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51.カレーを作ろう

「お盆ってキャンプする人多いんだね~」

「家族で合わせられる休みだからかな?暑くてもお盆休み中は繁忙期だよ。確か予約も何か月前とかに取らなきゃ行けないはず。」

「へぇー!そうなんだね~!」


野崎さんが感心したように答えた。

テント設営が終わって、父の進め通り、受付の横にある売店に来た。

キャンプ場はけっこう広く、自然も感じれる反面、受付の方に来ると商売っけも感じる作りで色んな美味しそうな物も売っているし、キャンプ用品の販売やレンタルの種類も豊富だ。


「麻衣ちゃん、ソフトクリーム何味がいい?」

「チョコがいい…。」


野崎さんが一緒に連れてきた麻衣に良くかまってくれて助かる、と言うか嬉しい。

麻衣も言葉短めではないが素っ気ないとかいう訳でもなく、もじもじした感じで野崎さんに返事をしている。

戸田もいつもと違う麻衣の様子をからかったりはしないが、もの面白げに見ていた。


もともとは人懐こい性格をしているから、時間が経てばこの緊張も解ける気もするから、僕は暖かく見守ることにした。



僕らはそれぞれソフトクリームを買い、戸田はスイーツとかは食べないのでコーラを買って渡す。

売店に売ってるスナック菓子に目を奪われてたからあとでしれっと買うんだろうなぁと察する。


ソフトクリームを食べながら受付側の施設を案内する。

幼児向けの公園や小規模なアスレチックもある、このキャンプ場はペット可だが、基本的にはリード着用がルールなのし自由に走らせるためのドックランもある。

広いから迷子にならないようにある程度説明しておく。


「受付と売店付近にくれば基本的になんでも揃ってる。シャワー施設はあっち側のフリーサイトって自由にテントがたてれるエリアの近くにある。あとあそこに見えるのがオートサイトって僕らがテント張ったとこのエリアの炊事棟、お昼ご飯作るときに行くと思うよ。川は僕らのテントがある区画サイトとは逆のフリーサイト側の奥のでちょっと遠い。人は多いと思うけど、ご飯食べ終わって気温も上がった昼過ぎに行こう。」


僕がそう説明すると皆頷く。

「川はめっちゃ冷たいよ。麻衣絶対入りたくない。啓吾にぃすぐ上がると思う!」と戸田にいつもの調子で言う麻衣を見て、アイスを食べて野崎さんたちと一緒に写真を撮ったりしてたし、少しは調子戻ってきたかな、と思う。


売店側は一通り見たので自分達のテントの位置に戻ると、僕らが居ないうちにテーブルと椅子とタープ(天幕)を父と母がすでに組み立ててくれていた。

初参加の子供たちが、設備の整ってる感をすごいと言うと父はとても誇らしげだ。


「さて、早めにお昼の準備をしましょう。男たちは予約してるかまどで火起こしね。」


母がそう言って父に軍手とご飯を炊く鍋を渡す。


─あんな大きいライスクッカー持ってたっけ?


普段使ってるのは一回り小さいヤツなので、これを機に買った恐れがある。

我が家のキャンプ用品に対する財布の緩さを感じながらも、僕は中の荷物を全部だした少し大きめの鍋を渡された。

これではお湯を沸かしておけと言うのは言われずとも理解する。



「女の子は食材の下ごしらえをしましょう。炊事場は混み始めると思うからこのテーブルでね。野菜はもう洗ってあるから切るだけよ。」


母がそう言うと野崎さんと浅葱さんは「はい!」と返事をした。

麻衣は自分に仕事はないのが分かってるから大人しく椅子に座る。

野崎さんは料理上手だと聞いているけど、浅葱さんは大丈夫なのか…と僕は一抹の不安を感じながら、かまどのある炊事棟に向かう。



「何作るのかな?」

「キャンプの昼は毎回カレーだよ。」

「やったぁ。夜は?」

「夜は、普段はその時父がしたいキャンプ飯とかで内容変わるけど、今日は人数多いからBBQするみたい。」

「BBQか~楽しみだな~。」


食いしん坊戸田が本日の献立を知りたがったので教えてあげる。

キャンプ好きな父は、キャンプで食べるからこそ美味いんだ!と色んなものを作る。

去年はキャンプ場なのにパエリアを食べた記憶がある。

火を起こすのも大好きだからわざわざかまどを使うけど、カセットコンロも持ってきているはずだ。


─BBQもいいけど父の作るキャンプ飯は美味しいからそれも戸田に食べて欲しいんだよな。



炊事棟のかまど場は1番やはりそれなりに混んでいた。

手際よく火を起こす父を戸田が尊敬の眼差しで見る「コツを掴めば簡単だよ」とやり方を戸田に教えて、最後に大きめのマキを入れる時は戸田に実践させていた。

僕は火のことは父と戸田にまかせて、ライスクッカーに入れられた多めの米を研いだり、カレー鍋に水をためたりして水場を往復した。


火元が安定すると父が火と炊飯は自分が見とくから女性陣を手伝って来なさいと言ったので戻ることにした。


テントに戻ると、野菜を切り終わるまであとちょっとと言った感じで、僕らが手伝うことは特になく、浅葱さんがすでに妹と椅子に座って作業を眺めているのには気になったけど、触れないでおいた。


いつも家族で作る時の倍くらいの量がボウルに盛られている。


「じゃあ野菜とお肉は直哉と啓悟くんに運んでもらおうかしら、あ、あとこれ、カレー粉と調味料とか入ってるから!」


と母からズッシリとした袋と食材を渡される。


「あとはお父さんが作ってくれるから、私たちはゆっくり待ちましょ~」


母がそう言うと、野崎さんはいいのかな?と言う顔をしてこっちを伺ったけど、麻衣にトランプしようともじもじと誘われたので「いいね、トランプで何のゲームしよっか?」と切り替えて麻衣に笑いかけていた。


僕らは重たい荷物を持って父の元へ行き、キャンプ飯制作に昂る父の手伝いをすることになった。

キャンプ場で色々楽になるように、直哉母が家で色々下準備を済ませています。



次は「川遊びって何すればいいの?」です。

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