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ゲームで少女は夢を見る  作者: ねぎとろ
序章 『終わりの始まり』

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34/86

三十二話 「作戦開始!」

 ユリナさんが居なくなり、少し経った。既に皆ステータスを見終わり、雑談やらをしている。これだと完全に女子会だ。ちょうど、ライカさんが喋ろうとした時、ユリナさんは帰ってきた。なんというか、喋り出しのタイミングバッチリで。

「たっだいまー!」

 ユリナさんの声が大きすぎた結果、ライカさんの声は掻き消されてしまった。

「チッ……」

 なんだろう。近くにいた私にだけ聴こえたが、密かに舌打ちをしていた気がする。

「あ、ユリナさん!おかえりなさいです!」

 ライカさんの不機嫌な顔に唯一気付いていない、妹の桜だけがユリナさんに挨拶をしている。

「ん!桜は可愛いなぁ」

 一番に返事してくれたのが嬉しかったのか、桜の頭をなでている。さすがに、誰か他の人も話し出さなきゃいけない。もちろん、ここは、私が……

「私たちに渡す物って何ですか?」

 私が喋るよりも先に、花奈が聞いてしまった。

「あ、それはね!これだよ!」

 自信満々に袋から出してきたのは、何着もの服や防具。それを見て、私達は声を上げるが、ライカさんだけは驚いていた。

「ちょ、おまえ、それどうしたんだ!?」

 どうやら、どれもこれも、昔ライカさんが作った物だったらしい。

「んー。前ライカも言ってたじゃない。この服とこの防具は要らないから、あの子達にあげるって」


「いや、そりゃ言ってたけど、それなら先に言ってほしいよ。突然過ぎてビックリしたわ」


「ごめんごめん。次からは気を付けるよ」

 二人の会話に入れない私達は、呆然と見守っていた。喧嘩にならないように。

「まぁいいや。とりあえず、あいつらには私がコーディネートするから、任せろ」

 どうやら、話は済んだっぽい。ライカさんが服を取り、おもむろに私たちに合わせていく。

「って、早!コーディネート早すぎ!」

 一番最初に私をコーディネートしているライカさんを見て、エミリが、驚きの声を上げている。

「よし!完成!ちょっとステータス見てみ!」

 私のコーディネートを終わらせ、活き活きとしている。そして、次の標的を定め、服と防具を持ち向かっていく。

 もちろん、その間に私は言われた通りステータスを見てみる。


  雪見


 レベル24

 HP:87(48)

 MP:242(118)

 スタミナ:240(160)

 STR:1

 VIT:10

 DEX:96(50)

 AGI:15

 INT:308(202)

 LUCK:0

 CHARM:0


 武器:マジカルステッキ、氷剣

 頭:レディカルマスク

 胴:漆黒のローブ

 腕:業火の魔封じ

 腰:冷気の灯火

 足:メイディックシューズ


  アクセサリー:王の指輪


   スキル:【ウインドカッター】【ダークバインド】【ファイヤーボール】【サンダーボルト】【ダークレイン】【フレイム】【ブリザードアロー】【氷雪】【ダークレイズ】


  称号: 【魔術王の子孫】 【王の力】


 魔術王の子孫:intとMPがレベル×3上がる


 王の力:自分の召喚した者の能力が上昇する。


 なんだろう。足とか、服とか、頭装備は分かるんだけど、腰と手が分からなすぎる。絶対これ適当に名前付けただろって感じの名前。

「あのー、この【業火の魔封じ】っていう手袋、なんの意味が……」

 ステータスの表記は大体わかる。多分、カッコの中が元の数字だろう。うん。それくらいならわかる。そして、服だけあって、防御力はあんまり伸びていないのもわかる。

「あー、それは、エミリとユリナがな……その、作った時に勝手に名付けたんだ……すまん」

 やっぱそうですよねぇ。まぁでも、この装備のおかげでステータス自体は凄く上がっている。多分、結構いい素材やらを使って作ったのだろう。それも、私達のレベルだと絶対倒せないような敵の素材とか。

「ふぅ。とりあえず、全員終わったな。私とユリナは別に何もしなくていいし、満足満足」

 私が見渡す限り、皆服が変わっていた。桜に至っては、完全に女忍者、即ち、クノイチになっている。

「うーん。とりあえず、これでステータス的には大丈夫かなぁ……」

 ユリナさんが皆を凝視しながら呟いている。でも、どうやってステータスを見ているのだろう。

「ん? どうしたの?」

 私の視線に気づいたのか、笑顔で訊ねてくる。

「いや、どうやってステータスを見てるのかなぁって思って……」


「あー、それね。えーっと、私ね、自分特有のスキルがあるの。なんか、最初からあったんだけど、【看破】っていうスキルで、どんな相手のステータスでも見れるのよ。もちろん、スキルとか、防具名とかは見えないけど、ステータスの数値とレベルだけはね完璧に見えるのよ」

 ふむ。そのスキル欲しいなぁ。でも、固有スキルだから手に入らないっぽいし。羨ましい……

「よし、とりあえず防具は与えたし、これで少しは戦えるだろう。とりあえず、作戦を決めるからな」

 肝心のユリナさんとライカさんのレベルとかは聞いていないが、多分、私の勘だと、相当強いはず。

 それから、皆で円卓のように集まり、作戦会議をした。作戦というよりも、単純に私とユリナさんと花奈が援護で、エミリと桜とライカさんが前衛で戦うという作戦だ。意外にも、花奈が魔法職ということに気づけたのは良かった。


「さて、行くか!」

 作戦も決まり、あとは、肝心の敵を見つけるだけ。ただ、何処に出てくるか分からない。出没場所が不明なのだ。

「とりあえず、私と雪が戦った場所行ってみます?」

 エミリがライカさんに訊ねているが、少し不安そうな顔をしている。何故だろう。

「お前らが行ったダンジョンあるだろ? あそこな、前私たちも行ったんだが、敵の強さが普通の比じゃないんだ。多分、お前らだと瞬殺されると思う……」

 へぇ。そんなに強かったんだ。あそこの場所。私達は敵と出会わなかったから分かんなかったけど、とりあえずラッキーだったってことなのかな?

「あ、そういえば、私が昨日居た山の山頂近くに祠があったんですよ。しかも、転移ワープがあったんで、多分、ダンジョンだ思います。それに、隠されてる感じなので、誰も攻略してないかと……」

 なんだと……私は全然気付かなかったぞ。やっぱり、走ってると周りに目がいかないものなのか……うーむ。なんか悔しい。

「じゃあ、そこに行ってみるか。お前らもそれでいいか?」


「大丈夫です!」


「私も大丈夫ですよ!」


「だ、大丈夫です!」


「んじゃ、行こっか」

 私達は歩き出した。とゆうか、今気付いたけど、一人だけ返事してなかったような……

「なんで皆サラッと私の事いない存在として扱うの!? 特にライカ!」

 やっぱり、ユリナさんでしたか。なんか、この人いじられ役っぽいもんなぁ。反応可愛いし。

「ごめんごめん。ユリナも行くぞ」

 ユリナさんの元へと赴き、ライカさんは手を握り、一緒に歩き出した。なんとなくだけど、ユリナさんは嬉しそうな顔をしている。

 こうして、グダグタな私達の、イベントボス攻略作戦が始まった。

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