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ゲームとお出かけ

 僕は意外とゲームが好きだ。それはこの世界に来てからも変わることはない。ただ…


ユキ『この世界だと男性向けゲームがほとんどないんだよなぁ』


そんな中で僕が今は待っているのはロールというオンラインゲームでいろんな人と一緒にいろんな職業になりきって楽しむゲームだ。ちなみに僕は警察だ。


ユキ「おはようございます!」

「あ、ゆくゆくさん。おはようございます。今起きたところですか?」

ユキ「そうですね。ハイフンさんも起きたところですか?」

ハイフン「私はオール中ですね。」


ハイフンさんは僕と同じく警察所属の女性プレイヤーだ。あ、ちなみにこのサーバーには200人が参加しているがそのうち男性は4人しかいない。


ハイフン「でも、今日はめっちゃ運がいいです!」

ユキ「何かあったんですか?」

ハイフン「四人しかいない男性プレイヤーの内3人と会うことができたので!」

ユキ「おお、リーチですね!」

ハイフン「そうなんですよぉ。あ、もちろん最推しはゆくゆくさんですよ」

ユキ「ありがとうございます!うれしいですね」

ハイフン「だってゆくゆくさん以外の三人は近づくなオーラが凄くて…ゲームでぐらい少しは警戒心を…」

ユキ「しょうがないんじゃないですかね。ゲームでの事件も多いらしいですし…」


そう。この世界ではネット上でも男女の事件が多い。一番多いのはセクハラ関連で、いきなり性的発言をしたり、ま〇凸とやらをする人もいるらしい。酷いのだとネットの情報から住所特定してリアルで襲われたなどもあったらしい。そのためゲーム内の男性もかなり守りが硬いらしい。だから僕のような存在は稀らしい。ただ僕としてはそんなことが身に起こったこともなければ身近に男性友達もいないため実感がないのだが…


ユキ「あ、事件が起きましたね。行ってきます」

ハイフン「はい。行ってらっしゃい。って私も仕事だ!」


僕は通報のあった場所に急いで駆け付けた。するとそこには倒れている人ともう1人が何かを話していた。


ユキ「あのー、何があったんですか?」

「キャーーー!ゆくゆくさんだぁ!」

「本物だぁ!」

ユキ「えーと…」

「あ、すみません。さっき二人で話してたら黒い車に轢かれて…」

ユキ「なるほど…誰かわかりますか?」

「分からないです。」

ユキ「うーん…それだとかなり難しいですね」


このゲームには都市部以外には監視カメラ等がない。ここは若干都市部から離れていることもあり監視カメラもないだろう。


ユキ「一応調べはしますね。念のため名前を教えていただけますか?」

るんか「はい。るんかです」

はーろん「私は、はーろんです」

ユキ「わかりました。それじゃあ僕は一度帰りますね。」

るんか「はーい」


そして僕はすぐに警察署に帰り、警察用連絡網にさっきの事件について書いた。


ユキ「ふぅ…もう少ししたら一旦終わって買い物行こうかな」

「ゆくゆくさん。もう落ちるんですか?」

ユキ「あ、署長!」


この大人の女性っぽさが溢れているのは警察署長のデルカッツさんだ。


ユキ「そうですね。今日は護衛の人たちと買い物に行く予定があるので」

デルカッツ「なるほどです『うらやましぃぃぃ』」

ユキ「本当はもう少しやりたいんですが、まだパジャマですので」

デルカッツ「パ…パジャマ…『男性のパジャマ姿…』うっ…」

ユキ「署長?リアルで何かあったのかな?ってもうこんな時間だ!急いで準備しないと…署長、僕はもう抜けますね。」


返事の返ってこない署長を無視して僕はゲームを閉じるのだった。


・・・


 そして僕たちは急いで集合場所にまで来ていた。


ユキ「ふぅ…『急いできたから服も適当に決めたけど…どうかな…』」

カナ「雪様!おはようございます!」

ユキ「佳奈さん、おはよー2人ももう来てるのかな?」

カナ「七美はもう少しかかると思います。桜は私より先に出ていたのでもうついてるかと…」

サクラ「あ、雪くん…おはよー」

ユキ「桜さん、おはよー」

カナ「七美…遅いですね…予定時刻まであと5分ですよ…」

ユキ「まあまあ、いいんじゃないかな。女の子だから準備がかかるんだと思うよ」

カナ「それでいうなら私たちも女性ですので!早くから準備を始めていればこんなことにはならないんです。」

ユキ「うっ…ごもっともです…」

ナナミ「ごめーん、お待たせ!」

サクラ「遅い…」

ナナミ「ごめんね、ちょっと服選びに時間かかっちゃった。」

ユキ「僕は大丈夫だよ。それじゃあ行こうか。」

カナ「今日はどこに行かれる予定なのですか?『雪様とのデート…ここで距離を詰めれば…』」

サクラ「そう言えば聞いてなかったかも…『今日も雪くんはかっこいい…』」

ユキ「今日は本屋に寄って、洋服買って、ちょっとゲームセンターで遊んで解散かな。昼食は近くのお店で食べようかな」

カナ「わかりました。」

ナナミ『このお出かけを使って一気に彼女枠まで…いや、都合のいい女でもいいから…なんとか…上手くいけば…ぐへへへ』

サクラ『また七美の顔、ニヤけてる…絶対ダメなこと考えてる…』

カナ『雪様に近づくにしても2人が邪魔ですね…なんとか2人きりにならなくては…』

ユキ『こんな美女3人と買い物できるなんて…僕ってなんて幸せ者なんだぁ…』


そして僕たちは初めに本屋に寄るのだった。


・・・


 この世界の僕はあまり本を読まない人だったらしい。部屋にはほとんど本は置かれていない。今の僕は本が意外と好きだ。何故なら他人の世界に触れられるからだ。同じ話を書くにしても、その人の思想や考え方、語彙などによって意外と変わるものだ。こんなに簡単に他人の考えに触れられるものは本以外にはないと思っている。


ユキ「おー!広いなぁ」

カナ「興奮するのはわかりますが、私たちからなるべく離れないでくださいね」

サクラ「うん…誘拐事件とかもよくある…気をつけるべき」

ナナミ「いざとなったら私が守ってあげるからね!」

ユキ「うん!みんな心配してくれてありがとうね!じゃあ、あっちの本見に行こうか!」


・・・


 私は高山藍、本屋の店員だ。


アイ『早く帰ってゲームしたいなぁ〜』


私は3度の飯よりゲームが好きな人種だ。ゲームではハイフンという名前でプレイしている。そして最近は気になる子も現れてかなりゲーム欲が高まっている。


アイ『ゆくゆくさん…ぐへへ』


ゆくゆくさん、最近ゲームで出会った男性プレイヤーだ。男性という時点で奇跡的な出会いなのだが、性格がかなりいい。彼を神とするなら他の男なんてありんこ以下の存在としか言いようがないほどだ。


「すみませーん」

アイ「あ、は、はい!『ん?この声、どこかで…』」

「会計お願いします!」

アイ「はい…?『男の子…?でもこの声って…』」


目の前にいたのは160にも満たないほどの男の子だった。だがその子が発する声は何度も聞いたゆくゆくさんの声なのだ。


アイ「3360円ですね…『ゆくゆくさんの声を録音してずっと聞いてたからわかる…この子がゆくゆくさんの中身だ…』」

ゆくゆく「はい、3500からお願いします!」

アイ「はい、140円のお返しですね『平常心平常心平常心…心頭滅却心頭滅却…煩悩退散煩悩退散』」

ゆくゆく「ありがとうございます!また来ますね!」

アイ「うっ…」ガクッ

ゆくゆく「え!え?」

「はぁ…なると思った…」

「雪様、少しは距離感を間違えないでください」

「そうだよー雪くんの笑顔を真正面から食らったらうちでも耐えられるかどうか…」

ゆくゆく「そんなに!?えーと…どうしよう」


そこで私の意識は途切れるのだった。

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