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ゲームで少女は夢を見る  作者: ねぎとろ
2章 『親友』
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六十五話 「修行開始」

 順調に明日の予定を決めた私達。

 全ての予定を一応決めた時には、既に夕食の時間になっていた。

 私達を呼ぼうと思ったのか、セバスを連れながら私たちの部屋に飛び込んできた。


「おねーちゃんたちー!! 早く行くー!!」


 元気な声と共に私達は引っ張られ今日も王様と夕食を共にした。なんていうか、女子高生が王様と簡単に夕食を食べちゃいけない気がするけど、その辺どうなんだろ。


「ふぅ。食べ終わった……良し。お風呂行こっと! ほら! 雪も行くよ!」


「えっ……私は後でも……お腹いっぱいなのにぃぃぃぃ」


 どうやら私の言葉は花奈に届かなかったらしい。まさか無理やり連れてくなんてひどすぎる。お腹がいっぱいでやばいのに。


「レイラも行くのー!!」


「では、私も」


「「セバスさんも!?」」


「はい。私も女ですよ? 見た目や言動で男と間違えられるけど実は女なのですよ。ですからレイラ様のお世話もさせていただいています」


「そっかぁ。じゃ、大丈夫だね!」


「はやくー!はやくー!」


 衝撃の事実と共に私達はお風呂へと向かった。私たちの部屋にもお風呂はあるが、やはりお城にあるお風呂はやばい。なにがやばいって、そりゃ広さですよ。


「ほんと……何これ……プール並みの広さやん……って、プールより広いし」


「ほんと、私も初めてきた時驚いたからね……」


 そして、私達は三人で洗いっこしたり、お風呂なのに泳いだりして精一杯楽しんだ。セバスさんは一人で露天風呂に居てレイラちゃんの世話を全然見てなかったのにはブチ切れそうだったけど。あと、あの豊満な胸にも……くっ……


「ふぅ。今日はあと寝るだけだね!」


 私たちの部屋で少しだけレイラちゃんも遊んだのだが、やはり六歳には眠くなる時間だったのか、すぐ寝てしまった。


「私もう寝る〜……おやすみ〜」


 電気を消し、花奈の隣で寝る。一番落ち着く位置だ。


「今日は変な夢を見なければ良いなぁ……」


「ん? なんか言った?」


「ううん。おやすみ。花奈」


「おやすみ。雪」


 こうして、私たちの夜は更けていった。明日は修行だ。ドキドキしながら私は眠りについた。


 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


「雪! 行くよ!」


 私の耳に花奈の声が聴こえる。まだ私は眠いのにめちゃくちゃ起こしてくる。


「今何時〜?」


「朝の5時!」


「早いよ〜」


 何故こんなに早く起きるのだろうか。狩りに行くならもっと遅くてもいいのに……眠い……


「早く起きて! 準備して!」


「しょうがないなぁ……」


 寝ぼけながらも花奈の為に準備をして、皆が寝ている中私達はお城を出た。途中、セバスさんと出会い少しだけ応援されたのはちょっとだけ嬉しかった。


「さてと、私の予定だと、あそこに見える山に行くことになってるね!」


 花奈が指差す先にある山はだいぶ遠い。ほんと遠い。だから早く起きたのか……


「ほら!雪! 行くよ!!」


「はーい……」


 ハイテンションな花奈の横で私はゲンナリしながら歩き始めた。私が遅く歩いているのを見て、途中で花奈が手を引いて引きずって連れて行ったのは内緒だ。


「ふぅ。とりあえず、レイラちゃんは来なさそうだね。セバスさんにバレたから来るかと思ったけど良かった良かった」


 あまり寝ていなく、既に疲れている私は喋ることすら嫌だった。もう既に帰りたい。それに、完全に今の気分で魔物倒すとか無理。


「あ! 雪! 近くに目的の魔物居るよ! 行こっ!」


「うん……それよりもちょっと休みたいけどね……あはは」


 私の言葉を聞き終わる前に花奈は走ってしまった。こうゆう所が花奈のダメな所だと私は思う。自己中っていうか、人の話をあまり聞かない感じがねー。ま、もう慣れたけどさ。


「じゃ、とりあえず私が鑑定で見てみるね」


「ん。よろしく! あまりにも強そうだったら挑むのやめるから!」


 私がいる位置から少し離れた木々の隙間に居る一匹のトカゲのような生物。幸いにもまだこちらには気付いてないので鑑定し放題だ。


「鑑定……」


 最近は常時鑑定にしてないので、とりあえず発動するために小声で呟く。


 コモドドラゴン

 レベル:53

 弱点:水

 スキル:【火炎】【アイアンクロー】


「まじかぁ。やっぱりこのレベルだとスキルとか強そうだなぁ……」


「ん? どうしたの?」


 私は無言で花奈に鑑定結果を見せる。私的には勝てそうな気がするが、いまいち花奈のレベルやらステータスが分からないのでなんとも言えない。


「うん? あぁ。余裕そうだね! じゃ、挑もっか!」


「そういえばさ、花奈ってどれくらい強いの?」


「内緒〜。どうせこの戦いで分かると思うけどね!」


「ふーん。ま、何となく花奈は強そうだし安心だね!」


「さて、準備はいい? いくよ!」


「うん!」


 そして、私達はコモドドラゴンに挑んだ。相手は火を吹き、スキルを存分に使ってきたであろう。それをことごとく花奈が防ぎ、突撃していく。何処から取り出したのか、花奈は刀を使い、一瞬で片をつけてしまった。私の出る幕は一切なかったのだ。


「花奈……強すぎだよ……」


「あはは。ごめんごめん。久々にちょっと強い敵と戦えると思ったらテンション上がっちゃってさ。でも大丈夫! 今からやばい来るからさ。うん。こいつの親がそろそろ……」


 花奈が喋っていると、私達のことを大きな影が包んだ。その事に驚き、私が上を見上げると、そこには、本物のドラゴンが飛び回っていた。


「嘘でしょ? あんなの勝てるの?」


「大丈夫!余裕!」


 花奈の満面な笑みとは違い、私は絶望だった。さっきとは明らかに強さのオーラが違う。

 ぶっちゃけ私の中で勝てる未来が想像出来ない。どれくらい花奈が強いかにもよるが、幾ら強くても一人で勝てるものなのだろうか。


「さてと、あいつに挑発しないと。今回の目的はあいつの素材と経験値! さっ、雪。頑張ろうね!」


「はぁ。ちゃんと私のこと守ってよね」


「私に任せなさい!」


 その後、花奈がドラゴンに向け、魔法を放ち、完全に注意は私達に向いた。

果たして私達はドラゴンに勝てるのだろうか。それはまだ分からない。

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