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ゲームで少女は夢を見る  作者: ねぎとろ
序章 『終わりの始まり』
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一話 「夢を見た。」

初めに、この作品は、ご都合主義などで書いている作品です。人によっては、違和感を感じたり、嫌になったりすると思います。そんな時は、ブラウザバックをお勧めします。


また、小説は楽しく読むものだと作者は思いますので、無理してまで読むのは辞めた方が良いです。

これらのことを踏まえた上で、読んでくださる方、どうぞよろしくお願いします。

では、ご覧下さい。

私は夢を見ている。自分で夢だと実感出来るなんて人生生まれて初めてだ。この夢は、心地いい。友達と喋っている、それだけなのに、私はとても心地良かった。


(……夢か。そうだよね。私に友達が居るはずないもんね。有り得ない)


 そう、実は私、如月雪見には、友達と呼べる人は居ない。厳密には、居たけどいなくなったが正しい。

私が他人に干渉しすぎた結果居なくなってしまったのだ。


「はぁ……朝からこんな事思い出すなんて最悪……」

 重い体を持ち上げ、私は学校の支度を始めた。これでも一応女子高生だ。準備には多少の時間が掛かる。


「雪ーー!起きてる!?」


 リビングからお母さんの声が聞こえる。いつも寝坊している私を起こしてくれているのだ。


「大丈夫ー!起きてるからーー!!」

 私も一際大きい声で返事をした。お母さんは安心したようで、朝ご飯の支度に戻ったようだった。


 いつも着慣れている制服に着替え、私はリビングに向かった。お父さんは既に、会社に行っていて居ない。妹も居るのだが、まだ中学は冬休みらしく、部屋で寝ている。ムカつくやつだ。


「これ、食べちゃって」


 朝ごはんをお母さんが私の前に差し出した。いつも通りの朝ご飯。ベーコンと目玉焼き、それにトーストだ。差し出された朝ご飯を私は食べ切り、学校の支度をまた始めた。


「やばっ!もうこんな時間じゃん!行かなきゃ!!」


 化粧はしないのだが、歯を磨いたり、グダグダしていたらいつの間にか、ギリギリの時間になってしまった。私の悪い癖だ。


「お母さん!行ってきまーす!」

 玄関のドアを勢いよく開け、私は走り出した。閉まる直前に、お母さんからの、行ってらっしゃいが聞こえて、何故か私は嬉しくなった。


「はぁ、はぁ、はぁ。着いた」

 全力で走り、私は遅刻ギリギリで学校に着いた。教室まで駆け上がり、ドアを開けて入る。

 私が最後だったらしく、皆の視線が集まる。何故だろう、この光景が異様に怖い。一人ぼっちの気分になり、怖くなる。だが、表には出さない。


「遅刻ギリギリかぁ……」


 無論、私に好意的に話しかけてくる人は居ない。挨拶程度交わす人なら居る。だけど、それは友達とは言わない。故に、私には友達など居ない。


 ボーッと外の景色をながめていれば授業は淡々と進んでいき、今日は寝ることもなく、昼休みに突入した。

しかし、当然の如く私は一人飯。また、干渉しすぎて、友達が居なくなるかもしれない恐怖を思えば、人と関わる事自体が怖い。

と、そんな事を考えながら屋上の踊り場で、一人溜め息をついた。


「やっと終わった……」


 長かった学校も終わり、家まで走って帰る。あるゲームをする為だ。そのゲームしている時だけ、自分が自分ではない気がして、楽しくなる。


 走って家に帰り、その勢いのまま部屋へと向かう。

そんな中、ふと、昔書いていた日記が机の上に置いてあることに気付いた。


「あれ? いつ出したっけ?」


 覚えがない。私は、無意識の内に開いてしまった。


「うわ、このページ。私の苦手なページだ」


 よりにもよって、一番開きたくないページを開いてしまった。それは、私が友達と呼べる人を失った日のこと。

ーー日記には、こう綴ってある。


 高校一年の冬。一月四日。今日は、友達とゲームをした。久しぶりだったのでとても楽しかった。だけど、最後はつまらなかった。

友達に、「雪とゲームしてもつまらない」と言われてしまい、思わず泣いてしまった。

花奈の為だけに、強くなって、一緒にゲームをしたかったが為に頑張った。なのにそれをすべて否定された気がして、悲しくなった。

ーーだから、もう二度と私は友達なんて作らない。


 日記に書いてあったのは、私の悲しく、消してしまいたい過去だ。


「高校一年の冬か……ちょうど一年前か」

 日記を読み、少し悲しくなった。私は、日記を閉じ、机の引き出しに封印した。もう二度と見たくない。そう願って。


(私ってほんとに友達作りたくないのかな?)


 頭の中では作りたくないと思っているはず。

だけど、最近の夢は友達と楽しく話しているものばかり見る。もしかしたら、無意識の内に求めているのかもしれない。


「いやいや、そんなことない!私に友達なんていらない!よし!ゲームしよ!!」

 少し悲しくなった時は大好きなゲームをする。もちろん、最近有名なVRゲームだ。


 仮想世界に飛び込み、現実と同じように、活動出来る、最新のゲーム。

今最も人気のゲームは、"Virtual Reality Onlin”通称、VRO。


このゲームは、世界に瞬く間に広がり、今や世界で最も遊ばれているゲームと言われていた。

ゲーム的には、チームプレイ推奨なのだが、友達なども居ない私はソロプレイしか出来ないが……。


「はぁ。妹もゲームやらないかなぁ……」


 ソロプレイだろうと、楽しいことに変わりはない。

そう思い込むようにし、私はベッドに寝転び、専用の機械を頭に装着した。

そして、いつも通りゲームを起動する。


「あなたの脳波を読み取り、ログインしています」

 機械の声でアナウンスが流れ、私は目を閉じる。次の瞬間には、もう仮想世界。自由だ。

けれど、ここで私は、学校の人達が話していることを思い出してしまった。

それは、花奈がVROをやっているという事。

その時は聞き逃したが、今思えば、もしかしたらゲームの中で会う可能性があるのだ。

現実では今更話なんて出来ないが、もしもゲーム内で会えたなら話す事は出来るはずだ。


「そういえば、なんで私あの時以来花奈に話し掛けなかったんだろ……」


 ぼそっと呟き、花奈とゲームした時を思い出してしまった。

 一度思い出せば次々と記憶は蘇り、段々と友達というものが欲しくなってしまった。

そうなれば、やる事は一つだ。現実で無理ならば、私はゲームの中で作ればいいだけ。

一人だけでいい。ゲームなら現実で一切関係ないし、親友と呼べる友達を作っても良いだろう。


「ログイン完了。ゲームを起動します。Virtual Reality Online 起動」


 ようやくアナウンスが流れ、私は機械を頭に嵌めたまま眠りについた。花奈と会えること、そして唯一の親友を作ると夢を見ながら。

今日から、不定期更新で頑張っていきます。


どんな事でも良いので、感想などを募集しています。文章力を鍛えたいので、悪い点などもどんどん指摘してくだされば幸いです。

もちろん、ブクマ登録なども嬉しい限りですので、よろしくお願いします。

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