二話 「初めてのVR」
一応、主人公はVRゲームを初めてという設定にしときました。ちなみに、主人公TUEEEEになると思われます
「ほぇー。ここがVRの世界かぁ……」
私のまっすぐ前に見えるのは、日本でいうと、中世ヨーロッパの時代だ。とか言ってるけど、私も中世ヨーロッパとか学校の教科書でしか見た事ないんだけどね。
「さて、VRか、経験したことがないから何をすればいいか全く分からん!」
うーむ。どうしようか。ステータスとか見たいけど、出し方分からんしなぁ。
「ん? この右上のボタン。もしかして、もしかしなくてもヘルプボタンじゃない!?」
画面の右端、そこには、クエスチョンマークの書いてある、ボタンがあった。今までの経験上、これは明らかにヘルプマークだ。
「どうやって押すんだろ。もしかして、指を使うのかな?」
右腕を頭上にあげ、ボタンの所に揃える。そして、とりあえず押してみた。
「おっ!開いた!」
案の定ボタンは押され、私の目の前に、文字列が浮かんできた!
「今これを開いた君に問う。これをヘルプボタンだと思って開いただろう?」
ふむふむ。なんでこいつは文字の癖にこんなに偉そうなんだろうか。
「ん? そうだとしたらなんなの?」
「いや別に、どう思って開いたのかなって」
えっ? 何言ってんのこれ。
「で、結局ヘルプボタンなの?」
思わず私は一人で突っ込んでしまった。周りの視線が一瞬集まり、恥ずかしかった。
「今、あなたヘルプボタンじゃねえか!とか思ったでしょ。とゆうか、口に出してましたよ」
何これ。煽ってんのかな? 私を煽ってたら許さないんだけど。
「ちなみに、これは全て、システム上の文字列ですので、一切心煽ってませんからね」
うわ!やっぱり心読んでるだろ。って、いつ説明が始まるんだよ……
「あ、私のシステムを説明しま……」
つい、私は勢い余って、スキップボタンを押してしまった。普通に、何のためらいもなく押した。何故っ
て? スキップボタンがそこにあったからさ!
「では、今からVROについての説明を開始します。まずは、VROのステータスについてです」
急に喋り方が大人しくなり、普通に、説明し始めた。至って普通なので、ちょっと驚く。
「まず、このボタンを押してみてください」
言われた通りに押すと、画面に数字やら文字やらが現れた。ちなみに、こんな感じだ。
レベル:上げると強くなる。
HP:純粋な体力
MP:魔法や特技を使うのに必要
スタミナ:走るなどの行動に使う。
STR:攻撃力
VIT:防御力
DEX:命中力、きようさ
AGI:素早さ
INT:魔法力や詠唱短縮
LUCK:運の高さ
CHARM:魅力
「では、説明する必要も無いと思いますが、一応説明致します。まず、英単語の横に、日本語で文字が書いてあると思います。大抵の人はそれを読めば分かるでしょう。では、次の説明に移ります」
えっ、なにこのざっくり感。まぁ、確かに分かるけどさ……外国人だった場合、日本語分かんないよ……まぁ、私は日本人だからいいけど。
「次は、この世界における種族について説明致します」
なぜ、こんなにも何事もなく進めるのか。謎すぎる。
「ふーむ。種族か。私は何の種族なんだろ。キャラ作った時は、ランダムって聞いたけど……」
種族については、正直私も気になる。妖精とかだったら飛べるかもしれないし。
「これが、この世界の種族になります。尚、種族は初期設定から選べず、本人にあった種族になりますので、やり直すことも出来ません。ご了承下さい」
画面がぱっと切り替わり、種族の説明が出てきた。またもや、日本語だ。ほんとに外国人の人はどうするんだよ……
ヒューマン:いわゆる、人間
獣人:耳や尻尾が生えており、嗅覚などの五感が鋭い
エルフ:魔法に長けている人種
ドワーフ:鍛冶などの物を作ることが得意な人種
フェアリー:羽が生えているが、全く飛べない悲しい人種
ダークエルフ:特別な魔法。闇魔法が使えるエルフ
ハイエルフ:ダークエルフと相対的に、光魔法が使えるエルフ
ドラゴニュート:竜人
と、まぁ、こんな感じだ。すごくざっくりしている。私もビックリするほどだ。あと、種族はこれだけじゃないらしい。クエストなどによってごく稀に種族変更ができるとか出来ないとか……曖昧な説明が一応私にあったのだ。まぁ、これは聞き流したけどね!
「では、これにて説明は終了します。スキルなどについては、ステータスから見ることも出来ますのでそちらをご利用ください。ちなみに、自分の覚えたスキルを押すことによって説明文が出ますので是非ご利用ください。では、また逢う日まで」
そう言って、私の画面端からボタンが消えた。
「ヘルプボタンって消えるのかぁ。不可解な事もあるもんだなぁ」
私が後に知るのだが、このゲームにヘルプボタンなど無いらしい。だが、それを知るのは未だ先のお話。
「よし!とりあえずステータス見よっと!」
レベル:1
HP:21
MP:49
スタミナ:100
STR:1
VIT:3
DEX:20
AGI:10
INT:71
LUCK:0
CHARM:0
スキル:ウィンドカッター、ダークバインド、ファイヤーボール、サンダーボルト
称号:魔術王の子孫
「ふむ。私ってそんなに頭良かったのか」
何故だろう。私は自分でMPの部分を直視できない。だって、明らかに数字がおかしいもん
「って、こんなのあるか!!MPとINTだけおかしいんだよ!!」
ここで、わたしは称号について気付いた。もういっそスキルには突っ込まない。そう決めたからね。
「魔術王の弟子……見てみるか」
説明文を見ようと押してみる。もちろん、説明文が出るのだが、やはり大雑把。なんだろうこのゲームは、全て大雑把なのか? ちなみに、説明としてはこうだ。
魔術王の子孫:魔術を極めし者の子孫として、天性の才能を持つ。MPとINTがレベル×3ずつ上がってゆく。いわゆる3倍。
「ってことは、私は恵まれているということか。ステータス上の運は0なのに……」
嘆いていても仕方ないと思った私は、ステータス画面を閉じた。そして、とりあえずゲームを楽しむために、外へと出ることにしたのだった。
今回は、短めですね。VRゲームですので、次回からは出来るだけ長めにしたいと思います。