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帰宅

 護衛のみんなと解散し、家に入ると楓が僕に抱きついてきた。


カエデ「お兄ちゃん!大丈夫だった?怪我は?他のメスどもに何もされてない?いじめとかは?」

ユキ「うんうん…全部大丈夫だから…それより先に荷物片付けたいかなぁ…」

カエデ「そうだよね!私がお兄ちゃんの部屋まで運んどくからリビングで休んでてもいいよ」


そう言って楓は僕のカバンを引っ張る。


ユキ「大丈夫だよ。これぐらい持っていけるから」


そう言って僕は思いっきりカバンを引っ張り、楓から逃れることに成功した。


ユキ「はぁ…『前の世界の時もそうだったけど、この世界だとさらにブラコンが加速してるなぁ…それに…服はだけすぎ!』」


そう、無理やり逃げた理由は楓の服装がはだけすぎて女性として見てしまいそうになったからだ。


ユキ「『流石に妹にそんな目線は向けられないし…注意はしとこうかな…他の男子に見られたら…』ってそうか!この世界だと男子が少ないからあんな服でも普段着として使えるのか…なら僕が反省しないと…普段着の女性に発情するなんて変態じゃないか…心頭滅却心頭滅却…」


そして僕は数十分部屋で自分の心と見つめあった。すると一階から楓に声をかけられる。


カエデ「お兄ちゃん!お風呂沸いたよ〜私は後でいいから」

ユキ「はーい…」


僕はすぐに一階に降りて、着替えなどを用意してお風呂に入った。


・・・


 私は柳楓…私は今最難関のミッションを行なっている。それはお兄ちゃんの脱ぎ立てパンツを手に入れることだ。さっきの露出多めの服で誘うのは失敗だった。


カエデ『記憶が混乱しているとは言えお兄ちゃんも男…メスへの警戒は強いはず…しかも露出多めの服を着ているメス臭漂わせてるメスとか地雷すぎる…』


さっき行った行為を後悔しながら私はゆっくりと更衣室に入る。前までのお兄ちゃんだったらこんなことできなかったけど、今のお兄ちゃんは記憶が混乱していて、女性への警戒心もない。これは狙えという神様からのお告げなのだ。お風呂の方からはシャワーの音とお兄ちゃんの鼻歌が聞こえてくる。


カエデ『録音しておかずにしたい…でも…まだだ。お兄ちゃんの脱ぎ立てパンツを手か入れれば…』

ユキ「ん?楓か?」

カエデ「はひ!!」


急に声をかけられたせいで変な声が出てしまった。


ユキ「いいところに来た!ボディソープの中身がもう少なくてさ、まだある?」

カエデ「へ?あ、うん。あるよ」

ユキ「じゃあ取ってくれー」


そしてお兄ちゃんは風呂の扉を少し開けて顔を覗かせる。


カエデ『はぁ…はぁ…この扉一枚越しにお兄ちゃんの身体が…』

ユキ「ん?息荒くないか?大丈夫か?」

カエデ「う、うん。大丈夫だよ。えーとこれだよね。」

ユキ「うん、ありがとう!」


そして私はそれを渡すふりをして扉を開けた。そこには…


カエデ「ブフッ…‼︎」

ユキ「楓!?」


その神秘的光景を見てしまった私は鼻血を出してその場に倒れてしまった。


・・・


 僕は急いで身体を拭いて楓を担いでリビングに運び、救急車を呼ぼうとした時だった。


ハルカ「ただいまー」

ユキ「あ、母さん!楓が急に倒れて、早く救急車を!」

ハルカ「それは大変!…って雪、お風呂に入ってたの?」

ユキ「え?うん。そうだけど、それよりも!」

ハルカ「うーん…原因はなんとなく察したわ。救急車は呼ばなくていいわよ。」

ユキ「え!?」

ハルカ「うーん…なんて言えばいいのか…持病みたいなものよ。」

ユキ「それなら尚更!」

ハルカ「うーーーん…そうじゃなくてー…まあ、このままでいいのよ。重い病気でもないし、すぐに目を覚ますわよ。気になるなら目を覚ました楓に聞いたらいいわよ『多分答えないけど…』」

ユキ「うーん…納得いかないけど…」


そう言いながらも僕は自分の部屋に帰った。楓は十数分経ったあたりで目が覚めた。


ユキ「楓!大丈夫か?」

カエデ「大丈夫だよ。少し興奮して…」

ユキ「?」

カエデ「なんでもないよ。それよりお母さんがもう晩御飯作ってるみたいだし、早く食べよう」

ユキ「?まあ、いいか」


そして俺たちはご飯を食べることとなった。


ユキ「というかお父さんは?まだ帰ってきてないの?」

ハルカ「…そこも忘れてるのね…」

ユキ「?」

ハルカ「雪のお父さんはわからないわ…」

ユキ「どういうこと?」

ハルカ「日本政府はこのままでは人類が絶滅すると考え、15歳以上の男性に年に3度以上の精子提供を義務化しているの。そしてその精子は20歳以上の女性に配られるの。それを使って女性は妊娠する。結婚するっていう珍しい例もあるにはあるけどほとんどはそんな感じ…もちろん私も」

ユキ「そう…なんだ」


なんとなく察してはいた。この世界に来て一度もお父さんと出会っていないし、やけに母さんが若かった。全てが繋がった。


ユキ「って…15歳以上?てことは僕も?」

ハルカ「えぇ、記憶混乱が起きる前に何度か行っているわ。」

カエデ「その度にお兄ちゃんは泣きながら帰ってきたんだよ」

ユキ『泣いてたってどれだけのことが起きたんだ…』


そして僕はご飯を食べ終えて就寝に就くのだった。

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