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ゲームで少女は夢を見る  作者: ねぎとろ
1章 『再会できない姉妹』

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四十一話 「新たなる始まり」

「ん。着いた? あれ? 何この部屋……」

 私たちは、ゲームを始めたはず。とゆうか、機会の音声、ログインまでの手順。そこまでは完璧だった。だが、辿り着いた場所が違う。

「雪? どうしたの? 」

 花奈もそろそろ気付くだろう。この部屋の異常さに。

「お姉ちゃん。どうして、私たち以外に人が居ないの? それに、この部屋真っ白すぎて怖いんだけど……」

 やっぱりだ。これは、皆同じ感想を抱くはず。それほどまでに、静まり返っていて、なおかつ全面の壁が真っ白なのだ。あまりにも異常。


「では、それについて私が説明致しましょう。」

 突如として聞こえてきた声。それは、人の形をしていた。いや、人の形はしているが、この世には存在していない。だが、私たちの前に確かに居る。それは、幻影のように薄らとしていて、触れることは出来ないようだ。


「さて、時間あまりないことだし、説明だけしよう。もちろん、質問は受け付けない。それに加え、君たちが言葉を発するのを禁じさせてもらう」


 なんて理不尽なんだろう。説明には質問も必要。なのに、こいつは私たちの口を封じ、一切喋れなくした。

 いや、厳密に言えば、口は動く。だが、言葉自体を発することが出来ない。故に、喋れず、聞くことしか出来ない人形になっただ。

「ふむ。こうして見ると、なんと酷いことを私はしているのだろうか。まぁ、これも仕事だからしょうがない……うむ。あ、それと、君たちは年越しイベントのためにゲームをログインしたと思うが、年越しイベント自体、人を集めるための口実に過ぎないのだよ。だから、君たちはここに居るってわけ」


 隣を見て、花奈とアイコンタクトを取ろうとするが、もちろんの如く通じるはずもなく、私は一人考えることしか出来なかった。


「ふむ。残り一分か。要らないことを喋ってしまったな。では、そろそろ説明しよう。まず、お前達に最も重要なことを話す。それは、お前達が二度といや、今から始まるイベントをクリアしない限り現実に戻れない。それと、戻ろうとしない方がいい。仮に今からがゲームだとしても、そっちの世界で死んだ場合、お前達の現実の死は確定される。それと、これをクリアする方法だが、隠されたダンジョンを100個クリアすることだ。ちなみに、誰がクリアしても全ての人がクリア扱いになる。それと、君たちのゲーム内ステータスと装備、アイテム、スキルはリセットさせてもらう。これは、全ての人共通だ。まぁ、お前達が今までやっていたゲームと似ている別のゲームと思ってくれていい。後は、いや、時間が来てしまったか。では、お前達はこれからバラバラにさせてもらう。上手くいけば出会うことはあるが、可能性は低いと思った方がいい。それと、今から始まることは、今までのゲームとは少し違うと思った方が良いだろう。それでは、頑張ってくれたまえ」


 それまで黙って聞いていた私たちは、喋っていた者の消えていく背中だけしか見れず、喋ることも未だ出来ないまま何処かへと飛ばされてしまった。

 そして、これにより、折角仲良くなったのにも関わらず、私達はバラバラになり、唯一無二の妹とも離れてしまった。

 次第に視界は暗くなり、私達は離れ離れとなった。最後に見た二人の悲しそうな顔を私は忘れることはないだろう。


 ┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈


「……ん……ここは……あれ? 喋れる。ねえ、花奈!…………あ、そうだ。離れたんだった……」


 そう思うと、途端に悲しくなる。誰も居ない中、現実にも戻れない。これが一人ぼっちだ。でも、この気持ちは二人も同じはず。ならば、やる事は一つ。


「まずは、二人に会わないと……」

 まだエミリがこの世界にいるかは分からない。そんな中、確実にいる二人に会うのが先決だろう。その為には、まず自分のステータスを確認する。あいつもこれはゲームと言っていた。そして、ステータスや装備。アイテムはリセットされたと言っていたはずだ。もちろん、スキルも。

「やっぱり、私も弱くなってるか……」


 スノー


 レベル:1


 HP:10

 MP:10

 スタミナ:10

 STR:10

 VIT:10

 DEX:10

 AGI:10

 INT:10

 LUCK:10

 CHARM:10


 武器:

 頭:なし

 胴:ジャージ

 腕:

 腰:ジャージ

 足:


  アクセサリー:王の指輪


   スキル:


 能力振り分けポイント:100


「ふむふむ。ステータスは共通なのか。でも、今まで無かった振り分けポイントがある。ってことは、あいつが言ってたように、別のゲームとしてやれってことかな。」


 まず第一に称号がなくなっている。それに加え、能力値が全て10。これは、あいつが言ったことを信じれば、全ての人が共通で同じなのだろう。後は、謎の振り分けポイント。これは、どう使えば……


「あれ? このボタンは……」

 ステータスを見ている最中、視界の右端に変なボタンがある。これも、今までのゲームとは違うようだ。

「とりあえず、押してみよ!」

 好奇心が勝ち、押してみた途端、私の前に膨大な数字が現れた。


 生存人数 108560


「えっ? 何この数字。しかも、増えてるんだけど……」


 あまりにもおかしい数字。これが何を意味するのかは分からないが、生存と書いてあるので、きっとこの世界に関することではあるのだろう。ただ、少しずつ増えていってるのが謎だ。

 これは、ただの私の予想だが、ゲーム内の運営による年越しイベントの告知。これを使って、私たちをログインさせ、この世界に閉じ込める作戦。だったのだと思う。だから、数字は増え続ける。きっと、年越し、いや、今日が終われば増えることはないだろう。


「うーん。別のゲームだとしても、なんで王の指輪を私は装備しているんだ? あいつはアイテムも無くなるとか言ってたような気がしたんだけどなぁ……」


 現に、私の薬指には一度も付けたことがない指輪が嵌められている。

「まぁ、貰えるものは貰っとくかぁ……後は、振り分けポイント……どうやって使うんだろ……」

 ステータス画面を適当に指で押してみる。そうすると、何やら、弄れるということは分かった。

「えーっと、とりあえずINTに50を振り分けるっと!」

 どうやら、振り分けポイントはステータスのどれかを押すと、使用するかどうかの選択が出て来る仕様らしい。これで、このゲームも進めれる。後は、花奈と桜に会うだけだ。


 そして、私は自らが居る場所、明らかにおかしい場所。今までは洞窟の中だったらしく、外に出た途端、私は驚愕した。


「嘘でしょっ!?」


 そこは、吹雪が吹き荒れる雪山であった。


 ┈┈┈┈┈┈┈ ❁ ❁ ❁ ┈┈┈┈┈┈┈┈


 本日の雪のステータス


 スノー


 レベル:1


 HP:10

 MP:10

 スタミナ:10

 STR:10

 VIT:10

 DEX:10

 AGI:10

 INT:60

 LUCK:10

 CHARM:10


 武器:

 頭:なし

 胴:ジャージ

 腕:

 腰:ジャージ

 足:


  アクセサリー:王の指輪


   スキル:


 能力振り分けポイント:50

完全に今までとは違う感じです。ステータスの振り分けも違う感じにするので、今までのゲームとは少し違う程度に見て欲しいです……(切実)

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