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ゲームで少女は夢を見る  作者: ねぎとろ
序章 『終わりの始まり』

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二十話 「洞窟探索?」

ふぅ。今回も無事更新!

 奇妙な殺人者を倒した私達。復讐のためにもう一度襲われないためにも、少し休んだ後に、洞窟内を進んでいた。

「あの人、怖いし気持ち悪かったね。今思い出しても、キモイ……」

 妹は百足っぽい見た目になった相手を思い出すと今でも身体が震えるようだ。そんな時、ふと前から物音がした。多分、モンスターだろう。

「やっぱり……」

 私の予感通り、前からはようやく普通のモンスターが現れた。鑑定してみた感じ、それはレッドゴブリンというモンスターだった。私達の前に居るレッドゴブリンは普通に戦うとただの雑魚モンスター。私たちでも容易に勝てる相手だ。ただ、大事な事が一つだけある。それは、ゴブリン種の数だ。

「やっぱりゴブリン種は多いなぁ……」

 元々私たちの前には一体のレッドゴブリンしかいなかった。が、私たちが少し目を離した隙に、どこから現れたのか、膨大な数になっていた。既に数え切れない数だ。

「お姉ちゃん。これ、私には無理かも……私の攻撃、単体攻撃だから、範囲に向いてないんだよねぇ……」

 レッドゴブリンの数を見て、妹が声を漏らす。正直な話、私の魔法でも全員倒せるかどうかだ。

「ま、とりあえず、私がやってみるよ。あんたはそこで見てて。危ないから、近寄っちゃダメだよ!」

 妹を後ろに追いやり、今にも飛び掛ってきそうなレッドゴブリン達の前に立つ。

「お姉ちゃん、頑張って!」

 後ろから妹の声援が飛んでくる。それと同時に私は一番の範囲魔法である、ダークレインを準備。濡れるからあまり使いたくないが、先ほどの戦闘で既に私は濡れてしまっている。故に、私は濡れることを気にせず、魔法を放つことが出来る。

「溶けなさい! 【ダークレイン!】」

 今回は、ちょっとカッコよく言ってみた。個人的に今のは凄くカッコイイ。今度からもこの言い方にしたくなる程だ。肝心の周りの目は全く気にしない。自分がカッコよければそれで良し!

「おっ。やっぱりこの魔法、範囲には強い。まるでゴブリンがゴミのようだ!」

 これは、普通に言いたかっただけ。そろそろ、黙っている妹の存在が気になるが、振り向いたら負けだ。絶対に、引かれてるだろうし、嫌だ。

「グギャギャッ!」

 私のダークレインすらも乗り越えてきた、レッドゴブリンが近付いてくる。これはまずいぞ。私だと魔法を打つのに少々の時間が掛かる。このままだと、殴られてしまう……っと、そんな時、私の前に素早く出てくる者がいた。


「全くお姉ちゃんは、調子に乗るとダメなんだから!」

 その人物はもちろん妹だ。って、この場所には私と妹しか居ないわけだし、妹以外有り得ないんだよね。そんな事よりも、先程まで見ていた妹の行動が凄い。今では、私の魔法で大半が削れたレッドゴブリンを蹂躙している。

「これじゃ、上手く魔法打てないじゃない……」

 妹が早く動きすぎると、上手く魔法が使えない。間違えて誤射してしまった場合が怖すぎる。多分、パーティーメンバーだからダメージは受けないだろうけど、主に妹が怖い。うん。現状、妹だけでも余裕で勝てそうだし、私は介入しなくていい気がする。



「ふぅ。終わったぁ。いやー、疲れたぁ」

 ようやく全てのレッドゴブリンを倒し、地面に腰を下ろす。さすがに、少し休まなきゃ動けない。まぁ、私は最後の辺り、見てることしかしてないから余裕で動けるんだけどね。

「私さ、あの量の敵と戦ってて思ったんだけど、無双ゲームしてる気分だったよ……」

 そりゃそうだろ。いくら私が減らしたとはいえ、割とまだ居たはずだ。それでいて、レッドゴブリンは大して強くない。妹が無双していてもおかしくないからね。

「さて、そろそろ行こっ!」

 今にも寝転びそうな桜の手を取り、またも洞窟内を歩く。


 私たちが歩いてきた、洞窟は今のところ一方通行だから進むのが簡単だが、今のこの状況はどうしようもない。

「お姉ちゃん、どこにする?」

 私たちの前に広がるのは、三つの通り道。どの通路も、幅などは同じで、私たちでも余裕で通れるだろう。

「うーん。どこ行っても怖いなぁ……」

 私の勘だと、この三つの中に、一つは罠があるはず。それが怖いのだ。モンスタートラップとかだったら嫌だし、逆に落とし穴からの串刺しとかも嫌だ。

「お姉ちゃん、難しい顔してどうしたの?」

 私の顔をのぞきこんでくる桜。この状況で、何も考えてないなんて、我が妹ながらやばい。

「お姉ちゃん、そんなに考えてもあまり変わんないと思うし、勘で行こうよ!」

 その勢いのまま、妹に手を引っ張られ、一番右端にあった、通路に連れてかれる。

 だが、この通路はすぐに終わった。

「これは? ボス部屋かな?」

 重厚な扉が通路の奥に佇んでいて、呆気ない終わりだった。

「とりあえず、入ってみよっか!」

 ほんと、妹は気楽なやつだなぁ。ま、私も入ってみたいし、いっか。

 私たちが開けようとした扉は割と重かった。とゆうか、二人で押しても開かない。とりあえず、鑑定してみる。扉に効くかどうかは不明だけど。


「えっ。まさかの、レプリカ!?」

 ぐぬぬ。せっかくの試行錯誤が無駄になってしまった。そりゃ、押しても引いても、スライドさせてみても開かないわけだ。

「えー!レプリカなの!?……ところで、レプリカってなんだっけ?」

 まじかよこの妹。レプリカ分かんないとかやばいよ……。

「レプリカってのは……」

 とりあえず、妹にレプリカについての説明をしながら、来た道を戻る。しっかりと戻ることは出来たが、これでまた振り出しに戻ってしまった。

 私たちは、残った二つの通路を前にして、どちらに行こうか、懸命に悩むのだった。

ちょっと最近妹出すぎな気がするので、本来の雪の目的に合わせてストーリーを進めていきたいですね。

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