Alice In Lostwonderland
「こんにちわお嬢さん
今夜は最後の晩餐、、、
楽しんでいってくださいな」
悪夢の門の前であたしは兎に
「あら?
時計に13時という盤はあったかしら?」
と問うてみる
答えなんて知っている
ただ受け入れられないだけ
だからその確証が欲しかった
「おやおや。
貴女様はご自分がなぜここにいるのが
お分かりではないご様子で?」
嗚呼、やはりそうなのだ
あの時私は死んでいたのだ
未練とかがあるわけではない
ただ、この先の未来の歪んだ様を見届けておきたかったのだ
アリスとして生を受けたのは
何かの悪戯?
それともお遊び?
毎日が不思議の国、、、
だからこそ見ておきたかったのだ
セカイが歪みゆく様を
狂ってゆく人々を
兎が口を開いた
「もうすぐ晩餐会のお時間です。
皆様がお待ちです、、、どうぞ
99人目の迷えるアリス様、、、」
鈍く唸るのは大きな扉
中では奇妙な晩餐会、、、
錆びた階段の上にいるのは
仮面をつけた幼い頃の私
脳裏に浮かんだ
残酷な微笑み
嗚呼、歪んでいたのはセカイではなかった
私自身だったのだ
思い起こせば最低な人間だったのかもしれない
歪みゆくセカイを見たいがために生きていた私は
気づかぬうちに
己を狂わしていたのだ
死んでから気づいたところで
何も変われやしない
ただ皮肉なことだと
思い知らされるだけだ、、、
ふと気づけば
さきほどの兎、、、
「ご自分は見つかりましたでしょうか?」
「えぇ。」
そっと紡いだ曖昧な相づち
兎が微笑み目の前が明るくなった
「来世のご自分を抱きしめてあげてください」
写真でしか見たことのなかった赤ん坊の頃の私
私の命は来世に続いてくれる
そう思った瞬間に涙があふれ出した
「あなたは幸せになりますように、、、」
ふわりと赤ん坊が消えた
新しい母親のもとへゆくそうだ
「ありがとう、、、兎さん」
私が振り向けば兎はいなく、
かわりに12時で止まった時計が置かれていた
「時間が進まぬうちに13時になる前にその扉をくぐりぬけてください」
目の前には先ほどとは違った大きな扉
その扉に触れた瞬間から私の記憶は
途切れてしまっている
ただ気づいたら真っ白な部屋で
親たちが泣いて喜んでいる姿が見えた
嗚呼、私は生きているのだ
生きている
ちゃんとこのセカイにいる
あの赤ん坊はどうしたのだろうか
などと野暮なことは考えない
ただ今までより変わったことは
幸せそうな人を見ると嬉しくなる
そして
私にも、、、
新しい命がひとつ宿っている
---不思議の国は
---あなたのそばで
---幸せを願いつづけます
おやおや今日も迷えるアリス様がいらっしゃったようです
「こんにちわお嬢さん
今夜は最後の晩餐、、、
楽しんでいってくださいな」
,,,END
アリス小説が書きたかったので書いてみました
ここでいうアリスは悩みや闇を抱えて人生を迷っている女の子をさします
13時の時計は不吉な時間を醸し出してくれると思い導入!
最後はハッピーエンドでしめてみました
テスト期間真っ最中のためあまり更新できません
すみません
最後に
この小説を読んでいただきありがとうございました
コメントやアドバイスなど書いてもらえると
幸いでございますφ(..)