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47.星とうどんと

会場に入ると、ひんやりと涼しくて、なんだかほわんほわんした、ヒーリングミュージックの様なものがかかっていた。


─おぉ、なんか天井が高い。こんな感じなのか。


リクライニングする椅子に4人で並んで座って開演時間を待つ。


時間になると照明が完全に落ちて、アナウンスと共にプラネタリウム上映が始まる。

コラボレーションするのはピアノの作曲家だったらしく、確かに綺麗な音楽がBGMとして流れていて、とても癒される。


父がキャンプ好きだから、家族でよくキャンプをする時には、けっこう綺麗な星空が見れる。

その時に父が星座を教えてくれるけど、結構ざっくりしていて、もっと詳しくしりたいなとちょっと思っていたから、夏の星座の解説を詳しく聞けたのはすごく嬉しかった。



上映が終わって会場を出る。

野崎さんに髪の毛のお直しをされてる浅葱さんを見ると顔が完全に寝起きだった。


「…寝てた?」

「…気持ちよかった。」


浅葱さんは何故かすごく満足げな顔をしてる。

戸田がなんかちょっとそれにウケてる。


「最初はすごい嬉しそうに見てたけど、後半から寝てたよね。」


野崎さんが笑いながら言うと浅葱さんは頷いていた。



隣町はそんなに栄えた街ではないのだが、駅の外れにある、野崎さんがインスタで見つけてくれた安くて美味しそうなうどん屋さんに行くことになった。

僕は麺類はなんでも大好きなので、とても嬉しい。



「プラネタリウム綺麗だったね~」

「うん、星座の神話の話とか面白かった!」

「……。(頷く)」


君寝てたでしょ。と浅葱さんにツッコミたい気持ちを僕は我慢する。



「オリオン座くらいしか見つけられたことなかったから、星がよく見える日に夏の大三角探してみようかな」


野崎さんはそういいながら皆にお水をついでくれる。


「夏の大三角は秋の方が見つけやすいらしいよ」

「え、そうなの?高田君星座詳しいんだね」

「僕はそんなにだけど、家族でキャンプ行った時父さんが教えてくれて」

「へー!そうなんだ、うちはお父さん虫がダメで、旅行はするけどアウトドアはないから楽しそう。」

「キャンプって星見えるの?」


根本的なところの知識がないらしく戸田がそう聞いてくる。


「キャンプ場、色々連れていかれたけどだいたい田舎の方とか山の方だからね、星はかなり見えるよ。場所によっては天の川も見える。」


「天の川って七夕だよね。」と野崎さんが言う。


「そのイメージが強いけど、実は1年中見れるよ。時間と方位はちょっと変わるけど。1番見やすいのが7-8月だね。」

「へー、なんか勝手に七夕しか見れないもんだと思い込んでた~。」


戸田がそう言う。

天体に対する予備知識が全くなくて七夕の伝説の方に気を取られると、そんな感じの認識になる気持ちはなんとなく分かるな~、と僕は思った。



「今年行くキャンプ、まだ聞いてないけど場所によっては戸田も天の川見えるかもよ?」

「ほんと~?楽しみだ~。」

「高田くんの家のキャンプに戸田くんも行くんだね!楽しそう。私も天の川、見てみたいなぁ~。」


野崎さんの言い方的にわりと真剣に羨ましがってそうだ。

浅葱さんはこちらに運ばれてくるおそらく僕らが注文したであろううどんに完全に目を奪われてる。


「保護者同伴でも野崎さんの親は反対するかな?多分うちは人数増えるのは問題ないと思うけど。」


戸田が増えていいかって話をした時に、キャンプ場で借りるサイトは広いとこだからあと2-3人増えても大丈夫だか余裕だよ〰️と父が言っていたと母が話していたのを思い出す。


「うちのお母さん、高田くんのお母さん知ってるっぽいんだよね…ちょっと親に聞いてみようかな。」


すごく悩んだ様子で野崎さんが言う。


野崎さんと僕は同じクラスにはなった事ないけど小学校と中学校が同じな上、母は野崎豆腐店の常連だ。

お客さんのみではなく、同級生の親として面識かもあっておかしくないなと僕は思う。


「えー、許可降りて欲しいな…プラネタリウム綺麗だったからリアルな星空見たい…。」


野崎さんが本気そうな感じてブツブツ言っている。

浅葱さんは目の前に来たうどんを食べたそうに見ている。皆と一緒にいただきますをしようと待っている姿はいっそ健気だ。


「うん、許可ができたら連絡して、多分母が野崎さんの家に電話したりとかしてくれるだろうから。じゃあ食べようか。」


浅葱さんの家は親との仲は悪くないけどいろいろと放任らしいから、大丈夫だろうと踏みながら、野崎さんが許可を貰えたら、もっと楽しくなるだろうなと思いながら僕はうどんに手をつけた。



その後は自分たちの街に戻ってまた4人でカラオケに行った。


戸田が野崎さんのリクエストを歌った時、野崎さんは「個人利用しかしないから」と言って動画を撮らせて欲しいと戸田に頼み込む。

戸田は「全然いいけど、個人利用って何するの?そっちの方がすごく気になる」と言って、野崎さんの言葉使いにウケていた。


僕は僕で、戸田の動画を1人見返してニヤニヤする野崎さんは全然想像出来ないなと考える。


「やだ、なんか変な言い方になっちゃった…。一人で聴き返すだけだよ!」と焦っていた野崎さんは可愛い。

「それもなんかちょっと照れるかも」と言ったあと戸田は「恥ずかしいから他の人には見せないで陽菜ちゃんだけで見てね」と念を押して許していた。


その後も控えめながら「次回はこの曲を…」と戸田も知らないアルバムの曲のリクエストを出していた。

野崎さんは好きな歌手のことになるとちょっとタガが外れるんだな、と思いつつも、普段どこまでも気遣いする人が自分を出せる環境を作れるっていい事だよなぁと嬉しくもなった。



浅葱さんは、この前のカラオケの時は3曲歌ったら「もう持ち歌はありません」と言ったように戸田のポテトばかり食べていたけど、今回は歌える歌が4曲に増えていた。

カラオケ好きの野崎さんに合わせて覚えてきたんだろうなと言う健気さを感じる。


楽しく盛り上がるカラオケの様子を見てキャンプも皆で行けたら楽しいだろうなと僕は思った。



動画欲しがったのは陽菜の計画には全く関係ない私情です。好きな歌手の歌を戸田の歌声で、ガチで個人で楽しもうとしてます。

莉央に対する磨きたい願望もそうですが、陽菜は未熟なので小賢しく計画を練ってもここぞと言う時に私欲に負けます。


次は「夏の夜」です。

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