ep6 皇太子と二人きり…!?
「皇太子殿下。申し訳ございません。娘は少し前まで体調を崩しておりまして、まだなにも伝えられていないのです。伝えておくべきでした…」
「それならば仕方ない」
「はいっ…」
うひょー怖〜、これが威厳ってやつー?
コソッと囁かれた
「ほら、フィーも、」
えー、俺もぉ…?てか俺、フィーじゃないからしなくても〜…
『申し訳ございませんでした。………殿下。』
えっと〜………名前何だっけ…?
「お主、まだ名前を覚えてないのか!?ジークファルトだ!」
『すみましぇん……ふぇっ…ぐすっ…』
これぞ必殺、乙女の(姿での)涙!(泣いてないけど)
「…おい、何泣いてる。行くぞ」
くそ、効かないか……でも逃れt…!?……んんんん?手?手ぇ…?
『んぇ…?』
「何間抜けな声出してるんだ。当たり前だろ?こっ、婚約者なんだから////」
反射的に殿下をみると殿下の耳が赤い。そんな赤くなるならなんで手を繋いだんだよぉ。私の頬も熱いので赤くなってるはずだ。
そうして照れながら無言で手を引かれて、客室に着いた。
そしてメイドもお茶をだし消え去る。外に護衛はいるだろうが、この部屋は二人きりになった。普通………普通メイドぐらいいるだろ。そんな婚約者だからってイチャイチャしねぇし。したくもねぇ。いや、まずまず俺中身男だしさ。恋愛対象にもなってねぇ。そんな二人きりにしたってなにもならねぇし喋ることないしさ…何よりめっちゃ気まずい…。さっき名前間違えたところだし…。うぅ、誰か…誰か嘘だと言ってくれ〜!二人きりなんてやだよ!!あぁ、早く終われ〜。誰か来い〜。
泣いたらメイク落ちるじゃん
By母の心の声