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ゲームで少女は夢を見る  作者: ねぎとろ
序章 『終わりの始まり』

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14/86

バレンタイン番外編です!

今回は全くVRゲームとは関係ないです!申し訳ないですが、バレンタインなので!

 それは冬の中旬。男達の祭りの日。

「ねぇ、花奈〜。今回のチョコってどんな感じ〜?」

 そう、それはバレンタインday。私達女子にとっては、友チョコの交換日である。かくゆう私も友チョコ曰く、チョコを求めて親友の花奈と交換する予定だ。

「全く。教えるわけないでしょ馬鹿!昼休みまで我慢しなさい!」

 家から学校までの登校中に怒られてしまった。むむむ。教えてくれないとは……まぁ、楽しみが増えていっか!

「もう〜。昼休みまで遠いよーーーー」

 私の叫びは空へと消えていった。

「ほら!早く行くよ!遅刻しちゃう!」

 少し離れた所に居た私の手を引っ張り、花奈は学校まで走ってしまった。

「花奈ーーーー。引っ張らないでよぉぉぉ」

 私の言葉に反応はなく、ただ、私は引っ張られてしまった。


 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


「ふぅ!到着!!」

 満足気の花奈に対して、私はというと、

「もう花奈……速すぎ……」

 先程までは遅刻ギリギリだったのが、花奈のおかげでだいぶ短縮出来た。だが、辛い。花奈は足が速すぎるのだ。非運動系の私には辛すぎる!

「あははっ!ごめんごめん!でも、遅刻しなかったしいいじゃん!」

 全く。花奈は笑っているが、私は結構辛かったんだぞ!

「はぁ。ま、いっか。それより、早く教室行こ!」

 校門前に立ち止まっているわけにはいかない。今度は私が花奈の手を引き、教室まで歩いて向かった。


「いやー。やっぱり今日は凄いねぇ」

 教室に入るなり、甘い匂いがすごい。

「この空気やばくない? 先生きたら怒られる気がするんだけど……」

 なぜここまで換気しなかったのだろうか。私はそれが不思議だった。だって、甘すぎて気持ち悪いもん。

「お!二人共おはよーー!チョコ持ってきた!?」

 クラスの女子たちがこぞって話し掛けてくる。普段からもお菓子をねだってきたりする女子達だ。チョコを狙う目がもはや怖い。

「う、うん。持ってきたよ……」

 あまり、人と馴染めない私は震え声で喋る。結構女子とは喋るのだが、どうにも慣れないのだ。

「ほら雪!もっとシャキッとしなさい!」

 背中をバシッと叩かれ、前へと押し出される。

「ねぇ雪!私達にチョコ頂戴!私達もあげるからさ!!」

 前へと押し出された私は、簡単に女子に囲まれ、私の意志とは関係なく、チョコ交換会が開催されてしまった。

 そのすぐあとに、先生が来て皆怒られたのは言うまでもない。


「んじゃ、雪。また昼休みにチョコちょうだいね!」

 先生に怒られた後、女子たちはようやく席へと戻っていった。男子からの変な視線も感じるし、ほんと、今日はやだ。

「それじゃ、ホームルーム始めるぞ!」

 先生の一言からホームルームが始まり、五分の休憩の後、授業が始まった。


「やっと昼休みだ!花奈からのチョコ楽しみだなぁ!」

 楽しみすぎてつい、独り言が漏れてしまった。誰にも聞かれてないよね?

「ねぇ雪。何が楽しみだって〜?」

 後ろから声がする。しかも、これは絶対花奈だ。

「もしかして、花奈。聞いてたの!?」

 もしも、聞かれていたら完全に恥ずかしい。ほんとにやだ。

「何も聞いてないよ〜?」

 ニタニタしながら話す花奈。これは絶対聞かれてた。最悪!

「もう!はやく忘れて!!それか、早くチョコ交換しよ!!」

 今はまだ女子達が気付いていない。今のうちにチョコを交換しなければ、あらゆる女子がやってくる。

「わかったわかった。はいこれ!」

 何処から出したのか、割と大きめのチョコが渡された。これは嬉しい。しかも、ハート型だ。きっと意味は無いだろうけど。

「ありがと花奈!私もあげる!」

 私からもハート型のチョコだ。もちろん、意味は無い。まぁ、私にはハート型のチョコをあげる男子なんて居ないのだけど。

「ねぇ花奈ー。花奈は好きな男子とか居ないの?」

 やはり、気になる。バレンタインと言えば告白がメイン。これは聞かねばならない。

「な、な、何言ってるの!?い、居るわけないじゃない!!」

 なんてわかり易い反応なんだろうか。

「ねぇねぇ、誰誰〜?」

 私もついニヤけてしまっている。

「なに!?花奈に好きな男が居るだと!?」

 突然の大きな声に私はビックリしてしまった。なんと、その犯人は、私たちの割と近くに居た男子だった。

「もう!雪が変な事言うから男子がうるさいじゃん!!」

 一人の男子の言葉が引き金となり、クラスの中で割と人気の花奈は男子と女子に囲まれてしまった。

「あー。私はご飯食べてくる!」

 これしか手段はないのだ……花奈は諦めるしか……

「雪ーー!!待ってーー!!」

 背中に花奈の声が聞こえるが、振り向かない。振り向いたら負けだ!


 キーンコーンカーンコーン


「あっ。いつの間にか昼休み終わってるじゃん!!」

 全く気付かなかったが、昼休みは終わってしまった。クソッ。昼ご飯食べれなかった……

「よーし。授業始めるぞー。教科書準備しろー」

 先生の声と共に授業がはじまり、また退屈な時間が始まってしまった。私が寝たのは内緒だ。


「ふぅ。終わったぁぁ」

 ようやっと授業が終わり、放課後だ。今からがバレンタイン本番。皆の本命チョコタイムだ。

「まっ、私には関係ないけどね」

 本命なんて私には無いからね。しいていえば、花奈の本命が気になる。

「花奈ー、どうするー? 本命渡すのー?」

 近くにいる花奈に問いかける。

「あー。本命かぁ。しょうがないなぁ。あげるかぁ……んじゃ、あげてくるからさ、先に帰ってて!」

 その言葉を聞き、私はにやけた面をしながら、花奈に別れを告げた。

「あ、帰りにトイレ行こっと」

 もし帰りに行きたくなったら嫌だし、私はトイレに寄ってから帰ることにした。

 トイレから出て、私は玄関へと向かい、靴箱をあける。そこには、一通の手紙が入っていた。

「えーっと。校門に16時?」

 紙には校門に16時に来て欲しいという内容だった。今の時刻は、15時50分。そろそろ16時だ。


 時刻は16時15分もちろん私は、指示通り校門で待っている。

「んー。来ないなぁ。もう帰ろっかなぁ」

 結構待っているのだが来ない。いつしか帰りたいとすら思ってきてしまうほどだ。

「おーい雪ー!」

 どこからか私を呼ぶ声がする。しかも、一番聞き覚えのある声で。

「やっほー!まさか、校門に居るなんて!」

 ふむ。たまたま会っただけか。

「そういえば、花奈は渡せたの?」

 もしかしたら、玉砕とかしたのかもしれない。

「あー。まだだよ!それより、靴箱に紙とか入ってた?」

 ん? なんで、花奈が知ってるんだ?

「もしかして、この紙、花奈が入れたの?」

 紙を手に取り、花奈に見せる。

「正解!雪に渡したい物があってさ!」

 ん。なんだろうか。でも、友チョコはもう貰ったし……

「はいこれ!本命のチョコ!」

 えっ。私は一瞬何のことか分からず、戸惑ってしまった。

「えっ、えっ? 私に本命?」

 花奈が何を言っているか正直分からない。

「うん!私の好きな人雪だもん!!」

 花奈の言葉に私は涙してしまった。なんでかわからないがとても嬉しかったのだ。

「えへへ。ありがと花奈!一緒に帰ろ!」

 花奈の手を取り、私達は一緒に歩いて帰ることにした。

「うん!今日も雪の家に寄ってくね!」

 その後は、二人で話しながら帰り、花奈は私の家に泊まっていった。終始話っぱなしで最後は二人でベットで眠ってしまった。


 こうして、花奈と私の最後のバレンタインは幸せな形で終わっていった。

どうでした?

もしも、結構良かったならば、ほかの行事のときなども番外編を書きたいですね


あ、明日は更新出来ないと思われます。ごめんなさい。

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