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ゲームで少女は夢を見る  作者: ねぎとろ
序章 『終わりの始まり』

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ホワイトデー特別編!

よろしくぅ!

 前回の怒涛のバレンタインが終わり、一時の平和が訪れた。が、時は三月。三月といえば、バレンタインのお返し、ホワイトデーという重大なイベント。もちろん、私と、花奈、それに女子達は共にお返しを事前に用意し、交換する予定だ。えっ? ホワイトデーは男子からお返しを貰う日? そんなの知らない。私達にとっては、交換イベントなのだ。

 そんな大事なイベントの日。私と花奈は、いつも通り学校へと向かっていた。


「はぁ。雪ー。私、どうすれば良いんだろ…… 女子全員分のお返し用意してないんだよね……時間なくて……」

 どうやら、話を聞く限り、花奈は全部手作りのようだ。ちなみに、私は、ほとんどが市販品だ。だって、作るのめんどくさいし。

「ま、大丈夫でしょ!……で、何個足りない?」

 もし、一個足りないならば、私の分を後回しにしてもらおう。ぶっちゃけ、私は要らないし。

「うーんと……一つだけ足りないの。特別な人の分を多くしたら……足りなくなっちゃって……テヘヘッ」

 なんだこの可愛い生物は。でも、一つかぁ。うーん。特別な人の分を多くしたらしいし……もしかして、私かな? いやいや、でも、うーん。

「おーい。雪さーん? そんな難しい顔してどうしたの?」


「あ、ごめん!ちょっと考え事してた!!」

 考えすぎて、周りを見てなかったせいで、目の前にいる花奈に気付かなかった。まさか、あんなに近くにいるなんて……

「うーん。一つだけだったら……コンビニで買う?」

 学校の近くにあるコンビニを指差し、花奈に尋ねる。今日は、早めに家を出たので、まだまだ時間には余裕があるし、コンビニで買っても問題は無い。

「まぁ、それしかないよねぇ。渡さないってわけにもいかないし……」

 全部手作りの予定だった、花奈は少し残念そうにしている。なんだろう。私はほとんど市販品なのだが、ちょっと私まで手作りにすれば良かったと思えてきてしまう。



「ねぇ雪ー。雪って、どうゆうの買ったー?」

 私がまた考えてるうちに、花奈は一人コンビニへと入り、物色していた。私的には、花奈がどうゆうのを作ったのか気になるのだが、楽しみにしておきたいから聞かないでおく。

「えーっと、ここには売ってないけど、クッキーと、チョコと飴? とか、なんか色々買ったよ!」

 昔、ホワイトデーのお返しにあげるべき物とかそんな感じのヤツをネットで見たけど、とうに忘れてしてしまい、今じゃ自分が美味しそうだなっと思う物を選んでしまっている。自分でたべないのに……

「ふーん。じゃ、私も適当にクッキーでいっか!」

 ホワイトデーのキャンペーン的な棚から、一つクッキーの袋を取り、レジへと進んでいく。

「私も、自分用に買おうかな……」

 クッキーやら、チョコやらを見ていると、どうも欲しくなってしまう。小声で呟き、いつの間にか、私までもレジへと進んでいた。ホワイトデー、恐るべし。


「ふぅ。これで、学校に行けるよ。ありがと!雪!……って、なんで雪まで買ってるの?」

 どうやら気付いてしまったらしい。私の片手にある、コンビニの袋の存在に。

「え、えーっと、今から花奈と食べようかなーって思ったからかな?」

 まさか、自分用とは言えない。今から、大量に貰えるのだから、ぶっちゃけ買う必要ないのだから。

「ほんと!? やった!!早く食べよ!!」

 目を輝かせて、喜んでくれている。ぐぬぬ。これで、本当のことが言えなくなってしまった。

「ま、しょうがないよね」


「ん? なんか言った?」

 私の独り言に反応して、花奈が聞き返すが、まぁ、ここは普通に受け流し、花奈の口へと購入したクッキーを放り込んでおいた。これで、黙るだろう。

「ほへっ……って、美味っ!!!!もっともっと!!」

 なぜだ。まさか、親友を動物のように扱う日が来るなんて、私は思ってもみなかった。私の前で口を開けて待っている花奈を見るまでは。



 お菓子も食べ終わり、ようやく私たちは、教室へと出向いた。もちろん、ドアの前で、深呼吸をする。これは、恒例だ。何故なら、

「おっはよー!!!!」

 私たちがドアを開けるよりも早く、クラスメイトの女子たちが群がってくるからである。

「お、おはよう……相変わらず、元気だね」

 花奈も少し引いているが、もちろん、私も引いている。

「それよりも、まだホームルームには時間あるし!」

 今から、私たちの前に立つ女子が言いたいことは予想出来る。うん。ま、考える事でもないけど。

「『「 さぁ!ホワイトデーのお菓子を!!!」』」

 はぁ。やっぱり女子って怖い。


「ふぅ。雪ー。今日も疲れたねぇ」

 波瀾の朝を終え、無事に私たちは、お菓子を配り、貰った。既に、カバンはパンパンだ。

「そうだねぇ。こんなに食べ切れるかが心配だよ」

 カバンに視線を移し、少し溜め息をつく。

「ま、そんな時は、私が食べるから!」


「ドヤ顔してるけど……太るよ? ただでさえ、最近……」


「やめて!そんな目で私のお腹を見ないで!!」

 全力でお腹を隠しているが、多分、花奈は太ったはず。相変わらず、スタイルは良いけど……

「ま、頑張って、自分で食べますよっと」

 カバンを持ち、帰る姿勢へと入る。わざわざ、放課後に学校に残る意味もない。どうせなら、家でゴロゴロしたいし。

「私も帰るー!!」

 二人で、仲良く教室を出て、校門へと向かう。

「今日も、雪の家行くね!!」


「全く。自分勝手だなぁ」

 夕日に照らされながら、私たちが歩いていく姿は、傍から見たら姉妹のようであろう。心の中で私は一人思っていた。


「たっだいまー!!」

 まさかの、私より先に、花奈が挨拶。いつも通りといえばいつも通りだけど。

「あら、いらっしゃい。ゆっくりしていってね」

 さも当たり前のように歓迎するお母さんもお母さんだよ。

「あ、花奈さん!」

 妹までもが……

「我が妹よ、これをやろう」

 なんだその口調は。しかも、それは私の妹だ。

「えっ? これって……ホワイトデー!? ありがとうございます!」

 ぐぬぬ。誰も、我が妹に反応しないなんて。

「ふっふっふ。では、私は上にゆくのでまた後でな」


「花奈は一体何の真似をしているの?」

 後ろから、ツンツンして聞いてみる。

「うーん。ノリかな!」

 はぁ。意味分かんないや。

「じゃあ、お母さん!私も上にいるからーー!!」

 階段を上がりながら、一応お母さんに伝えておく。

「はーい!喧嘩しないようにねー!」


 階段を上がりきり、私たちは、部屋へと入った。

「じゃ、雪!早く、ちょうだい!!

 部屋に入ってすぐのことだ。花奈が私に手を向け、お菓子を貰おうとしている。

「えー。一緒に渡し合いしようよー」

 先に私だけあげるのもなんか恥ずかしい。ここは、やっぱり二人一緒じゃないと。

「しょうがないなぁ。じゃ、はいこれ!」

 みんなに渡していた物よりも一際大きく、箱も良いものを使っているのが目に見えて分かる。

「私もこれあげる!」

 お互いに渡しあって、中身を確認した。


「相変わらず、花奈のは凄いね……」

 中身を見て思ったのが、私のよりも断然出来が良いことだ。これじゃぁ、私のが少し恥ずかしい。

「そんなことないって!雪のも可愛いよ!」


「お世辞とか良いから!!」


「お世辞じゃないのになー。ま、いいや。食べよっと!」

 私の目の前で、私の手作りを食べている。もしも、不味かったらどうしよう。段々と不安になってきた。

「美味しい!ありがと雪!」


「わっ!!」

 なぜ、女子というものは、抱きついてくるのだろうか。まぁ、可愛いから良しとしよう。うん。それがいい。


「あ、もちろん、今日も泊まってくからよろしくね〜」

 えっ。三日目前に泊まったのにまた家に泊まるのか。私は嬉しいけど、花奈の家族はどうなんだろ。

「花奈の家は大丈夫なの?」


「大丈夫大丈夫!もう言ってあるから!」

 どうやら、事前に家の親にも言っていたらしい。全く、こうゆうのは早いんだから。

「しょうがないなぁ。今日も同じベッドで寝てあげるよ」


「やった!雪、大好き!!」


「そうゆうのは、友達に言うな!」


「もしかして〜、雪、照れてる?」


「うるさい!バカ!」


 夕日も沈み、私たちのホワイトデーも終わりを迎えてきた。花奈と私が仲良くいられなくなる時が来ることを私と花奈はまだ知らない。まぁ、そんな事よりもとりあえず、この時の二人は仲良くホワイトデーを終えることが出来たのが何よりも嬉しかったのだった。

次のイベントとかも頑張りたいですなぁ

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