表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームで少女は夢を見る  作者: ねぎとろ
序章 『終わりの始まり』
32/86

三十話 「仲良し!」

うーん。一応更新!

 花奈と一旦別れた後、私はギルドへと走っていた。花奈とどれくらい話していたかは分からない。エミリに話をした後、妹を連れてくる。そして、花奈も交えて話す。だが、エミリ達がまだ居るのかが心配だ。とりあえずまだ居るのかどうかの確認もしなければならない。


「そろそろギルド見えるはず……!」

 花奈と居た山は向かった時は気付かなかったが、割と高い山だったらしい。向かっている時は無我夢中で走っていたから全く気付かなかったけども。

「あれ? ギルドの前に人がいる?」

 結構暗くなってきて、ギルドの光は目立っている。そんな中、ギルドの前に人間の影が見える。

「誰だろ……怖いなぁ……」

 意外とビビリな私は、少しギルドに行くのを迷っていた。

 もし、これが幽霊の類だとしたら相当やばい。しかも、ゲームの世界ならば有り得る話なのだ。

「もしかして、雪?」

 ふと、ビビって逃げようとしている私の背中に声が聞こえてくる。

「もしかして、エミリ?」

 声の様子からして、エミリだろう。ただ、今どきの幽霊が若しかしたら化けているのかもしれない。

「雪ーーー!!!!」

 エミリらしき人物は私に突っ込んできた。だが、私はまだエミリだと信じていない。もちろん、避けるに決まっている。


「いったぁ……なんで避けるの!?」

 私が避けた後、エミリは勢い余り、地面へとダイブした。うん。これは、本物だろう。なんか、そんな気がする。

「で、なんでこんな所で待ってた理由?」

 一応理由を聞いておく。ホントに私を待っていたのならば、申し訳なさすぎる。

「えっ。そんなの、雪を待ってたからだよ?」

 やっぱりかぁ。って、今気付いたけど、エミリっていつから私の事雪って呼んでたっけ……

「あー。ごめん。私、つい、話したかった人と話し込んじゃって……」

 申し訳無いことしたなぁっと思いながら、私は俯く。

「ううん。大丈夫!そんなに待ってないから!気配察知で何となくそろそろかなって思って、外に居ただけ!それに、上手く、話が出来て良かったね!」

 なんだ、ずっと待ってなかったのか。でも、私を歓迎してくれた。なんか、それだけでも私の心は嬉しさで溢れそうになる。そして、なんだろう。この気持ち。花奈を優先して、あの時、話を聞かなかったのに、今はこうして、一緒に喜んでくれている。

「どうしたの?」

 私が少し泣きそうなのを見て、エミリは心配そうに見てくる。

「ううん。ちょっと思い出し泣き!」

 顔を服で拭い、無理やり隠す。

「そう? まぁ、無理しないでね!泣きたくなったら、私の胸を……」

 ぐぬぬぬぬ。エミリの胸……私より大きい。あれ? なんか、ムカついてきたなぁ。

「ど、どうしたの? 今度は、私の胸を凝視して……は、恥ずかしい」

 後ろを向き、私の視線から外れようと頑張っている。

「って、こんな事してる場合じゃない!エミリ!まだ、ユリナさんとか居る?」

 一応、妹と花奈を合わせるのに、ユリナさん達が居た方がいい。

「うん!まだギルドに居るよ!ただ……お酒で少し……ね」

 ふむふむ。酔っ払っていると……うわぁ、面倒くさそう……でも、合わせなきゃだしなぁ。

「まぁいっか!じゃあ、エミリにも合わせたい人が居るから、ギルドの中で待ってて!すぐ呼んで行くから!」


「えっ!?わ、分かった!」

 突然言われたことにエミリはビックリしていたが、頷いてくれた。これで、私は一旦ログアウト出来る。

「じゃ、また後で!」

 それだけ言い、私はログアウトして妹を呼び、花奈にはメールすることにした。


「桜ー!!!」

 自分の部屋を出て、勢いよく階段を降りながら妹を呼び寄せる。今の時間的に、部活も終わり、帰っているはずだ。

「桜!居る!?」

 リビングを見て、問いかける。

「どしたのお姉ちゃん?」

 なんと、妹はリビングで呑気にお菓子を食べていた。

「そのお菓子……私も食べる!!」

 あれ? なんか、言うことあった気がしたけど……ま、お菓子食べてからで……

「って、それよりも、桜に合わせなきゃいけない人が居るから!ゲームにログインして!今すぐ!!!」

 自分もお菓子を食べる手を止め、また自室へと戻った。花奈にメールしなければならない。

「えーっと、こんな感じの文でいいかな」


『今から、合わせたい人が居るから、ギルドの前に集合!』


「うーん。まぁ、これで、伝わるよね!」

 きっと、花奈には伝わるだろう。実際、ゲームをやっていないなら、ちんぷんかんぷんだと思うが。

「よし、私も一旦ゲームにログインしなきゃ!」

 花奈からの返事を待たずに私はもう一度ゲームへと向かっていった。


「あ、雪!意外と早かったね!」

 私がログインして早々、エミリが目の前に立っていた。

「あ、うん。まさか、待ってるとは思わなかったよ」

 正直、怖かった。めちゃくちゃビビりましたよ。

「で、合わせたい人って誰ー?」

 むむむ。今言ったらつまらない気がするぞ。ここは、上手く……

「あ、お姉ちゃん!合わせたい人って誰!?」

 まさかまさかの、妹が登場した。うん。これは、もうダメだ。

「むむ!貴方は一体……」

 妹がエミリに気付き、少し警戒する。やはり、初めての人と会うと誰でも警戒するのだろうか。

「うーん。この人は、私の知り合い? 友達? ま、パーティーを組んでる人だよ」

 念のため、妹に伝える。とゆうより、今気付いたのだが、私はいつの間にかエミリと普通に喋れるようになっていた。まぁ、気にすることではないのだが。

「え、そうなの!? ご、ごめんなさい!」


「いやいや、謝らなくて大丈夫だよ!こちらこそ、ビックリさせちゃってごめんね!」


「いや、私が悪いんです!」

 この問答いつまで続くのだろうか。今や完全に私は蚊帳の外。と、その時、不意に方を叩かれた。

「ん? 誰?」

 後ろを振り向き、確認しようとすると頬を指で突かれた。

「雪!やっほ!」

 やっぱり花奈だった。なんか、さっきよりも、元気になり、前みたいな感じになっている。

「花奈だー!来てくれてありがと!」

 もしかしたら、花奈が来ないかもしれないというのは杞憂だったようだ。

「どうもどうも、はじめまして、花奈です!よろしくお願いします!」

 早速、エミリに挨拶し始める花奈。ほんと、そうゆう所が羨ましい。

「私はエミリ!よろしくお願いしますね!」

 二人は割と仲良しになれそうだった。安心安心。

「え!お姉ちゃんいつの間に、花奈ちゃんと仲良くなってるの!?」

 妹としては、つい最近まで仲が悪かった私たちが随分と変わっていることに驚いているようだ。

「ま、気にしないでいいよ!それよりも、桜も花奈と仲良くしてあげてね!」


「あったりまえじゃーん!花奈ちゃん可愛いから好きだもんね!」


「全くあんたは……」

 私たちが話していると、不意に視線を感じた。その正体は、もちろん、二人。私たちを見て、何か喋っていたようだけど、全く聞こえなかった。気になるが、諦めよう。

「で、ユリナ達はまだ中に居るの?」

 エミリには紹介し終わった。あとは、ユーリさんと店主さんだ。

「んー。今日はもう帰ったみたい!でも、明日話があるから、雪を呼んどいてって言われたよ!」

 そうかぁ。もう帰っちゃったか。うーん。でも明日に会える……妹は多分、大丈夫としても、花奈が大丈夫だろうか。用事とかなければいいけど。

「花奈は、明日用事とかある? なければ、会わせたい人が居るんだけど……」

 担当直入に聞いてみる。何よりも一番手っ取り早い。

「えーっと、朝は無理かなぁ。午後から夜までなら大丈夫だよ!」

 ふむふむ。あと聞くことはあれだけだ。

「エミリは大丈夫なの?」


「うん!大丈夫だよ!それに、ユリナさん達が来るのって、夕方くらいだから問題ない!」

 ほっ。良かった。これで、明日も皆と会える。

「じゃ、今日はみんなログアウトしよっか!」

 そろそろ夜ご飯の時間だし、私達はみんなログアウトすることにした。


「で、あんたはもちろん、明日大丈夫だよね?」

 念のため、妹にも聞いておく。

「もっちろん!明日はフリーだよ!」


「なら良かった。じゃ、夜ご飯作ろっか!」

 私達は二人台所へと向かい、ゲームの話をしながらご飯を作り始めた。

 そんな中、私は明日にも皆と会えるということが何よりも楽しみだった。話せる人が居るのがこんなにも良いと思える日が来るなんて……私はとても嬉しくなり、ハイテンションになりながら、人参の皮を剥くのだった。

最近、書くのがむずくなってきた……あと、バイトが少し忙しいので、次の更新は、火曜日の夜になると思います!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ