十七話 「イベント開始!」
よろしゅうございます!
「ふぅ。ご飯も食べ終わったし、お風呂も入った。さぁ、ゲームの時間だ!」
部屋に入るなりベットへとダイブする私。
「お姉ちゃん……一人で騒ぎすぎだよ……」
いつの間にかドアの隙間から見ている妹が私を引きながら見ていた。
「ちょっ、なんで居るの!?」
私は恥ずかしい所を見られてしまい、焦りと驚きと、恥ずかしさで頭が真っ白になっていた。
「い、いや、お姉ちゃんの部屋で一緒にゲームしようかなって……」
未だドアの隙間から話してくる妹。逆にその方が嫌だから入って欲しいんだが。
「と、とりあえずさ、部屋に入っていいから入りなよ」
妹に対して、部屋に入るように促す。
「う、うん。じゃあ入るね」
ようやくドアを開け、恐る恐る入ってきた。妹はどんだけ私が恐いのだろうか。そんなに変じゃないと思うんだけどなぁ。
「私の行動そんなにやばかった?」
もしかしたら、周りの人が見たら変なのかもしれない。
「う、うん。騒ぎながらベットに飛び込む所とか、一人で騒ぐ時点でちょっと……」
むむむ。やはりそうか。ま、いいや。気にしたら負けだ!
「うーむ。そうか。ま、とりあえずゲームしよっか!ほらほら、隣においで!」
ベットをバンバンと叩き、隣に寝転ばせる。計画通り、妹は隣に寝転び、機会を装着した。続けて私も機会を装着し、ゲームを始める。
「んで、お姉ちゃん。何する?」
ログインし、安定の噴水広場へと向かいながら、妹が話し掛けてくる。
「んー。時間的にあんまり出来ないし、普通に狩りとか?」
私として、もう一度火山へと行き、クエストを完遂したいのだが、それは無理だろう。主に時間的に。
「ん。じゃ、そうしよう。街から出た所に森があるからそこにする?」
ふむ。あの森か。二人なら案外良いかもしれない。
「じゃ、そうしよっか!」
予定も決まったことだし、私達は森へと歩き出した。
「ねぇねぇ、お姉ちゃん!今日一緒に寝ていい?」
森へと歩いている時に、妹が衝撃的なことを言い出した。
「ど、どうしたの急に」
妹からこんなことを言い出すのなんて、小学生時代以来だ。さすがに驚く。
「んー。なんか一人で寝るのやだしー、明日の朝もゲームするでしょ? イベントも一緒に参加できたら良いなぁって思ったの!」
確かに。イベントを一緒にできるのはいい案だ。
「しょうがないなぁ。桜は子供だから一緒に寝てあげるよ」
ニヤニヤしながら桜を見る。
「も、もう!お姉ちゃんなんて知らない!!」
急に恥ずかしくなったのか、一人森へと走っていってしまった。
「ちょっ、待ってよーーー!!」
後から追いかけるが、当然追いつけない。
その後、桜の事を宥め、一緒に森へと入れたのは、少し時間が経った後だ。
「あ、お姉ちゃん。あれ、モンスターじゃない?」
指差す方向には、ムカデのような虫型のモンスターが気を這っていた。正直キモイ。それにデカイ。
「う、うん。そだね。ちょっとキモイから寄りたくないけど」
ここは、私が遠距離から魔法で仕留めよう。うん、それがいい。
「じゃ、ちょっと私が行ってくるね!」
あれ? 私が魔法を準備し、放とうと思った時には、既に桜がムカデの首を切り落とそうとしていた。
「あいつ、凄いなぁ……私に無理だわ」
私は見ている事しか出来ないが、それでも中々グロイ。桜が切る度に、緑色の体液が飛び散っている。無論、桜の動きは早いので体液を浴びていないが……
「ふぅ。終わったよお姉ちゃん!」
桜が帰ってきた時、一目見て、私は逃げだした。だって、片手にムカデの顔を持っているのだから。
「は、早く、それをどっかにやってよ!」
逃げながら言っているのに、桜が離す気配はない。
「ふっふっふ。待て待てー!!」
傍から見たらただの追いかけっこに見えるだろう。だが、私にはあまりにも辛すぎた。妹は笑顔で追いかけてくるし。
「全く。早く離せば良かったのに……」
追いかけっこは割と長く続いた。最後には、ようやく桜が離し、長き戦いに終止符を打った。
「虫ごときが怖いなんてお姉ちゃんも子供だねぇ」
ニマニマしながら言っている妹をこんなに殴りたくなったのはいつぶりだろうか。
「はぁ。もういいや。それよりも、早くレベル上げしなきゃ。明日にはイベント始まるし」
桜のことは放っておき、私は一人で歩き出した。
「えー!置いてかないでよー!」
その後、私達は普通にモンスターを狩り、順調? にレベルを上げていった。途中、妹が寝てしまい、一人で狩りをしていたのはなんか寂しかったが内緒にしておこう。
「おはよぅ、お姉ちゃん……」
寝ぼけた声が隣から聞こえる。時刻は既に9時半だ。
「遅いぞ妹よ!そろそろイベントが開始されるんだ。準備を早くしなさい!」
妹の背中を押し、さっさと顔を洗わせ、朝ご飯を食べさせる。
「よし、準備完了!さぁ、ゲームを始めるぞ!」
急いで準備させ、二人でゲームを始める。妹は未だあくびをしているが、問答無用だ。
「お姉ちゃん、焦りすぎぃ……」
最後に聞こえた妹の声は無視し、私はゲームに集中する。
「んーと、今の時間は……9時55分か。そろそろエリア移動がされるはず!」
10時になるまでしばしば待ち、ようやく、エリア移動が開始された。周りの人がどんどん消えていく光景はなんか見てて怖かった。最後らへんになり、ようやく私達もエリア移動をされ、周りを見渡す。
「ふーん。雪のマップかぁ。これが当分続くわけね。んで、アイテムは……えっ。ここにアイテムショップないの!?これじゃ買えないじゃん!!」
エリア移動したことにより、従来のアイテムショップは無くなり、今現在持っているアイテムしか使えないことが判明した。
「あんたは、何持ってる?」
隣にいる妹に問いかける。
「えーっと、回復薬と……くらい?」
回復薬しかないのかよ!!!!
「まじか……まぁいいや。このマップでなんか集まるでしょ……」
とりあえず私達は、歩く前に、ステータスを確認することにした。昨日の成果をまだ見ていなく、自分たちの現状を確かめたかったのだ。
スノー
レベル:13
HP:2 40
MP:108
スタミナ:140
STR:1
VIT:5
DEX:40
AGI:18
INT:150
LUCK:0
CHARM:0
武器:マジカルステッキ
頭:なし
胴:初心者のローブ
腕:初心者の手袋
腰:初心者のズボン
足:初心者の靴
アクセサリー:王の指輪
スキル:ウィンドカッター、ダークバインド、ファイヤーボール、サンダーボルト、ダークレイン、フレイム
称号:魔術王の子孫
「うーん。そんなに変わってないなぁ」
まず第一に他の人のステータスがいまいち分からない。唯一知ってる妹も私と同じ感じだし。
「あー、私のレベル11だぁ。お姉ちゃんは?」
私の方がやっぱりレベルは高いか……良かった。
「私は13だよ〜。あと、新しい魔法を一つ覚えてた」
一番気になったのはそこだけだ。新しい魔法……やはり魔法っていいねぇ。
「そうなんだぁ。ま、ステータスはどっちでもいいや。どうせ、そんなに変わらないし!」
妹はレベル以外ほとんど見ずに画面を閉じて走り出してしまった。
「ちょっとまだ私見てるのにーーー」
さすがに一人で行かせるわけにはいかない。私も急遽メニュー画面を閉じて後を追いかけるのだった。そんな時、
「あぶなっ!」
私が追いかけるように走った途端、前をあまり見ていなかったせいか、誰かとぶつかりそうになってしまった。
「ご、ごめんなさい!」
とりあえず謝る。明らかに私が悪いのだ。謝らない方がおかしい。
「こちらこそ、ごめんね!」
あれ? この声って……私は何回も聴いた声につられ、顔をあげる。
「か、花奈……」
私がぶつかりそうになった相手は花奈だった。衝撃的な出会い。まさかの予感していないことが起こり、私はただ困惑することしか出来なかった。
さて、今回もありがとうございます!
今回書いてて思ったのですが、花奈があまりで出ていない!?
……とゆうことで、今度から頑張って出していきたいですね




