表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/69

21.大人数の昼食にワクワク

「野崎さんの誘い、かわすかと思った。」


僕の部屋で、まったりしてる時に戸田にそう言う。


「いやさ~、陽菜ちゃんってなんかすごい顔広くてさ~。」


─確かに、基本はよく居る2人を引き連れてるけど、廊下で見かける度に男女問わずで色んな人と楽しそうに話してるな。


「浅葱ちゃんが、ああいう子と仲良くするのって、俺とはまた違う形のいじめの抑止力になると思うんだよね。」

「なるほど。」

「陽菜ちゃんは人当たり良くて、凄く気が使える子だから、浅葱ちゃん見たいな控えめで変わった子にも上手にやってくれると思うし~。」


─確かに。いつも一緒にいる2人が戸田に対してちょっと踏み込んだこと聞いたりしたら「ふふ、戸田くん困っちゃうよ?」とすぐ優しく止めて、自然に話変えるもんな。場をコントロールするのが異様に上手いから、誰にでも対応出来そうだ。


やっぱり戸田はしっかり考えるなぁと関心しつつ、僕は自分に出来ることは…と考えた。




次の日の昼休み、浅葱さんを呼んで廊下に出ると野崎さんがクラスの前で友達2人と廊下に立って話をしていた。多分自分らを待っているのだろう。


野崎さんはこっちに気付くとふんわりと微笑んでこっちをじっと見た。

いつもは笑顔を見せたその後すぐ「戸田くん!高田くん~!」と声をかけてくるのにな…と考えた瞬間「陽菜ちゃ~ん、学食行こう~!」と戸田が言った。


周りが昨日と同じ様に少しザワついたが、相手が普段よく話をしている野崎さんで納得されたからか、こういう流れが2回目だからか、浅葱さんの時ほどは騒がれずに済んだ。


「神田さんと、矢野さんも付き合ってくれるの?ありがとね~」


と戸田が連れの友達にも気遣いの言葉をかけてる。


─この2人は元々昨日話した時にすでに行く感じじゃなかったっけ?戸田は忘れちゃってるのかな。


そして僕はこの2人の名前をこの時はじめて知った。



計6人で学食へ向かい、ワイワイと賑やかに食券を買う。

席は戸田、浅葱さん、神田さんが並び、対面に僕、野崎さん、矢野さんと言った配席だ。


「戸田くん、ご飯めっちゃ量多いね」


と神田さん達が笑う。


「高田くんはお弁当なんだ?」


と野崎さんに聞かれたから「戸田とシェアして食べるけどね」と答えたら「それ楽しそう!いいなー」と言われた。


野崎さんも食べる?と言う返事が頭に浮かんだが、そもそも学食自体は戸田が注文してお金を払ってるものだから僕のそんなこと言う筋合いは無いし、こんな可愛い女の子とご飯シェア誘うとか無理無理っとなる。



「直哉の作った卵焼き、めっちゃ美味いよ~」


と戸田が言う、横で昨日ひとつ食べた浅葱さんも頷いている。


「え、高田くんお弁当作るんだ…」


と野崎さんに言われたので卵焼きだけだよ、と訂正した。


「なら私もお弁当持ってくればよかったな!私も卵焼きには自信あるっ」


自慢げな振る舞いにも可愛らしさを忘れない野崎さんは流石だ。


「陽菜は料理上手だよね~、家が豆腐屋さんだからかな?」


と矢野さんが言った。


「へ~、豆腐屋さんなんだね~」


と戸田が答えると野崎さんは「うん!お弁当にはなかなか入れられないけどね」と笑っていた。



─…豆腐、…豆腐、野崎…。


「野崎豆腐店??」


と僕が言うと、野崎さんはすごく驚いた顔をして「え、…うん。」と答える。


「うちの家の豆腐は絶対いつもそこで買う、めちゃくちゃ美味しいよね。」

「あっ、そうなんだ~!確かに直哉の家のご飯に出てくる豆腐、めっちゃ美味しいわ~!なんかすごい高い和食屋で出てくるのと同じ感じ~」


僕がそういうと、戸田も話に乗ってくる。


「戸田くん、高田くんの家でご飯食べたりするんだね~」「高い和食屋行ったりするの?」


と神田さん達に言われて戸田の私生活の話に会話の内容が変わったが、隣にいた野崎さんはこっちを見て小さな声で「うちの豆腐、最高でしょ!」って言ってきた。

さっきの卵焼きの時とは違い、なんだか子供みたいなドヤ顔と発言だけど、家業に誇りを持ってるんだなとむしろ好感が持てて、思わず「本当に最高だよ、いつもありがとね」と言うと「こちらこそ!毎度ありっ」と耳打ちされた。


─こんな1面もある人なんだな。


いつもよりずっと野崎さんを近くに感じた気がしたやり取りだった。



浅葱さんはと言うと皆が喋ってる中、黙ってもくもくと頼んだハンバーグランチを食べている。

ただ、ハンバーグに気を取られつつも、硝子玉みたいにキラキラした目はメインで話してる人をちゃんと追っているのでこの場にいるのが苦痛とか嫌とかそんな感じは無さそうでホッとする。


野崎さんが気を使って話しかけると短いながら返事をする。

浅葱さんが喋る時だけ、神田さんと矢野さんはなんと言う、少し困ったような表情になっていることに気付いた。

浅葱さんの間は独特だから、会話のペースを乱されると感じてるのかもしれないな、と思う。

僕も昔は今以上に言いたい言葉を表に出すのに時間がかかる方だったから共感があって待てるけど、普通の人からしたら焦れったく感じて待てないのだろう。


─そう考えると戸田と野崎さんはまったく気にしてなさそうですごいよな。コミュ強過ぎるとそうなるのかな。



今日は1組のギャル2人は学食に居なかったけど、学食帰りに教室戻る途中の売店前で遭遇した。

戸田と戸田の周りの人間を確認すると目を逸らして背を向けて2人でなにか話しているが、敵意とか悪意ではなく恐怖の方が勝っていそうな感じだ。


戸田バリアの効果が出てるといいな…と思うが、まず彼女らが犯人かも謎なところだから、決め付けで考えずに俯瞰して観察して被害が起きないようにしないとな、と僕は考えを改めた。

神田ユイちゃんと矢野ミサキちゃん。

ミーハー気味な2人は中学からの親友。

2人ともバレー部です。


次は「一度繋がった縁ですもの」です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ