三十八話 「花奈と遊ぶ冬休み」
今回はゲーム全く関係ないです!
「はっ! 今何時!?」
目が覚め、時計を一番に見る。昨日は、考えすぎた結果、寝るに寝れず、気付けば携帯でゲームをしていた。それ故に、寝落ちである。と、なるともちろん、携帯の充電はなく、時間も確認出来ない。さらには、花奈からもしかしたら、メールが来てるかもしれない。
「ってか、とりあえず着替えなきゃ!」
この際、今何時かよりも、支度を優先する。多分、私の体内時計的には、今はまだ昼になっていないはず。
「はぁ。そういえば忘れてたなぁ……」
今思えば、何故私はこんな事をしたのだろう。
それは、昨日、花奈が家に来ると知ってから、部屋を掃除した時である。寝れなかったのでゲームをする前に掃除をしたのだが、ほとんどの服を捨ててしまったのである。確かに、今の私では着れない服もあったのだが、現状、クローゼットにはほとんど服が入っていない。
「桜に借りるしか……嫌だなぁ」
こんな事になるなら、もうちょっと女子高生らしく服を買うべきだった。いくら、今の学校に友達と呼べる人が居なく遊ばないとしても、服くらいは買えばよかった。くっ……いつもジャージで買い物とか行ってたのがなんか恥ずかしい……
「桜ー!ちょっと借りたい物があるんだけどー!」
いつも通り、階段を降りながら桜に訊ねる。ちなみにだが、今の私の姿は人に見せられない格好。つまりは、下着一枚である。まぁ、現状親もまだ帰ってきていないので、妹と二人だから良いのだが、今日は違ったらしい。
「えっ……」
リビングに居たのは、見慣れた顔。だが、桜ではない。ここで私は、咄嗟に玄関にある時計を見た。時刻は既に十二時を上回っていた。
「あ、やっほー。起きたんだぁ。おはよっ!……って、なんて格好してんの!?」
ありがとう。初めにツッコミを入れないで挨拶してくれて。うん。まさか、花奈がもう居るなんて思わなかったよ。ってか、まだ家を覚えているなんて思わなかったよ。なんていうか、恥ずかしさすら無くなった気がする。
「なんで固まってるの? 早く着替えなさい!」
私は、恥ずかしさよりも、自分のだらしない所を見られたショックで固まっていた。それも、下着姿を全く隠しもせず、ただ呆然と立っている感じである。
「あっ。それより、桜は?」
着替えたくても、桜の服を借りない限り、私は着替えられない。今は桜を探さなければいけないのだ。どうせ、リビングに居なければ、部屋か台所かトイレだろう。
「それより!? 服を着るより、妹を優先するの!?」
どうやら、花奈は驚いているようだ。って、そりゃそうだろう。私でも、同じ場面なら驚くし、ちょっと引くかもしれない。
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「もう、既に来てるなら言ってよ!」
無事に桜も見つけ、嫌々ながら桜の服を借りさせてもらった。偶然にも、身長は同じなので、服自体は着れる。少し、胸の部分があれだが……
「いやいや、メールはしたからね? 電話もしたし、しっかりと桜ちゃんにも言ったよ?」
なんだと……私にそんなメールは……はっ! そういえば充電切れてるんだった……
「とゆうか、なんで下着で歩いてたの? もしかして、いつも家ではあの格好とか?」
うん。そんな訳ないね。いつもジャージですよ。それに、女子力の低い私でも、下着一枚で家をウロウロしませんよ。
「まぁ、とりあえず、私のあの姿については、忘れてくれ。それよりも、私にとって問題なのは花奈。あんたの身体だよ。」
顔や体型はあまり変わっていなく、身長もほとんど伸びていないのだろう。ただ、許せないのが一つある。それは、もちろんのこと、胸の大きさだ。なぜ、身長はちっちゃいのに、胸は大きいのか。ぐぬぬ……ムカつく。
「あー。もしかして、私の胸のこと? 確かに、昔よりは大きくなったよ。あ、もしかして、雪って……」
ここまで言って花奈はクスッと笑いやがった。これは、許されない。戦争だ。戦争の始まりだ。
「嘘嘘。まぁ、胸なんて人それぞれだよ。こんな話は置いといて、今日何して遊ぶ? せっかく三人居るし、楽しいことしようよ!」
こんな話……ま、まぁそうだよね。所詮、脂肪の塊だし。はぁ。楽しい事か……
「楽しい事……桜と花奈の胸を削り取る……」
はっ。つい口に出してしまった。これはやばい……もしも、二人に聞こえていたらどうしよう。
「なんで逃げるの!?」
恐る恐る確認すると、既に私から距離をとっていた。まさか、聞かれているなんて……って、あの至近距離じゃ普通に聞こえるか。
「い、いや、雪ならほんとに胸を削ってきそうな気がして……」
えっ。私ってそんなに怖いやつだっけ? 確かに、胸の話になると少し我を忘れてしまう所はあるけど。
「いやいやいや、さすがにほかの人の胸を削って、皆貧乳にしてしまう計画なんて立ててないよ。だから、安心して今日することを考えよ!」
あれ? 私なんか変なこと言ったかな? 二人がさっきよりも距離をとってる気がするし、さらには、顔が引いてるような……
その後、なんとか弁明をした私は、ようやく二人との距離は縮まった。そして、ようやく今日することを考え出したのである。
「あ、もうお昼過ぎそうじゃん! 早く昼ごはん作らなきゃ!」
既に12時が終わり、1時に突入しかけていた。そこで、妹はお昼ご飯を作りに、私と花奈は何して遊ぶかを考えることにした。
「さて、雪はなにしたい? 私は、普通に服とか見に行きたいんだけどなぁ」
ふむふむ。服か。確かに、そろそろ私も服を買いたい。だが、雑貨も欲しい。部屋が殺風景なのが最近気になり始めている。これは、行く場所は一つだけだな。
「ねぇ、ショッピングモール行かない? そこなら、服もあるし、クレープとかもあったはず!」
私自体はほとんどショッピングモールなんて行かないが、クラスの人が話していたのを聞いた。ほんと、クラスメイトはこうゆう時に便利だ。
「ショッピングモール……うん!そうしよ!」
両者合意の元でショッピングモールに行くことに決まった。妹がなにか案があったかもしれないが、多数決的に私たちの勝ちだ。
「ふーむ。結構早く決まっちゃったなぁ。お昼ご飯まで結構掛かりそうだし……どうする? トランプでもする?」
おもむろにトランプを取り出し、訊ねる。こうゆう時くるいしか、トランプはやらないし、いい案かと思ったが、花奈は私よりも良い物を持ってきていた。
「トランプも良いけど、これ!見ない?」
花奈が取り出したのは、ホラーのアニメだった。正直、ホラーのアニメは、微妙なのも多い。内心私は不安だった。つまらなかったらどうしようと。
だが、私の考えは杞憂に終わった。正直、侮っていた。初めの10分くらいは微妙だったが、その後が凄い怖かった。もはや、隣で花奈が震えていたほどだ。これは、少しの間お風呂に一人で入れないレベルだった。
「ね、ねぇ。花奈。今日は花奈、泊まってくの?」
私としては泊まっていって欲しい。今日寝るの怖いから、花奈と寝たいし。他にも、夜の間お話とかもしたい。
「うん!ちゃんとお母さんとかにも言ったから泊まれるよ!」
やった。これで、今日一日花奈と遊べるし、明日も遊べる。まさか、冬休みになって花奈と遊べるとは思わなかった。
「ご飯出来たから、お皿とかの準備よろしくー!!」
っと、私たちが話している間にお昼ご飯は完成したらしい。妹に言われた通り、私達はお皿の準備や飲み物の準備し、食卓についた。
そして、花奈と桜とショッピングモールで買う物の話をしながら、美味しそうなご飯を食べるのだった。
ただの日常でごめんなさい……




