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ゲームで少女は夢を見る  作者: ねぎとろ
序章 『終わりの始まり』
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四話 「初めての!」

遅くなってすいません。どうぞご覧下さい。

「うわぁぁぁぁぁ、起きる時間間違えたぁぁぁぁ」


 お母さんに怒られた後、ぐっすりと私は寝てしまい、目覚ましをセットするのを忘れてしまっていた。


「これじゃあ、私の予定がぁぁぁぁ」


 実の所、私に友達と遊ぶなどという予定など無い。私の予定は、朝は早くに起きて買い物に行き、その後ずっとゲームをする予定だったのだ。


「まずいぞ……朝の買い物に行けないとなれば、他の家事をやらされるに違いない……どうすればいい、考えるんだ私」


 土日の朝の買い物は私の唯一の役目。それをやんないとなると、他の家事を半強制的にさせられるのだ。まぁ、お母さんの気分が良い時などは別だが。ならば、言われる前に、自分から家事をしようと思った。だが、昼ご飯を作るなどもってのほかだ。絶対に作りたくない。下手くそだし。


「あー……もういいやー……そうだ!ゲームをしよう!」


 寝坊してサボった事実はどうあっても覆せない。なら諦めようと思い、私は現実逃避した。もう、考える時間がもったいないし!


「待てよ? 今思ったらVROでの名前決めてないな。どうしようか……」


 頭に機械を嵌めながら名前を考える。今までは、名前が無かったので本名だったが、やはり本名は嫌だ。しっかりと、VRO専用の名前を決めたいからね!


「うーん。どうしようかなぁ……リリィとか? いやでも、他のゲームで使ったしなぁ……」


 悩み悩んだ末、私は、スノーに決めた。雪見って名前だし、雪を使いたかったからね。


「スノー。承認しました。次回から、スノー様とお呼びいたします。これから、一年間は名前を変えることが出来ません。ご了承下さい」


 機械の説明書を見ながら、名前を設定した。脳の中に、直接機械の音声が届いた。機械の音声が言うには、一年間変えれないらしいが、私には関係ないな。変えるつもりないし。


「よしっ!さっき家の中を見た感じお母さん出掛けてて居なかったし、今の内に……」


 今度こそ、VROを始めようと思い、先程まで寝転んでいたベッドにまた寝転ぶ。


「今日も楽しもーっと!」


 独り言を呟きながらゲームが始まるのを待っている。始まりを待つ間、寝転んでいた私からは見えないドアの隙間。そこから覗いている一人の少女の存在に私は気付くことが出来ないままだった。


「ログイン完了。VROを起動します」

 機械アナウンスが流れ、ようやく始まった。始まる瞬間、少し目を開け、最後に時刻だけ確認しておく。


「くぁぁぁ……着いたぁ!」


 背筋を伸ばし、リラックスする。


「えーっと、確かまだ12時前だから、昼ご飯にはログアウトしないとね!」


 我が家の昼ごはんは基本的に遅い。14時が基本で、遅い時には15時の時すらある。ってことで、私は、14時頃ログアウトすることに決めた。


「時間も決めたし、今日は何しよっかな!クエスト? いや、でもお金必要かな?」


 クエストをやろうと思ったが、まだお金は余っている。使い道が未だわからないのだ。


「あ!装備見てみるか!」


 ステータスメニューから自身の装備を画面に表示した。ちなみに、昨日知ったのだが、画面に表示したステータスなどは、任意で人に見せることが出来るらしい。まぁ、私には関係ないが。


 スノー


 武器:初心者の杖

 頭:なし

 胴:初心者のローブ

 腕:初心者の手袋

 腰:初心者のズボン

 足:初心者の靴


「って、全部初心者装備かよ!しかも、腰なのにズボンなのか……合ってるのか間違ってるのか分かんな……」


 一応、調べた所、腰の部分は主に下半身の装備が反映されるらしい。なんとも分かりづらい。


「ま、でもとりあえず初心者装備でも戦えるし変える必要ないかな!」


 装備を買ってから、クエストを行い、お金を稼ごうと思ったが、辞めることにした。


「今日も普通に戦いで良いかなぁ……」


 歩きながらボーッとしていると、お婆さんに話しかけられた。


「ちょいと嬢ちゃんや」


 VROで初めて話しかけられたことと、基本喋らないのが重なり、話しかけられた瞬間、ビクッと驚いてしまった。


「な、なんですか?」


 人と話すのが得意ではないが、相手はお婆さんだ。普通の若い人よりは話せる……はず。


「心優しそうな嬢ちゃんや、このお婆の話を聞いてくれるかえ?」


 ここで、私の前にクエストを受注するか選べるような表記が表示された。もちろん、ここは受けることにした。元々は、やろうと思ってなかったクエストがふとした瞬間に訪れる。これが、VRゲームの醍醐味か……っと私は思った。まぁ、違うと思うけど!


「別に大丈夫ですよ!」


 クエストが出た時点で、相手はNPC、いわゆるノンプレイヤーキャラクターだ。ゲーム上の人間なので、私は容易に話すことが出来るようになった。まぁ、本当の人間じゃないしね!

「嬢ちゃん優しいのぅ。ありがたや、ありがたや」

 一向に感謝されて、依然として会話が進まない。うーむ……


「お婆さん、私は何をすればいいんですか?」


 これは、強行突破だ。とりあえず私は、会話を一から戻すことにした。


「おっと、すまないねぇ。歳をとると何を言いたいか忘れてしまってのぅ。えっと、何をしてもらうんじゃったかのぅ……あ、そうじゃ!形見の指輪を取ってきてほしいのじゃ。昔、盗まれてのぅ。最近聞いた情報だと、この街を出て、東にある、クリフト洞窟にあるらしいんじゃが、お婆の歳じゃ行けないからのぅ。どうじゃ、やってくれるかの?」


 ようやく、話が進んだ。で、形見の指輪を取りに行くのか……まぁ、それくらいなら私でも出来る気がするな。よし、やろう!


「良いですよ!私が取りに行ってきますね!」


 笑顔で私は返事した。その顔を見て、お婆さんはにっこりしながら、私に笑顔で言葉を返してくれた。


「お嬢さん、ありがとう。待ってるから、気を付けるんじゃぞ」


 そう言って、お婆さんは家に帰っていった。そんな中私は、NPCでも笑顔があるんだなぁ……っと思ってしまった。

「とりあえず、クエスト名を確認するかな。えーっと……」

 メニュー開き、クエストの欄から確認する。

「『お婆さんの大事な形見』か。まぁ、ありきたりな名前だな。普通のクエストっぽいし、サクッとクリアしますか!」

 意気揚々と私は目的地まで、歩き出した。ま、途中で武器屋に寄ったんですけどね。だって、新しい杖が欲しかったんだもん!!


「うへへへへへ」


 街を歩く人の視線を感じる気がする。


「この杖触り心地最高!」

 実は、武器屋で全財産をはたいて私は新品の杖を購入したのだ。その名も、ラブリーステッキ。完全に悪意のある名前だが、デザインが私の好みだった。全財産は失ってしまったことにちょっとショックだが。まぁ、致し方ない。欲しい物は欲しいし。


「よし!この杖でクエストやるぞ!」

 私は、本当に外へと歩き出し、東の洞窟へと向かう事にした。杖を撫でながら。洞窟名なんだっけ? 確か、クリフト洞窟だったよね。うんうん、多分合ってるはず……私の記憶力が正しければ……


「あれが……本当にお姉ちゃん?」


 杖を撫でながら、外へと歩いている私を遠目から見ている怪しい人に私は全くもって気付けず、ハイテンションのままクリフト洞窟に向かって行った。


 今日の最終ステータス。


 レベル:2


 スノー


 HP:25

 MP:58

 スタミナ:102

 STR:1

 VIT:5

 DEX:25

 AGI:12

 INT:101

 LUCK:0

 CHARM:0


 武器:マジカルステッキ

 頭:なし

 胴:初心者のローブ

 腕:初心者の手袋

 腰:初心者のズボン

 足:初心者の靴

これからも、最後にステータスを載せようと思います。ドヤァ

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