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ゲームで少女は夢を見る  作者: ねぎとろ
序章 『終わりの始まり』

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三十三話 「出会いは奇跡よりも必然」

 山に向かい、意気揚々と登り始めた私達。

 結構歩いた頃、段々と足取りが重くなり、会話もほとんど途絶えた頃、桜がボソッと呟いた。

「遠いよぉ……」

 多分、みんなの心の中もこんな風に思っているだろう。ただ、口に出したのが桜というだけ。

「まぁまぁ、確かそろそろだからさ!」

 道を知っている花奈が桜を宥めているが、その必要はあまり無かったようだ。何故なら、私達の右横、道無き道の獣道に小さく佇む祠が見えたからだ。

「ねぇ、あれじゃない?」

 エミリも気付き、指を指す。多分、というか絶対そうだろう。

「やっと着いたの!?」

 桜もエミリの声に反応し、さっきまでの暗い顔から、一気に笑顔になった。表情の変化が凄い。

「んじゃ、とりあえずあそこの祠行くか」

 私たち一行はライカもさんの後に続き、歩き出した。そして、祠に着き、辺りを見渡す。

「んー、転移ワープはどこだ?」

 祠の真正面。大体の祠や、ダンジョン入口には、目に付きやすい場所に転移ワープやらがある。だが、ここはない。とゆう事は、もしかしたら、ダンジョンじゃないのかもしれない。

「ねぇ、ユリナさん。もしかして、この祠の裏にあったりしません?」

 私の言葉を頼りに、ユリナさんが見てきてくれた。そして、私の予想は正しかった。やはり、祠の裏に転移ワープはあったのだ。


 私たち一行は移動し、転移ワープの上へと立つ。私達は5人。ここの転移ワープは小さすぎたようだ。六人だと乗り切らず、分けて乗ることにした。三人が限界。ただ、一番の問題は、ワープ先がどこに繋がっているかだ。例えば、ダンジョンの入口に繋がっていたとしよう。そこに危険が無いという保証はどこにもない。普通のゲームのように、入口に敵はいない。そんな都合の良いことはないのかも知らない。そう考えると、必然的に分け方は変わってくる。


「まずは、私とライカさん、それに花奈で行くよ。残りは、後で来てね」


 転移ワープはその性質上、一度使ったら、一分間は使えない。敵が居なければ一分間は短いが、もしも、敵と遭遇したならば、敵によっては脅威の一分間になるだろう。だから、ライカさんを私達の間に入れる。念のため、強い人が一人は居た方がいい。


「そうだな。その編成が一番合っているかもしれない。一応、私とユリナは分けた方がいいからな。もしかしたら、普通の転移ワープとは違い、再使用までの時間が長いかもしれない。慎重なのは大事だからな」


 ライカさんも私の編成に提案してくれ、さらには、皆に慎重に行けという注意まで促してくれた。


「了解!ライカ達も気を付けてね!」


 ユリナさんも了承してくれ、妹とエミリも頷いてくれている。


「じゃあ、私達が先に行くから、後から頼むぞ」


 そして、私と花奈、ライカさんはワープに乗り、不思議な浮遊感と共に、転移した。

 転移した直後は、まだ浮遊感が続いて気持ち悪いが、敵影がないかどうかの確認のため、周りを見渡す。運がいい事に、敵の影はないが、私達のいる場所は妙な場所だった。私たちの場所からは、玉座が見え、明らかにボス部屋の裏。ダンジョンの最奥の転移ワープの上にいるということ。


「お前ら、少し屈んで歩け。もしかしたら、ボスが居るかもしれない。バレないようにな」


 小さな声で、私たちを導くライカさん。そして、進む前に、ユリナさんからのメールが届いた。その内容は、私達の予想の範囲外。まさかの出来事だった。


『ねぇねぇ、雪ちゃんは今何処にいる? 私たちも割と早く転移出来たんだけどさ、そんなに先に進んでるの? こっちは、ダンジョンの入口っぽいけど、このメール見たら連絡ちょうだい!』


「ライカさん、このメール。なんかおかしくありません?」

 私のメール画面を見せ、ライカさんに訊ねる。もしも、ユリナさん達が、ダンジョンの入口に居るのならば、私達は一体何処にいるのだろう。明らかに場所が違う。こんな事はあるのだろうか。

 ふとその時、私たちの数m先から、声が聞こえてきた。と、同時に、異常な量の霧が噴出された。

《 我が身は王の身。我が声に反応し、顕現せし我が眷属よ。我が願いのために尽力を尽くし、反対する者を滅ぼし喰らえ。世界を我が物にするために、非力な人間共を駆逐しに往くがいい! 》


 その声に反応するかのように、霧は止み、魔物の大軍が現れた。明らかにおかしい。そして、この状況は、非常にまずい。私たちの存在がバレたとなれば、魔物に加え、まだ見えぬボスと戦うはめになる。

「おい、とりあえず、絶対に声を出すな。そして、出来るならば、動かず、じっとしていろ」


 ライカさんにも見えていたらしく、私たちの動きを抑制する。ただ、運がいいことに、私達の存在には気付いていないようだ。その証拠に、魔物達は、凄い勢いで私たちの逆方向にある扉から、次々と出ていく。


《まて、お前達の中から、数人の手練を選べ。どうやらこの部屋にもネズミが紛れ込んでいるようだ。私が直々に始末したいところだが、お前らの力も試しておきたい。故に、三人ばかりの手練を寄越せ。他は全て私の命令通りに動くがいい》


 どうやら、ボスにはバレていたらしい。まぁ、さすがにそこまで私たちの運は良くなかったようだ。幸いにも、敵の数を少なくすることができて助かる。


「雪。敵が少なくなって、少し安心しているように見えるけど、もしかしたら、この状況の方がやばいかもしれない。現状、私達は三人。それに対し、相手は手練の敵を含め、四体。これは、非常にまずい。幾ら言葉通り、ボスが動かなければいいけど、さすがに信じきるのはダメだと思う。」


 確かに、花奈の言うことは正しい。私は少し安心しきっていたかもしれない。ボスの言うことを鵜呑みにし、敵が少しでも減ったことに。でも、一つ言えるのは、私達は四人だと言うこと。私には 【キアラン召喚】がある。ただ、それにも問題がある。それは、この魔法が私以外の人にバレても大丈夫かどうかだ。なんとなくだが、この魔法は知られてはいけない気がする。話題にされたりして、リスクになるのは避けたい。


「おい、雪。あまり、深く考え事をするな。考えるのは良いことだが、今の状況が状況だ。

 だが、今言えることはボスはまだ、私たちの完全な居場所に気付いてない。それは、その間ならば、相手に先制を仕掛けることが出来るということだ。花奈には、単体系の一番強い魔法を使ってもらう。雪には、相手を動けなくする、出来れば範囲魔法を使ってほしい。無ければ、範囲攻撃でもいい。頼むぞ!」


 ライカさんは、背中に掛けてあった武器を取り、構える。私は言葉通り、魔法の中から、一番合っているものを選んだ。それを最大出力で溜める。


「じゃあ、行くぞ!!」

 ライカさんが先制を取るために走り出し、敵を定め、後ろから武器を振り上げる。だが、私の先制は、まさかの防がれてしまった。

「くっ……まさか、ここまでの力とはな……」

 私たちの前方には、振り下ろした剣を片手で抑えられている。

「だがな、私はお前らも聞いていた通り、戦わない。お前らの相手は、こいつらに任せるのだよ」

 相手が振り返り、ボスの全貌が明らかになる。それは、私たちの予想していた通り、いや、願っていた通りの相手、リビングアーマーだった。

ぬふふ。プロット全然作成できませぬなぁ

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