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ゲームで少女は夢を見る  作者: ねぎとろ
序章 『終わりの始まり』

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十三話 「初めての服屋」

今回も無事更新!よろしくお願いします!

「ん、ユリナ。新しいお客さんか?」


 入って早々気だるそうにしている女の人に話し掛けれてしまった。


「うん!なんか、店の前でウロウロしてるの見つけたからこの店に連れてきたの!」


 そんな満面な笑みで言われても……まぁ、こっちとしても見てみたかったから良かったけど。


「んで、あんたは、この店に用があったのかい?」


 私の方に視線を向け、少しキツめの口調で問い詰めてくる。


「あ、私ですか!?は、はい。ちょっとこの店雰囲気良さそうで、見てみたいなぁって思いまして!」


 NPCや家族以外の人は割と緊張する。しかも、急に聞かれてしまったからテンパっちゃったし。絶対変な人に思われてるよ……


「ふーん。なら、どうぞ。見てってよ」


 言うだけ言い、またも気だるそうに肘をつきながら仕事を始めた。


「もう!店長さんは!しっかりしてください!」


 ユリナという人が店長? を背中から叩き、背筋を伸ばさせている。ふむ。この二人どうゆう関係なんだ……


「痛いなもう!分かったよ!ちゃんと仕事するから!」


 肘をつくのを辞め、しっかりと作業をし始めた。この人達、見てて面白いな。


「あ、すいません。こっちは気にしないで、どんどん見ていってくださいね!」


 私の視線に気付いたのだろう。少し恥ずかしそうにしながら、ユリナさんも作業に戻っていった。とゆうか、普通に店内の掃除やらだけど。って、そんなことより、せっかく来たんだから見なきゃ!


「うーん。どれも可愛いなぁ……」


 やはり、来た店は正解だったようだ。割と小さめのサイズもあり、私の好みのワンピース系や、ゴスロリ。あらゆる物が揃っている。さらには、お客さんもあまりいない。なんて良い空間なんだ。まぁ、店側からしたら最悪だと思うけど。


「お客様〜? お決まりになりましたか?」


 ユリナさんが、笑顔で近付いてくる。これは、完全に買わされるパターンだ。だが、しかし私にはお金が無い。どうしよう!


「あ、そちらのゴスロリ系が良いのですね!どうぞどうぞ!今ならお安くしときますよ!」


 私の手に持っている服を一目見て、商売トークに持ち込む。この女、やりおる。


「あ、でも、お金……」


 私の言葉が小さすぎたのか、ユリナさんには聞こえず、私はレジへと誘われてしまった。


「あんたも大変だな。ユリナは結構強制的に買わせるからなぁ……」


 レジにて、私を哀れみの視線で見る店主。やめてくれ、そんな目で私を見ないで!


「んで、あんた、お金はあるのかい?」


 ようやく、話が出来そうだ。この場には、この人たちしか居ないし、私も慣れてきたから多分、話せるはず!


「す、すいません。少し、見たかっただけで……」


 頭を下げながら、謝る。このままだと、普通の冷やかしになるからね。


「だと思ったよ。まず、見た目が初心者装備だからね。大方、ユリナに無理やり連れてこられた客だと分かってたから謝らなくて大丈夫だよ。ま、今度買ってくれ」


 この人。優しい……


「はい!是非この店で買いたいです!私の好みが沢山あって……」


 どうして私はこんなに話せるのだろうか。自分でもわからない。きっと、趣味の話だと結構喋れる系の女子なのだろう。全分からないけど……


「へー。ゴスロリとか好きなのか!わたしも結構そうゆうの好きなんだよね」


 まぁ、この店、全体的に個性的な服多いもんね。普通っぽい服あんまり無さげだし。


「んでさ、あんた、自分の欲しい服とかデザインしたことある? もしも、デザインとかあるなら、オーダーメイドで作ってあげるよ? もちろん、お代は頂くけど!」


 な、なんですと!?オーダーメイドだと……!これは活用するしか……


「ちなみに、オーダーメイドの頼み方とか知ってる?」


 多分、私が初心者だから聞いてきたのだろう。うん。全く分からないから聞いてくれてありがたいです。本当に。


「全く知らないです……すいません」


 まぁ、私は服作らないからね。見るのが好きだし、着るのが好き。そうゆうのは専門外だもん!


「ま、そうだよね。んじゃ、教えるよ。まず、この世界のオーダーメイドは普通とは少し違う。素材とかを持ち込めば、性能を上げれたりするんだ。もちろん、通常でも構わないし、全く性能がない服だって作れる。そして、その素材を集める方法だけど、まず鑑定って知ってるかな?」


 ふむふむ。この人、普通に説明してくれるなんて、やさしいなぁ。んで、鑑定か。全く知らないな。この世界では聞いたこともないな。


「すいません、それも知らないです」


 素直に正直に言うのが一番!無理に知ったかぶりは後々面倒になるからね!


「だと思ったよ。ま、初心者は基本知らないからねぇ。んじゃ、これも教えるかな。普通は、ギルドとかで聞くんだけど、まぁいっか」


 その後、店主が鑑定について教えてくれた。使い方までバッチリ。


「へぇー。鑑定ってレベル5以上になると入手出来るんですね。初めて知りました。ありがとうございます!これで、モンスターとか見極めれそうです!」


 どうやら、メニューの設定にいつの間にかあるらしい。それを常時使うようにすると、モンスターなどに出会った場合、自分とレベルが近ければ、ステータスまで見れたり、耐性などが無ければ普通に全て見れるらしい。ただ、逆に、自分よりレベルが低くても耐性があると名前以外見れないし、レベルが自分より高すぎても名前しか見れないらしい。名前は、大体のモンスターなら見れるとか……


「ふぅ。久々のお客さんに、私も興奮してるのかな。いっぱい喋っちゃったよ。でも、まだ続くよ。最後に、オーダーメイドの事だけど、素材は使えるのと使えないのがある。もちろん、服に合う物を使わなければ意味無いからね。あと、私達にも、スキルがあるんだ。素材のレベルが高すぎて、私たちのスキルが低すぎると、素材を扱えず、無駄になったりすることもある。まぁ、私は大体の素材を使ったことがあるから大丈夫だけどね。っと、まぁこんな所かな。全部は覚えなくていいから、記憶の片隅にでも置いといてくれ」


 な、長かった。けど、分かりやすい説明だったなぁ。この人となら、仲良くなれそうな気がする。相手のが普通に歳上そうだけど。


「何から何までありがとうございます!それで、すごい突然なんですけど、聞いていいですか? あ、嫌なら答えなくてもいいですからね!この店ってお客さん居ないですよね? どうしてですか? 私的にはすごい良いんですが」


 私はどうも気になるのだ。だって、この人の腕は良いらしいし、いっぱいお客さんが居てもおかしくない。


「お前。人には聞いてはいけないことがあるのって知ってるか? 教えてやってもいいけど、他言したらお前の記憶を消さなきゃいけない……その覚悟あるのか?」


 私の言葉を聞いた途端、急に顔が険しくなった。これはやばい雰囲気だ。


「それは、その……」


 ここまで言われるとどう返せば良いのかすら分からない。私は俯いて黙ってしまった。


「嘘だよ嘘!この店にお客さんが居ないのは、ユリナが無理やり買わせたり、連れてきたりして嫌がられるんだよ!しかも、この店、女性専用だし!あんまり、店開かないしね。私達は、素材を自分で調達するからねぇ」


 ほっ。良かった。ほんとにやばい話だったらどうしようと思ったよ。でも、素材を自分で取る? それが普通なんじゃないのかな?


「素材って普通、自分で取るもんじゃないんですか?」


 全く無知の私には分からない。


「あー。うん。普通の人は自分じゃ取らないよ。誰かに売ってもらったりしてるからね。でも私たちは、他人からは買わない。まぁ、オーダーメイドはするけどね。服に必要な素材は自分で取りに行く。それが私達だからね。ほかの服屋の店主とかから見ると異端かも」


 ほぇー。そうなのかぁ。便利な世の中だなぁ。


「そうなんですかぁ。大変ですね。っと、それよりも、この店って次いつ空いてます?」


 次こそは、お金を貯めて買いたいのだ。その為にも聞いとかねばならない。


「私たちの店? そんなの気分だよ。でも、私たちのどちらかにメールくれれば店は開けるよ? あ、でも、そのためにはフレンドにならないと……」


 フレンドかぁ……まぁでも、これは活用するしかないよねぇ。いわゆる、連絡手段だもんなぁ。


「は、はい。一応しときます……」

 念のため、フレンド登録をしておいた。フレンド登録をした後、ついでに時刻を確認しておいた。


「もう16時!?嘘!やばい。ログアウトしなきゃ。それじゃあ、ユリナさん、店主さん!ありがとうございました!また何処かで!」


 焦って挨拶して私は店を出た。とゆうより、今自分が普通に挨拶出来たのに驚いている。はじめは全くの他人だったのに、ここまで話せるなんて……


「ん? ユリナさんからメール?」

 メニュー画面には、ユリナさんからのメールが来たことを知らせる合図がある。


「なんだろこれ……」

 見たい気持ちがあるが、それよりもログアウト出来る場所に行かねばならぬ。それが最優先だ!


 私はメールのことを頭の片隅に置きつつ、全速力で走っていつもログアウトしている場所へと向かう事にした。

ふぅ。今回も全然進んでないですね。あ、明日はバレンタイン限定の番外編をやりますのでお楽しみに!

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