プロローグ
「ジリリリーン、ジリリリーン、ジリ…カチッ」
僕は、まだ眠気が残る中、目が覚めた。
「ふわぁ〜あ。もう6:30か。」
僕は腕を伸ばしながら、盛大にアクビした。
「あれ…この部屋、僕の部屋じゃないな。どこだろ」
階段を登ってくる音が聞こえてきた。
ガチャ
「おい、姉ちゃん。さっさと準備して学校行けよ。あんたの友達待ってんぞ!」
(え…姉ちゃん?いや、僕は男…)
部屋にあった鏡を見て、言葉を失ってしまった。
「何ボーッとしてんだよ!さっさと制服に着替えて行け!俺は忠告したかんな!」
バタンと強く閉めて行った僕(私の?)の弟。
「はぁ〜⁉︎」
僕の女としての生活が始まったようだ。
時刻は6:40
出発の6:50まで後10分
「ヤバイヤバイ、時間が全然無いし、女子の制服どうやって着るんだよ‼︎とりあえずこんな感じか?もういいこれでいいや!」
わからないので適当に着て階段を降りて玄関のドアノブに手をかけたとき、例の弟がきた。
「おい、姉ちゃん。スカートは?それにメシは?」
(ハッ…しまった。僕は女だった、忘れてた。)
「わ、忘れてた‼︎着てくる‼︎」
階段を一気に駆け上げスカート履いて降りてきた。
「どうやったら忘れんだよ。はい、トースト」
「あ、ありがと…。行ってきます!!」
恥ずかしさのあまり泣きそうだったが一気に外へ出た。
「あー…なんだかんだ出てきちゃったけど、学校と僕(私)の名前わかんねぇや…。どうしよう」
トボトボ歩いて道路に出ると、元気な声が耳に届いた。
「リナっち〜おはよ〜‼︎」
「宮藤さんおはようございます」
アホそうな…ゲフンゲフン。元気そうな子とメガネをかけた真面目そうな子がきた。
(ん?今名前言ったなー。えーっと、リナに宮藤さん…か。ラッキー!聞く手間省けた)
「おはよう」
僕は軽く挨拶した。
「あれ〜リナっち?いつも、『ユキさん、マホさんおはようございます。』っていうのに、今日はどうしたの?」
「きょ、今日は急いでて、オホホ」
噛んだ、盛大に噛んだ。気づくなよ?
「変なリナっち」
(アホで良かった〜。あ、そうだこの人達の名前を心のメモに書いとこーっと)
「で、では学校に行きましょう」
「そうだね〜そういえば今日テストだね〜できるかな?」
「ユキ、リナさんは学年1位ですから今日のテストも満点ですよ、ですよねリナさん?」
(おい、マホ何ハードル上げてんだよ)
「も、もちろんですわ」
「さすがリナっち、今日も言うね〜」
(いつも言ってるんだ…どんだけプレッシャーに強いんだよ、リナさん…)
話してたら、いつの間にか学校についていた。
学校の名前、学校の名前とキョロキョロしてたら、看板を見つけた。
『私立白百合女学園』
(女子校かよ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎)
今日から波乱の幕開けだとこの時僕は悟った。




