第9話「霧の中の死闘」
地味に自分的には比較的長くなりました
あと遅くなってすいません、マジで申し訳ありません
これからも更新ペースは毎日の時とか感覚が開くとかバラバラなのはご了承くださいっと
シュウ「売り上げは好調、だがしかし人手が足りない!」
俺は独り言(愚痴)を吐きながらオーダーメイドの設計図を見ていた。
商業生活が始まってかれこれ1週間、週間ギルド内売り上げランキングも120中13位という普通にいい結果だと思う、それも人手不足のおかげで開店から3時間も持たず閉店してしまうからである。ちなみに一位は忍者と剣闘士と副団長の三人のお店だ、何が売っているかは知らない。
現在最後のオーダーメイドに取り掛かろうとしていて、これが終わったら1週間ぶりの休暇みたいなものだ、ほとんど内職みたいなものだけど‥
シュウ「最後のを作る前にオーダーメイドの配達でもするか」
外は夜明け直後のの早朝で、いつになく霧がかなり濃く5メートル先が見えないぐらいに。
シュウ「霧濃いなー、ていうか俺徹夜してたのか」
そう言いながら、右手にあらかじめ持っておいた住所一覧と10本程度の加護ありの武器を背負い歩き出した。
すたすたすた
すたすたすたすたすたすた
シュウ(誰かに付けられている?)
俺は歩く速さを早くし路地を右に回って待ち伏せした。
シュウ(誰だ?この武器を狙った盗賊か?)
だが、10秒ぐらい待ってもくる気配がなかった。
シュウ(俺の勘違いか?徹夜続きだから疲れてたのかな)
そう思い振り向き歩こうとした瞬間上から光る刃が迫ってきた。
シュウ「ッ!」
俺はとっさに飛び退き、躱したが黒いフードで全身を覆っていて右手にナイフを持っているそいつはそのまま地面を蹴りナイフを構え横に斬りかかった。
ジャシュッ
歯切れのいい音がした。
シュウ「〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
声にならない声を出して、歯を食いしばり目尻に涙を浮かべながら反射的に自分の右腕を抑えた。
右の二の腕には黒い半袖のシャツの袖と一緒に右腕が深くパックリ切れ、そこから鮮血があふれた。
?「腕一本入ったと思ったんだけどなー」
無邪気な子供のような声でエグイ発言をしている、その声に俺は背筋が凍った。
シュウ(ヤバイ、殺される!早く助けを!)
俺は助けを呼ぼうとしたがそういえばここは裏路地であり叫んだら相手を興奮させかねない。
ここは武器で牽制しながら大通りに逃げるしかない、最悪の場合召喚魔法でバレるが仲間を召喚するしかない、だけど痛みで安定しない状態で正確な召喚なんてできるのか?
シュウ「そんなこと考えてる場合じゃねえ、2本目がくる!」
子供?はまっすぐ斬りかかり、それを俺が間一髪で回避した俺に対し、壁を蹴り二段目の攻撃が来た
シュウ(躱せねぇっ)
俺はとっさに振り向き、ガキィンという音とともに、子供?は飛び退いた。
シュウ「商品が!くっそ、こうなったら闘ってやる!」
シュウ(一応団長と日々トレーニングはしていて並の剣士ちょっとしたぐらいまで鍛えた俺だ。犬死だけはしないだろう。だが野地裏といえどDEを使うわけにはいかないここらを一掃してしまう。ならば)
シュウ「『皇帝の武器庫』」
以前召喚魔法の練習中に見つけた異空間ストレージのことだ。名前は団長がつけた。
その言葉とともに自分のすぐ左の何もないところから黒い鞘に桜の模様が入った鞘の短刀が出てきた。
シュウ「黒刀『八重桜』」
俺は短刀を左手に持ち痛みを我慢しながら持ち手に書いてある文字を見た、そこにはaccelerationの文字があった。
シュウ(アクセルレイション?)
シュウ「来るっ!」
子供?「ハハハハ」
無邪気な声で斬りかかってきた斬撃を俺は短刀で弾き下がった。
シュウ「これって加速かよ!」
どうやらこの剣には身体強化系の加護がついてるらしい。これでやっとあの通り魔に追いつける。
俺はカバンの中のアズライト戦のあまりのラストの回復薬を飲んで構えた。
子供?「ハハハハお兄さんやっぱり変な力使うんだね、だから狙われるんだよ?」
シュウ「それってどうい」
すべて言い切る前に目の前に来た子供?にナイフの連撃が来る。
それを辛うじて左手だけですべて弾き、異常なレベルの効果を発揮する回復薬のおかげで動くようになった右手を自分の太もものホルスターに回しDEをとって後頭部を脳震盪するぐらいの力で殴ろうとした。
が、相手はそのまま上体を横に倒して躱しそのままお腹をボレーシュートみたいに蹴りこまれ、子供?は尻餅をついた。
そして俺は普通の子供だったらありえない力でお腹を蹴られ、「うがっ」と呻き声を出しながら俺は後ろに吹っ飛んだ。
シュウ(なんだよこれこれが子供の力なのか?)
よろめきながら立ち上がった俺は目の前に走ってくる子供?を見て思った。
シュウ「お前は一体?」
そうつぶやいた俺に目の前に追いついた子供?霧が濃くなると同時に言った
子供?「冥土の土産に教えてあげるよ、僕の名前はジャック・ザ・リッパー、霧の殺し屋だよ」
フードを脱ぎ、赤い目をしていて桃色の髪を短髪にした少年がいた。
シュウ(子供だったのか、しかも‥‥)
そっから先を考える前にさっきよりも速度を増した剣撃がくる。
シュウ「まだ早くなるのかよ!くっ」
受けきれず頬や服いたるところがだんだんと切られていく。
10秒ぐらいの剣戟を繰り広げ徐々に押されてくる。
シュウ(マズイ、このままじゃ、早くあそこへ!)
剣を強く相手のナイフにぶつけ弾いた、その衝撃で相手のナイフを弾いたが八重桜も弾け飛び、ジャックは民家の塀に俺は王国内のインフラが整備されてないスラム地帯まで吹き飛んで転がっていった。
シュウ「ヤバイ‥‥加護が‥消える!」
立つと同時に世界がスローモーションみたいな感じに襲われた、そのせいで俺はしゃがみこんだ。
ざっざっという土を歩く音を出しながらと目の前にジャックが近づきそして足についてあったホルスターからナイフを取り出し振り上げた。
ジャック「これで終わりだよ、楽しかったよお兄さん」
そう言い放ちしゃがみこんだ俺に対して振り下ろした。
がその刃はシュウに当たることはなくそのままジャックは15メートル下へ落ちていきその上から大量の土が落ちてきてジャックは埋められた。
シュウ「よし油断したね、そして捕まえた」
オーダーメイドの剣で作った檻に入った状態でジャックが魔方陣から出てきた。
そしてカバンから縄を出してジャックの両手を後ろで縛らり両足も縛った。
シュウ「これでよしと」
ジャック「あーあ油断しちゃったなー、どうする?僕を殺す?」
ジャックは後ろの穴に目を当てながら尋ねてきた。
ジャック「ねーねー、これどうやったの?」
シュウ「いや、殺さねーよ、それとそれは前に掘っておいた落とし穴だ!お前をここまで、勘付かれないように吹っ飛ばされながら誘導したのさ」
シュウ(実はあれ気づかれないように、しゃがみこんだ時にジャックの足元に魔方陣を出してそのすぐ下15メートルぐらいにそれとつなぐ魔方陣を埋め込んだ感じで落とし穴ではなく、ただ足場がなくなっただけという、それと俺の魔方陣は2秒間魔方陣上で動かずにいれば転移する仕組みになっていて、落とし穴で相手を落として15メートル下ぐらいにある魔方陣に当たった瞬間に剣の檻に転移場所をずらして捕縛した。ちなみにこっちに逃げたのは、石畳でやると地下に下水の地下通路があるからそれを破壊しかねないしそのまま地下に逃げられるということと、元に戻せないということ、確かインフラ破壊すると捕まるらしいから)
ジャック「それとね、僕は負けたからね自由にしていいよ敗者は勝者の言うことをなんでもするのが僕のルールだからね、自害せよとか、誰かを殺してくれとかね」
シュウ「ジャック‥‥お前男のふりしてるけど、戦ってる最中に気づいたけどお前女の子だろ、女の子がなんでも聞くなんていうんじゃないぞ」
ジャックは図星を貰い顔を真っ赤にして慌てた様子になった。
ジャック「嘘っ、結構男の子に見えるようにしたのに、女の子だと仕事くれないからさー‥‥」
シュウ「まあそんなことよりなんでもするんだろ?じゃあ」
そこまで言った時には怯えてる顔をしていた。
シュウ「いや、やましいこととかしねーから!えーっとまずはなんで俺を狙った?私怨か?それとも」
ジャック「よかったー。えっとそれは依頼だよ、1000万Gでシュウを殺してくれという話があったんだよ」
シュウ「俺を殺す?しかもそんな大金、それを依頼したのって?」
ジャック「それはわかんないよ、だって顔を完全に隠してたもん」
シュウ「そうか‥‥じゃあ次だ、お前はなんなんだ?」
ジャックは少し顔を曇らせながら言った。
ジャック「僕はジャック・ザ・リッパーっていう仮の名前があるけどママもパパもいないから名前を知らないんだその時に僕は名無しだからジャックていう名前付けられたの、そしてリッパーは霧の殺し屋の異名からきてるの、そしてここ、僕はスラム街の住人だよ」
シュウ「そうだったのか、悪いな変なこと思い出させちまって」
ジャック「続けるね、僕はただがむしゃらに生きる人で金を手に入れるためならどんな汚れ仕事でもするつもりだったんだよ、でもねある日気がついたらこの力があったの、この暗殺の力が‥‥」
シュウ「でも君は、殺しまではしてないはずだよ、なぜなら最初俺を襲撃した時に心臓や頭、お腹を狙っていたなら俺は確実に死んでいたからね、でも君は腕を狙った‥最低限で無力化するために」
ジャック「ッ」
シュウ「はぁ、まあ最後のことだ、なんでもするんだろ?じゃあ今すぐその仕事から足を洗って俺の店を手伝え!お前なら情報収集の時に俺の仕事がどんなやつか知ってるはずだろ?安心しろ給料は取得分の半分を払うから」
ジャック「いい、の?こんな殺人鬼でも‥‥」
シュウ「当たり前だろ、第一俺の店が一人じゃまわんないんだよ、そうだせっかくだしジャック・ザ・リッパーなんて不吉な名前を捨てて俺がお前を命名してやるよ。えーっと桃髪だから‥‥‥『火守 モモ』なんてどうだ?」
モモ「火守 モモ‥‥モモ、うれしい、とってもうれしい」
モモの赤い目に涙が浮かんだ。
モモ「そうだ、お兄さんの名前は何?」
シュウ「そうだったなってそれは調べてなかったんかい、っと俺の名前は火守 シュウただの生産職さ。」
モモ「火守‥‥‥?」
シュウ「ああ、そうだった火守はファミリーネームだ、これで俺とお前は家族だもう家族がいないなんて言わせねぇ‥‥‥えっと嫌だったらモモのファミリーネーム変えるけど‥‥」
モモ「家族‥‥ありがとうシュウお兄ちゃん‥フフッ」
シュウ「よかったー気に入ってもらえたで何よりだ‥ハハ」
二人とも疲れそのまま土の上に寝っ転がった、霧が晴れるまでずっとずっと。
お店裏方にてあああっっと叫ぶ女の子の声
モモ「お兄ちゃんそういえば僕指名手配されてた‥‥」
シュウ「‥‥‥マジ?」