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プロローグ
正暦1930年代ーーー
後の歴史学者は口を揃えて言う、この時代から歴史は大きなうねりを見せ始めたと。
この時代、世界は大きく変化しつつあった。
中世の暗黒期を抜け、産業革命を経て次々と進歩していく技術は直ぐに軍事転用され、前大戦時に生み出された戦車や航空機は今や戦場の主役の座に就いている。
植民地は次々と独立を宣言し、支配者はそれを抑えようと軍を送り込む。
各国指導者たちは隙在らば、と隣国の領土を虎視眈々と狙う。
前大戦の教訓から発足した世界連合は北部の3大国家に牛耳られ、反発する国家は次々と脱退し、南部商業連合として対立を深める。
其々が其々の主張を掲げ、作り、産み、奪い、殺しあう。
そんな混沌の時代、とある英雄が生まれた事からこの物語は始まった。
リベリナ共和国国営放送報道特集「この戦いを振り返る4~リベリナ・ガリル戦争~」より抜粋
これが作者の処女作となります。皆さん応援よろしくお願いいたします。