと頑張ってこれから進めますね

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